趣味Web 小説 2007-07-22

D800iDS の2タッチ入力がすごくいい!

私は willcom で弟はドコモ、父は J-PHONE で母はなし。携帯電話の話。みなそれぞれの管理するお金でやっているので、見事にバラバラ。まあ、私と弟と父はそれぞれ住む場所も遠く離れているし、歴史的経緯を考えれば、家族割引サービスの利用を考えなかったのは当然といえば当然。

弟はふつうの携帯電話ユーザーなんだけど、私と父はオカシイ。ま、私のことはさておき、父が携帯電話を買ったのは私が学生だった頃。以来、一度も買い換えていない。電話帳には自宅の電話番号しか入っていないままだ。会社の電話で帰宅の連絡を入れていたのが、携帯電話に変わった。他に何にも使っていない。

ふつうなら、とっくに電池がダメになっている。しかし父の携帯電話は、ひたすら待受けているだけなので、充放電の回数が少ない。もう8年目だが、ピンピンしている。J-PHONE 時代の端末をいまだにメイン端末として使っている人って、全国に何万人くらいいるのだろう。10万人はもう下回っているのではないか。

さて父の携帯電話だが、写メール以前の端末なのでカメラはない。でもメールくらい。そう。だけど父は、電話帳の登録件数が7年を過ぎても1件から増えないような人。メールを書いても、出す相手がいなかった。2年前に母がパソコンを買ったのは、だから父にとってはとても嬉しいことだった。

しかし父は、マニュアルを開くとアレルギー反応が起きて全身が硬直する体質だ。携帯電話の説明書とも半日くらい静かな格闘を続けたのだが、「かあさん、ボクには無理」と泣きが入った。

母が携帯電話に関心を持っていれば話は違ったのだ。父は母に家電の使い方を教えるのは大好きで、そのためならマニュアルだって読めてしまうのだ、何故か。でもたいてい父は何か勘違いしていて、説明通りではうまくいかない。結局、母の方が先に使い方をマスターし、父をバカバカいいながら逆教育することになる。

市が開催するパソコン教室で、母はパソコンからのメール操作に一人で習熟してしまった。そして親戚や友人や私や弟とやり取りしている。父は出る幕がない。仕事で使うからパソコンからメールを書くことはできるけど、2階から1階へメールを送る気にはなれないらしい。

いま、どこのキャリアからもらくらくホンみたいな端末が出ている。でも、やっぱり文字入力で躓く。ボタンの小さな記号を読まなきゃならない場面で困惑する。通話機能限定モデルなら、ほしくない。

なかなか難しい要求だ。現行の10キーインターフェースじゃダメだというのだ。無論、W-ZERO3 のような方式もダメ。だってインターフェース部の表示が大きくなきゃいけない。あんな小さなキーをポチポチやるのは無理。ダメもとで紹介したけど、店頭で実機を一目見て拒否反応。

父の端末がソフトバンクモバイルだから、何となく先入観があってソフトバンク端末ばっかり見て「う~ん、まだまだだなあ」と思っていたのだけれど、ドコモのひとりでも割が初年度から37%オフというニュースを見て、もうキャリアはどこでもいいや、と。37%オフなら月額3000円未満で無料通話約25分。十分すぎる。

それでドコモ端末のコーナーを丹念に見て回ったら、見つけた。

最初はガジェット好きのユーザー向けでしょ、と思ったんだけど、触ってみてビックリ! 他人の迷惑も顧みず10分近く、一人で見本を占領してしまった。何をするにも、らくらくホンよりずっとラクラクなんだもの、感動したよ。

私自身、携帯電話での文字入力は断念した一人なので、D800iDS の2タッチ入力はすごく魅力的。まあ、いろいろ手数が増えてる箇所もあるし、どんなに習熟してもこれ以上早くは操作できない、みたいな制約もある。今の携帯電話に対応できちゃった人には、かったるい端末かもしれないね。でも、これいいよ。

これまで国内メーカーは、年3回の商戦期のために、キャリアの意向を聞き、他メーカーの動向を横目で見て、日々疲弊しながら製品開発を行ってきた。機能競争だけでは差別化しにくくなっている今、国内メーカーに求められているのは、メーカーとしてのメッセージ性を持った製品を、じっくりと腰を据えて開発できる環境なのだろう。

D800iDS の開発は2002年末にスタートしている。試作機の公開は2005年9月。発売は2007年2月9日で、4年以上の歳月を経てようやく商品化された端末なのだ。

かつては大いに注目されたものの W-ZERO3 シリーズや iPhone 登場で今や色あせて見えるようだけれど、もともと先端ユーザ向けの端末じゃない。感圧式のタッチパネル部品が分厚く、それでいろいろな機能を諦めてもいる。

月末から9連休なので、実家に数日は顔を出すつもり。そのときに、ちょっとお節介してみようと思う。

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