趣味Web 小説 2006-03-17

自分の小法師を手に取って

民主党の渡部恒三国会対策委員長は14日、地元の民芸品である「起き上がり小法師(こぼし)」を幹部に配り、奮起を促したが、前原代表の分だけが転んだままになる“珍事”が起きた。

渡部氏は同日朝の役員会で、「みなさんに差し上げたいものがある。雪の深い会津の冬でも春の来ない冬はない。七転び八起きだ」と切り出し、福島県会津若松市の民芸品である小法師を出席者に配った。

鳩山幹事長らは机の上で転がし、起き上がってくる小法師に歓声を上げたが、前原氏が転がすと、小法師は倒れたままに。前原氏は「あっ、起きあがらない」と引きつった笑いを浮かべた後、自分の小法師を手に取ってじっと見つめた。

どうでもいいニュースなんだけど、いささかの感慨を覚える。

現代風の企業ではあまりこういった情緒的なイベントがないというか、むしろ意図的に排除されているのだろうけれど、私はけっこう好きなんですよね。だから「国会議員がくだらないことに時間を使いやがって」みたいなことは思わない。会議の内容は忘れてしまっても(議事録があるわけだし)、起き上がり小法師のことは覚えている、それが励みになるということはあるでしょう。

不良品だったのかどうか、前原さんの小法師は起きあがらなかった。これも単純に「あーあ、逆効果、逆効果」というものではないと思う。自分の小法師を手に取ってじっと見つめた前原さんの胸に去来した思いは? それは必ずしも悲観的なもの、ネガティブなものばかりではなかったろう。

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