趣味Web 小説 2007-04-24

平凡な人は平凡な就職活動をすればよい

1.

これは自分には能力があると信じる人のための記事。ふつうの人にはふつうの能力しかないので、いい会社に入ってゲタ履かせてもらう方がいいに決まってる。トヨタ関連企業を勤め上げた伯父もいってた。「能力が同じでも環境次第で成果も給料も全然違うんだよなあ。俺はトヨタ関連企業ですごく得をしたと思う」

会社にはシステムとしての力があって、同じ能力の人でも、優秀なシステムの中で働けば、大きなアウトプットを実現できる。優秀な機械だって、部品の大半はふつうのネジや鉄板。組織も同じ。組織の大半はふつうの人で十分なのであって、ここに「ふつうの人は勤務先次第で大いに得をできる」理由があります。

能力の低い人から順に失業していくなんて、ホント嘘っぱち。就職活動なんて、「縁」がほとんどなんじゃないか。私の勤務先でも「勉強は苦手ッス」という超サイヤ人風の高卒の子、採用しているわけで。大卒で面接に落ちた人の何人かが悔しがりそう。うちの会社、給料ほとんど一緒ですからね、大卒でも。

2.

ここ何ヵ月か、就職活動中の多くの学生さん達と話す機会を得ました。いろんな方々と話しているうちに、会社選びをしているはずの当の学生さん達の多くが、いい会社の条件について確固たる基準を持っているわけではない、という思いをますます強くしました。

(中略)「いい会社」のイメージとして、多くの学生さんがいだくものの筆頭は、「安定している会社」「儲かってる会社」「勝ち組企業」でしょう。

仙石さんは「違う」といいたいようだけど、私は学生の方が正しいと思う。特別な信念がないなら、安定して儲かっている勝ち組の大企業を目指すのが断然正しい。凡人は新卒でなければ大企業への入社は難しい。後から「やっぱり大企業にすればよかった」と思っても遅い。逆に中小企業へは後からでも行けます。

右も左もわからない学生に、会社の将来性なんかわかるものか。どうせわからないのだから、データ上、圧倒的に確実な道を選ぶのが安全に決まってる。わざわざ不安定で赤字で負け組と呼ばれている企業に入る必要は全然ない。データといえば、社員の平均勤続年数が短い会社は怖い。要チェック。

大半の学生は平凡なので、仙石流の確固たる基準なんか気にしない方がよい。謙虚に安全策で攻めること。プライドを刺激される言葉には要注意。学生をおだてるような会社って、たいてい労働条件がとんでもないんだから(知人談)。

3.

「安定している会社」を求める以上に不可解なのが、「福利厚生の充実度」を気にする学生さん達です。いったい会社に行って何をするつもりなんでしょうか?

昇進や査定次第で給与には格差がついても、福利厚生は平等ですからね。そこそこ自信家の学生でも、保険はかけておきたい。よって福利厚生重視は当然。あと過労死はホント怖い。きちんと有給休暇が取れて、残業もほどほど、という会社を望むことの何が不可解なのか。

多くの学生さんは、たしかに自分の思っていることをうまく説明できない。だから仙石さんが説得にかかると、一瞬でねじ伏せることができる。でもこれって不幸なことなんです。仙石さん、大勢の学生と話しながら、いまだにこの程度のことを不可解と仰っている。

バカな連中を論破したつもりでいて、多分、仙石さんの言葉は届いていないと思う。相変わらず、学生は福利厚生の充実した会社を目指している可能性が高い。仙石さんの前ではもう、そういうことは口にしないだろうけど。

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