趣味Web 小説 2008-04-30

会議の3悪、必要悪

レベルの低い話をすると、会議がないと現状をまとめることすらサボる、必要な報告もしない、といった状況があって、私のような無能社員が3割くらい混じっている職場では、バカみたいな会議でも、しないわけにはいかない、と。

以前の所属部署では会議がほとんどなかったんだけど、その結果、私なんかは1週間何の成果もなくても、割と平気な顔をしてた。月に1度の現状報告会が迫ると、無理やりにでも成果を出したりなんかして。後から思うと、結局、切羽詰ってなりふりかまわず頑張ったときにしか、まともな進展はなかった。

今の部署では毎週、報告会があって、そうしたらちゃんと毎週末、切羽詰って何かが(多少なりとも)進むように。

いや、レベルの低い話ですよ、こんなのは。それはわかってます。わかってますけど、これまでの人生の歩みから考えるに、自分より優秀な人が世間の過半ということはないな、と。我が無能を呪いつつも、世間を見渡せば、下には下がいるよなあ、という。無論、上には上がいるわけですけれども。

ウェブには優秀な人が多いようで、みんなが自分と同じくらい優秀であることを前提にかっこいいことをいう人が目立つけど、世の中、本当にそれでうまくいくならみんなそうしてるよね、って感じることが多い。有能な人から見ればバカらしい会議でも、やらないよりマシだったりするんですよね……。

ダラダラ会議への批判、よくわかる。いい加減にしろ、この野郎、グダグダとしょーもない呟きを披露してるんじゃないよ、とか私も思うことがある。だけど、自分で小さな会議をチャキチャキ仕切ってみると、どうもみんな合点の行かない顔で散会することになりがち。

私が学んだのは、人がグダグダ話すのは、「もう少し考える時間をください」のサインだということ。そこで「他に建設的なご意見はありますか? ないようなので、決を採って散会します」とやると、次の会議でひっくり返される。平凡な人間が情報を租借し、痛みを引き受け、決断を下すには時間がかかるのだ。

意見を求められても、何もいえない。しかしそれは、意見がないということを意味しない。なのに、何もないなら時間がもったいないので、ここまで、となると、非常にストレスを感じる。「それがあなた方の仕事でしょ」「プロなんだから当然」と突き放すと、そういう素朴な気持ちが見えなくなりがち。

無能を責めても、人は変わらない。変わる人もいないわけじゃないけど、幸運な例外というべき。基本、バカはバカ。「会社の仕組みは、自分みたいな無能社員を管理することに最適化されている」という視点を持つと、なるほどと思うところがいろいろある。

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