趣味Web 小説 2009-04-10

漢検で金儲けはいけないことか?

日本漢字能力検定という、文部科学省が後援している公的資格がある。このところ受験者が増えたため、儲けが出るようになったとかで、問題視されている。検定を実施している団体が公益法人なので、「利益が出たら値下げで還元すべき」なのだそうな。

個人的には、儲かるならそれは結構なことで、運営団体を株式会社にしたらいいと思う。ドンドン儲けて法人税をたくさん納めてもらったらいい。漢検が始まったのは1975年で、文部科学省が認定したのは1992年だ。その後、行政改革の中で文部科学省は資格認定制度を廃止し、後援という立場に退いた。

英検よりTOEICの方が通りがいいように、公的資格が民間資格より尊重される、という時代でもない。漢検ほどの知名度と社会的信用があれば、文部科学省の後援がなくとも事業を継続できそうだ。日本漢字能力検定協会は文部科学省と縁を切って、株式会社に改組したらいいと思う。

逆に文部科学省の方も、どうして、公益法人による運営とか、公的資格としての漢検に固執するのか。私にはよくわからない。

ちなみにTOEICは経済産業省の認可した公益法人が運営している。TOEICほどの規模の試験ですら儲からないのだろうか。不思議だ。

追記:

漢検を巡る報道の影響で、今年の漢検は大赤字が見込まれるのだという。まず受験料が下がる。そして受験者が2~5割減ると予想されるのだという。バカバカしい話だ。公益法人による運営に固執しなければ、受験料を下げる必要もないし、道義的問題もないのに。

大学教育について私が何度も書いてきたことと構図は同じで、何ら具体的な利得のないお題目を崇め奉って、やればいいことをせず、やらなくていいことをする。不合理だ。

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