趣味Web 小説 2007-04-17

その常識、根拠は何?

プロ野球の「裏金問題」が話題になっているとか。一部の球団が、申し合わせの金額を遥かに超える大金を積んで大卒の投手を獲得していたことが発覚し、今秋の新人獲得からは、選手側が球団を選択する自由がなくなり、くじ引き一本になるのだそうだ。

経済学を知らない私、もちろん質問に正対した答えは書けないから、以下の記事を下敷きに、思うことを少々。

経済学的には、自由市場に任せて最高の条件を提示した球団へ選手が入るのが当然であって、くじ引きとか契約金に上限をつけるとか、全部ばかばかしいということになる、っぽい。

これって、こーぞー改革で景気回復とかいう話と同じで、「球団戦力の均衡がプロ野球人気を回復する唯一の道」と信じるのが常識ある社会人、ということになっているから、カルテル強化に大衆は拍手喝采するのではないかな。

いま戦力均衡の夢はちっとも実現せず、眼前には「(概ね)強い球団ほど客の入りがいい」という現実がある。だから掟破りが横行する。合成の誤謬があるんだ、と人々は思う。よってカルテル破りを厳罰に処し、抜け駆けのリスクを途方もなく高くすることで、「ズル」をさせまいとする改革が進められている。

ようするに囚人のジレンマの問題と認識されているわけ。巨人みたいな金持ち球団がいい選手を全部獲得したら、その球団だけは一時的に儲かるかもしれないが、プロ野球全体は沈没してしまう。放っておいたら絶対に失敗する市場なんだ、と。

私が疑問に思うのは、「本当にそうなんですか?」ということ。「当たり前じゃないか」という空気に、大多数の人々が流されちゃってる。だけど私は一度も、戦力の不均衡がプロスポーツの人気を衰退させるという実証分析を読んだことがない。20年も新聞を読み続けてきたのになあ。

新聞に限らないけど、記者さんや大半の評論家って、ほんのわずかな事例から一般論を引き出すから困る。そういうのは素人のやることじゃないのか。でも記者さんはあくまでも「記者」のプロであって、取材対象の事物のプロではない。じゃあ評論家は? 多分これも、「評論家」のプロなんでしょう(笑)。

戦前、日本は人口過剰で破滅するという「常識」が社会を支配し、大陸進出なくして日本民族の未来はないと考えられていた。当時の人口は7000万人程度。昭和恐慌が大蔵大臣の適切な経済政策により終焉しても、中国進出に成功したからだと人々は勘違い。軍事費抑制を目指した大蔵大臣はクーデターで殺されてしまう。

「常識」って、意外と無根拠だから怖い。逆に「常識」は意外と正しい、という説もあるけど、「意外と」ってことはないだろう、みんなこんなに信じているのに。それとも、信じてもいないのに「常識でしょ」って自信満々なわけ? 「常識」だったら何だっての。

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