趣味Web 小説 2007-12-06

「女子高生温水プール放尿事件」から20年

1.

1988年、朝日新聞「明るい悩み相談室」は2度の騒動を起こした。「中島らものもっと明るい悩み相談室」(朝日新聞社, 1988年)には、こう記されている。

この2冊目を出すまでに、「明るい悩み相談室」のせいで二回ほど人騒がせをしてしまった。一度目は「ミソ・ジャガ事件」である。「お祖母ちゃんに昔、“焼いたジャガイモにミソをつけて食べると死ぬ”と言われました。迷信だと思うのですがこわくて試せません。ほんとうでしょうか」という質問に対して「ほんとうです」と答えた。人間、いつかは必ず死ぬからである。お祖母さんは、「食べたらすぐ死ぬ」とは言っていないのだ。この回答が出たその日のうちに、朝日新聞社には何十件という電話がかかり、次の週には山のような問い合わせの手紙がきた。中には、「私は焼きジャガイモにミソをつけたのが米の飯より好きで、何十年来これを食べている。私は死ぬのでしょうか?」という、全然死んでない人からの手紙や、「こんな大事なことは一新聞だけでなく、国会で国民に知らせるべきだ」というのもあった。

二回目の人騒がせは「温水プール放尿事件」である。ある女子高生の「私は温水プールでおしっこをするのが趣味」という投書を紹介したところ、これも大量の非難の手紙をいただいた。不快を感じられた方々、並びに厚生省まで追跡取材に行って「おしっこ健康法」について講義された「週刊朝日」の記者氏にも紙面を借りてお詫びしておく。

当時、私は小学2年生。日本の社会は、私が物心ついて以降、ほとんど変化がない。常々実感していたことを、古い本を読んでまた再確認。

関連

文藝春秋昭和3(西暦1928)年10月号には、前田河六一郎さんの「「圓本」の忌憚なき批判は「匿名批判」に限る」という小論が掲載されている。

2.

私はホームレスはうらやましいとは思わんしというコメントがあったんだけど、これは違うと思う。ふつうの人は「ホームレスにはなりたくない」から、自由を渇望しながらも、いろいろ我慢してる。この抑圧が、ホームレスに苛立ち、攻撃することにつながっている、そういう話でしょう。

この説明は応用範囲が広い。そもそも常野さんの怒り(?)だって、より自由な世界に憧れつつ、一時の感情に素直にしたがって管理社会に与する人々に対する苛立ち……と整理することが可能。

(根拠のない噂話だから、あくまで仮の話とするけれども)常野さんだって、リサイクル豚丼を出され「どうぞお召し上がりください」といわれたら不愉快に感じるだろう。素直にその不快感を表明したい、その気持ちは分かるはず。後先考えずに電凸する、職場でテラ豚丼を作ってネタにする、両者には通じるものがある。

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