私の勤務先では、定年退職者のうち、希望者は全員再雇用しています。だから8割超の退職者が定年後も働いているわけです。彼らの年収は一律300万円(税引前)でボーナスなし、月給は大卒初任給よりいいけれど、年収は同じくらいですかね。
で、彼らのせいで誰か仕事を奪われている実感があるか? 全然ありません。今年は新入社員も全社員数を30年で割ったくらいの人数が入ってきています。ようするに、生涯現役世代が全員働いてもまだ人手が足りない状況なら、若者が脅威を感じる必要は全くないのです。
私は小中高と私立の学校に通いましたが、定年が公立校より5年遅い関係で、再就職組の先生には何度もお世話になりました。**中学校の元校長とか、**小学校の元教頭みたいな人が、一教師として年功序列の1年目からやり直しているわけです。でも余生だと思っているからか薄給で腐ることなど全くなく、精力的に素晴らしい授業を展開されていたことが印象的でした。
人手不足だからといって新人を大量に採用したら教育コストがバカ高くて困る。だから新人は一定量取るけれども、それ以上の人材需要は定年退職者からどんどん補充する。私の勤務先も、かつての学び舎も、日本の進むべき道を先取りしている(いた)と思う。
ようは人口減少下の経済成長を何としても実現しまして、労働需要をどんどん増やしていくことが大切だということです。そんなのは無理だ、という前提に立てば id:aratako0 さんの不安は大きな社会問題となってくるのかもしれませんが、私はその立場を取りません。
補記:ある種の仕事については引退世代が席巻して「老人の仕事」というジャンルを確立することはありうると思います。今でも「警備員」とか「マンションの管理人」のような事例がありますよね。