趣味Web 小説 2009-01-30

ネット世論が記者を嘲笑しようとも

ネット世論が記者を嘲笑しようと、実際問題として、マスコミの方が世論の動向にはシビア。だって商売だもの。「自分がどう思うか」なんて重要ではない、「読者・視聴者がどう思っているか」が大切なんだ、というのがマスコミ。

ネットで怒っている人たちはマスコミの見ている多数派ではない。それだけのこと。マスコミは少数派の意見を代弁しない。半径1メートルの世界だけみていないで、まず自分たちが少数派であり、多数派の説得がいかに困難なのかを認識した方がいい、と思う。

結局、その後、匿名の医療系ブログのコメント欄などにおける医療訴訟の原告たちへの嘲笑・中傷の横行が報道され、世論はますます医師たちに冷たい視線を向けるようになった。状況は悪くなる一方だ。

マスコミは読者・視聴者の姿を映す鏡である。マスコミの誤解は世間の誤解である。マスコミなど信用できない、といって背を向ければ、誤解されたまま叩かれ続ける他ない。

少数意見を報道に乗せるには、実名が必要である。匿名の意見はマスコミが信用を担保しなければならないから、多数派に寄り添った意見でなければリスクが大きすぎる。少数意見は発言者自身に責任を持ってもらうことが必須となるのだ。

記者さんが「匿名のままでは……」というのは当然の話であり、ここで無理を押しても何も出ない。「いや、それは記者さんの努力が足りないからだ」とファンタジーの世界に引きこもりたいなら、勝手にすればいい。だが「そのような態度こそ、医療崩壊を放置することにつながるのだ」と私は批判する。

もっと**が**なら……そうして他人にばかり努力とリスクの追加配分を求めていてはダメなんだ。自分はもう手一杯だというなら、あなたの批判している相手だって同様だろう、と何故そう思い至らないのか。

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