趣味Web 小説 2009-11-18

わかってほしくない

1.

言いたいことが面と向かって言えない、それゆえにコミュニケーションがうまくとれないということはあると思います。黙っていてもわからないし、つい饒舌な人がその場を取り仕切ってしまうということは、会議等でもよくあることだったりします。

というか、「わかられたくない」んだよね。放っておいてほしい。喋りたい人が勝手に喋ればいい。自分は置物になりたい。場を仕切るとか、面倒なだけじゃん。他人任せにできるなら、それがいいよ。どうせ誰が仕切っても(自分にとっては)大差ないんだし。

寡黙なのが悪いとかそういうことを言っているわけじゃないです。なかなかリアルでは話ができない。口下手だという人は多いと思います。言いたいことも言えない。そういうことあります。うまく人と会話することができなくて、集団の中ではだんまりになってしまうということも。

つまり、寡黙なのはいいけど、口下手は損だね、と。

2.

この先は、こもこさんとは関係ない話。「いいたいことがない」から何もいわないでいるのに、「いいたいことがいえない」と決め付けてくれる親切な人についての雑感です。

「話してくれなきゃわかんないよ!」とかね。わかってほしくないんだよ。「空気読め」というなら、そちらも察してほしい。正直に何度かそういう説明をしたんだけど、「そんなわけがない」とかいう。

そりゃあ損得の話をするならば、コミュニケーションを拒否して具体的な利益が得られることはないよ。でも、具体的な利益のないことなんて、みんな何かしらやってるじゃないか。テレビのバラエティ番組を見たりさ。他人の理解を拒否するとか、話をしない、ってのは、自然な欲求なの。損得じゃないの。

そんなに他人を理解したいなら、まず俺のいうことを理解しろ、とか思うんだけど、お節介焼きの方々は、なかなかわかってくれない。もちろん私だって、「放っておいてほしい」ということは、理解されたい。ただしその先は、一歩も踏み込まれたくない。そんな感覚。

でも、こんなことをいちいち他人に説明したくはない。自己紹介はストレスのもと。飲み会とかに参加して、何も説明せずに置物となって場に溶け込み、他人の話を黙って聞いて帰ってくるライフハックがあるなら、ぜひぜひ知りたい。

人の話を半分居眠りしながら聞くのはかなり好きなので、「いかに自分が何も話さないでいられるか」という問題さえ解決できるなら、じつはオフ会とか、たくさん参加してみたかったりもするのですよ。

まあ、双方向のコミュニケーションを求める人が集まる場で、「自分だけは単方向のコミュニケーションに徹したい」なんてのは無理な話なんだろう、とは思う。思うけど、世の中、天才がたくさんいるわけだから、ひとつやふたつ、とっくの昔にいいアイデアが発表されているんじゃないか、と期待してるわけ。

バカの考え休むに似たり、という格言もある。自分で考えるつもりはない。

3.

うーん、誤解されそうなので補足。

「いいたいことがいえない」ので黙っていることは、たしかにある。あるんだけど、それほど多くはない。私は「いいたいことがある」ときは、むしろふつうの人より、気軽に発言してきたつもり。上司にガンガン反論するとかね。つまり私は、「いいたいこと」の基準がふつうと違うんだね。

黙っている人にも、私のように「心底喋りたくない」タイプと、こもこさんが想定されているような「本当は喋りたい」タイプの2種類がある。で、世間に後者へのアドバイスはあふれているけど、前者へのアドバイスはあまりない。少数派って、損だな。

ひどいなー、と思うのは、その数少ないアドバイスの過半が「話題がなくてもこれで安心! 話題を見つけるテクニック!」みたいな内容なんだよね。結局、喋るしかないのか……という。

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