趣味Web 小説 2008-01-15

Tumblr(Reblog)問題 雑感

1.

一部の期待に応え、Tumblr について少々。

■C. ニュースサイト問題

ニュースサイトがTumblrをネタ元として参照している、という点について

C-1. あり得ない
死ねばいいと思うよ

※これ以外の意見は見当たらないので全員が潜在的にC-1の可能性

既に言い尽くされてる感があるので、いまさら何を書こうかという感じだったんだけど、引用した部分に天邪鬼の血が騒いだ。大きなニュースサイトが、あえて原典ではなく Tumblr にリンクしたい理由はいろいろ考えられ、私はひとつの判断として理解できるからだ。

Tumblr のデータサーバに上げられたコンテンツは、誰かが Reblog してる限り、最初にアップロードした人が記事を削除しても消えない。そして Tumblr のデータサーバーは大アクセスの集中によく耐える。また二次創作系のコンテンツは、大手サイトから(ディープ)リンクされるとパッと消されることがままある。

今回の発火源となったニュースサイトは「にゅーあきば」というところなんだけど、怒ったのは Tumblr やってた人であって、画像の作者さんじゃない。ヘンな話でしょ。俺のトコじゃなくて元ネタにリンクしろ、といって怒った。そしたらにゅーあきばは別の Tumblr にリンクし直したという。

まあ、「ヘンな話」と書きはしたけれど、Reblog はこっそり系の文化という認識があったから、大手にリンクされて「うわー」て感じだったんじゃないかと個人的には思ってる。

じつは昨秋、2ch で Reblog してるのを咎められた Tumblr が、過去ログを全削除する「事件」があった。最初は「著作権法違反は親告罪だから」みたいな対応だったんだけど、「ふざけんな」の声が勝った。2ちゃんねらーがどの口でそういうことを、という感じもするけど、まあそういう空気があるわけ。

にゅーあきばにリンクされて怒った某氏は、にゅーあきばへの抗議みたいな形で Tumblr のの更新を休止した。これを不思議がる意見をいくつか目にしたのだが、「プロならちゃんと一次情報を取材しろ」てな話は表向きで、「大手にリンクされたら気軽に Reblog できないだろ、迷惑なんだよ」なのかもね。

結局、というか、私が思うには、Tumblr の Reblog 文化が最近まであまりギャーピーいわれずにきたのは、単に日本のネット社会においてマイナーだったから。そういうことなんじゃないか

2.

私が Tumblr の Reblog 文化を知ったのは、はてブのコメントだったと思う。それ以前からときどき、記事中の数行分を転載してコメントなし、という「つまらないリンク元」が多いサービスという認識はあったのだけれど、開発者自身がスクラップ用途を企図していたことは、そのときに少し調べてみて、わかったこと。

注:ただですね、Tumblr には記事毎に公開・非公開を選ぶ機能があるし、そもそも転載しかできないサービスなんかじゃない。ふつうに日記を書いたっていいわけ。なので、コピーを公開してる人てのは、ひとつそーゆー選択をしたんだ、と。便利なオンラインメモツールてだけなら、非公開にしとけばいいわけで。

私がYahoo!ブログとかを擁護したのは、大勢に批判されていたから。静かに Reblog 文化が浸透していくなら、それが一番いいと思っていた。けれども、いずれこれは問題になるだろう、という印象はあった。

なぜか公開型として設計されたオンラインスクラップ帳、将来きっと、日本でも米国同様に人気 Tumblr が登場するだろう。そのとき、プロの作品のコピーはきっと問題にならないだろうが、素人の作品のコピーが必ず問題視されるに違いない。そう思っていたら、実際、その通りになった。

ただ……ちょっと予想と違うのは、テキストのコピーについては、なぜかあまり話題になっていないということ。リンクがあればいい、らしい。そのあたりがコンセンサスなのか、たまたま、いま Tumblr 問題に関心を持っている人がそういうタイプなのか。

あと、Tumblr 問題を語ってる記事をざっと眺めた感じ、「どうして転載するの? リンクでいいじゃない」みたいな意見がそれほど多くない。オンラインにコピーを持つことの便利さ、てのは、意外と理解されているわけか。そのコピーを公開することの便利さ、まではともかくとして。

Tumblr の Reblog 文化は、イラストや写真のコピーで障害にぶち当たったわけだけれども、テキストのコピーは、世間に認めさせつつあるのかもしれない。これは Yahoo や Naver になしえなかったことだ。とはいえ「これがフツー」になる未来、というのも当面は考えにくい。

現状、コンテンツを利用する側は(テキスト情報しか保存できない制限はあるけれど)Yahoo!ブックマークを使うくらいが穏当でいいのではないか。非公開型のスクラップ帳なら、みんな文句ないだろう。

3.

12月ににゅーあきば問題の原典作者の方と Tumblr ユーザーが意見交換したそうだ。にゅーあきば問題にそういう派生展開(ハナシとしてはこっちの方が本質的な感じがするが)があったとは知らなかった。

面白いんだけど、分量がすごいね。まあともかく、Reblog していいよ、という前提で作られたコンテンツが増えないことには、Tumblr が広く世間に受け入れられる未来というのは描けない。作者さんの発言には法の後押しがあるし、世間の常識も作者さんに味方しそうだし、Reblog 側は立場が弱い。

だからやっぱり、自分自身が転載歓迎のコンテンツを量産していくのが王道。とりあえず、Tumblr で Reblog してる人は、メインのブログを Tumblr で書いてほしいな。まずは Tumblr コミュニティの中でコピー文化を育ててほしいと思う。他所のコンテンツをああしたい、こうしたい、じゃなくて。

4.

JASRAC が「ルールを守れないならニコ動なんかやめたら」というと、「時代遅れ、バーカバーカ」みたいな反応がメインである。ところが今回、原典作者ののしさんの作品が無断転載されていたことについて、ひどいとか何とかいう。でもその作品、無断で作られた二次創作なんだよね。そこのところ、どうなのか。

のしさんが著作権とかいわないのは、ようするにそれをいえない事情があるということ。ネタが初音ミクなので、実際にのしさんの二次創作が問題になることはないだろうが、「多分」「おそらく」で権利処理を手抜きしていることに変わりはない。なあなあで甘い見通しでやってきているのは、のしさんも同じだったのだ。

実害はない、世界全体の幸福の総量は Reblog によって増大している(大意)、云々。これらをあっさり却下する意見が予想外に多く見受けられるが、創作者の気持ちを大切にするためなら、前述のような主張を却下してよいとするならば、ニコニコ動画なんかさっさと潰すべきなんじゃないのか。

あるいは、2ch でテーマに沿った画像を集めるスレッドみたいなのがしょっちゅう立っていて、あっちゃこっちゃのアップローダーに画像が上げられている。まとめサイトでは、ていねいに画像を収集して、一覧できるようにしてくれたりしている。そうした画像の9割超が無断転載で、出典表記もない。

Tumblr はダメだが、2ch ならいいのか。相手が匿名だから叩きにくい? せめて不快感を表明したらいい。はてなブックマークの反応を見ても、無断転載許せない、出典表記がないのはひどい、とか、皆無に近いじゃないか。しかも 2ch まとめサイトの管理人は顕名。なぜ見逃されているのだろう?

2ch まとめサイトの画像メインの記事は、さまざまな(個人)ニュースサイトからリンクされている。それに対して、元ネタではなく無断転載先を紹介するなんてひどい、と誰かいっているのか? なんで 2ch まとめサイトはよくて、Tumblr だとダメなのか。

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