藤沢さんの主張の核心部分について。
日本の慢性的な経済の停滞を解決したいならばボーリングの一番ピンはデフレをなおすことではなく潜在成長率をあげることなのです。
藤沢さんの見解の前提は、日本の生産力は現状が実力通りなので、生産性の上昇が必要、というものだと認識してます。
私の考える一番素朴な反論は、「いま日本には失業者がたくさんいる」ということ。求職意欲のある失業者だけでも数百万人いるし、本当はもっともっと働けるのに、社会が「その歳になったら引退するのが当たり前」という空気を作って就業意欲を奪っている高齢世代を含めれば、余剰労働力は1000万人を超えます。
お金ばかりあって商品が増えない場合にインフレが起きるので、需要と同時に供給も増えるなら、インフレにはならない。生産性とかいうから「成長させるのは難しいですね」という話になるので、労働投入を増やすということをまず考えればいい。「失われた世代」とか、おかしいでしょ。
だから、消費の増え方があまり急激でなければ、ざっと年間100兆円分くらいの需要増に、供給は必ず追いついてくるはず。強引に60~70兆円の需要を作り出しても供給が追いつかない、とは思えない。
高齢者を働かせるのは時間がかかりますが、少子高齢化に対応するためには必要なこと。国民の大多数が農家か自営業者だった時代には、そもそも年金自体、必要性が薄かったわけです。働ける間は働く社会を復活して、働けない人以外はみんな税金と社会保険料を収め続けるようになれば、高齢化は怖くない。
リフレ解説の記事は過去にいくらでも書かれているんだけど、どうも世間では新しい記事でないと話題になりにくいという傾向があるらしい。だからこういう記事は、何度でも書かれないといけないんじゃないかと思う。