同社では「パソコン通信上で展開していたフォーラムのうち9割以上はWebに移行した」(広報部)としながらも、パソコン通信上で交わされていたコミュニティサービスの書き込みに関しては「残さない」方針を明らかにしており、蓄積の破棄を惜しむ声も聞かれる。
ある意味、予想通り。ウェブサイトが閉鎖して誰一人ログを持っていない、なんて事態が頻発しているのをみて、パソコン通信のログだって儚いものなんだろうな、と。
「パソコン通信での発言って、半永久的に保存されるんですよね。怖いなぁ」
知り合いに言われ、僕も考えた。パソコン通信への書き込み(これを「発言」と呼ぶ)は、ある程度の分量になると、データライブラリーという場所に移動され、データ圧縮して保存される。見たい人は、一手間かければ誰でも見ることが出来る。
パソコン通信は始まってまだ十年ほどだから、今は十年分の発言が保存されているわけだ。当然、8年前についカッとなって書き込んだ自分のおバカな発言も残っている。なぜおバカな発言が多いのだろうか。
(中略)
油断していると大変なことになる。数十年後、大人になった自分の息子や娘が、若かりしパパやママの発言を検索できちゃうのだ。そこに「レイ姫、ラブラブでごじゃりまするぅ・~~~!!(翻訳:私はエヴァンゲリオンのヒロイン・綾波レイのことを考えると、心が熱くなることだよ)」と書いてあったりするのだ。
書き込み一ナノ秒、恥永遠。気を付けよう。
これは1997年頃に書かれた記事です。永遠に残るかと思われた恥も、2006年に早くも消滅。著作権とか、個人情報がどうのこうのとかで、ログの管理もコストが馬鹿にならないことが次第に明らかになってきた、ということなのかな、と思っています。
ともあれ、こういったことがあるから、中央集権的なデータ管理は信用ならない。essa さんが何度か書いていた、ローカル Internet Archive の早期実現に期待したい。そこまでいかなくとも、自分が閲覧したウェブページを全部自動で保存できるような、そしてそれを簡単に検索できるような仕組みを、私が手軽に使えるようになったらいいな、と思っている。書籍と比較してウェブサイトが不便なのは、まさにこの点なので。