イジメは初期段階で芽を摘むべきだ。そのためには、子どもたちの人間関係を把握する必要がある。しかし従来、それは高い能力を持つ教師にしかできないことだった。
休み時間に誰と誰が仲良く遊んでいるか、誰が一人ぼっちになっているか、意外な組み合わせのグループはないか、そういった情報を収集するためには、丹念な観察と時間が必要とされる。校務を手際よくこなせない教師には無理。トモダチ教師の当て推量とは話が違うのである。
とはいえ現実には、能力の高い教師ばかりではない。人の目と耳で観察しきれない部分を、科学の力で補うこと自体に、問題があるとは思わない。生理的嫌悪感を持つ人がいることは理解するし無視できないが、業界の専門知もリサーチしていただければ幸い。
もし嫌悪感だけで新しい道具を門前払いするとしたら、それは不幸なことだと思う。