趣味Web 小説 2009-11-20

つらいときは休めばいい

1.

母「つらかったら仕事を休めばいいよ。私も今日は休むから」
父「ゆっくり休んでね。おいしいご飯つくるよ」
母「掃除と洗濯を忘れちゃダメよ。まったく自分の好きなことしかやろうとしないんだから」
父「掃除と洗濯は隆夫と弟くんがやってくれるからいいの」
私「えっ!? は、はい。やります」
弟「お兄ちゃんがやってくれるならボクは何もしなくていいよね」
母「そう、いい子ね」
私「えっ!?」

なんでテレビ画面の向こう側の世界ってのは、こんな簡単なことができないのかな。長らく私は、不思議に思っていた。友だちの家でもご両親はたいてい仲がよさそうだったしね。

母「何もなかったらドラマにならないでしょ」

でも、学校に行けばいじめはあるし、けっこうテレビって本当のことを描いているんだな、と、私も少しずつ理解してきたわけだ。

先日、実家へ帰ったら、父が洗濯をしていた。全自動洗濯機だからラクラク、だそうだ。

2.

父は本社の延長雇用で60歳まで働いて(50歳で役職定年、55歳で定年だった)退職。同僚はみな65歳まで子会社での再雇用を希望したそうだが、うちの場合は、母が「もういいんじゃないかしら。長い間、お疲れ様でした」といったので、父は喜んで仕事を辞めたのだという。

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