趣味Web 小説 2007-05-09

教養科目の思い出

学生を前へ押し出す方法、力技だけど面白い。続く第3回講義の冒頭で、果たしてどうなっているか……。大学生だから、ことによると一回のお話で変化が起きる可能性、ないでもない。小中学生が相手なら、期待しない方がいいわけですが。ふつうはそう簡単に人を説得することはできませんので。

ところで大学の講義って、教養科目や入門科目だと、福耳さんの講義のように、楽しいお話を3ヶ月あまり聞いて単位取得ということが少なくない。専門科目だとやっぱり違うのだけれど。私は学生時代、市民講座に大筋そのまま応用できる構成の科目が好きで、規定の3倍くらいの教養科目を単位取得しました。

社会人になってみると、こうした講演会がいちいち会費ウン千円とか1万円とか。無料じゃなきゃ嫌だというと、公営の講演会や大学のオープンキャンパスをマメに探さないと、興味ある分野の講演にはなかなか巡り合わない。カルチャー趣味の人には大学っていいところですよね。

とはいえ、私も半年で単位取得はダルくなり、以降「単位は気が向いたら取る。基本的には聴講生」というポジションを取るようになりました。気分が乗らなければ欠席、聴講生はそもそも名簿に名前がないから先生もなんともいいません、と。あと聴講生なら学部限定の講義にも潜り込めるのがいい。

それもじつは大学2年の後期まで。やっぱり基礎知識のないまま朝から晩まで延々と話を聞いているのでは、入門講座から得られるものだって限界があるなあ、と。3年生の頃は塾講師の仕事にハマって教育関連の本ばかり山ほど読んでいたように思う。学習と実践の繰り返し。こりゃ面白い、と思いましたね。

4年生は企業と協力しての卒業研究のため、いつもキャンパスの外にいたので教養科目どころではなく、いささか心残りな卒業に。でも、仮にもう1年あっても意義は乏しかったと思う。入学当時に抱えていた18年分の疑問は概ね解消されてしまっていたので、しばらく他のことをする時間が必要だったのではないか。

一昨年から急に経済学関連の本を読み出したのですが、じつは学生時代に聴講した経済学入門はじつにつまらなかった記憶があります。でも今にして思えば、先生が悪かったのではなくて、私が経済学に無関心だったのでしょうね。高校まで政経は得意科目で、新聞を読むのに苦労せず、もうこれでいいやと満足していた。

定年退職を迎えた方が大学に入り直す気持ち、理解できる感じがします。

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