趣味Web 小説 2009-11-29

memo:レビューの点数で商品を並べても……

1.

感情的なレビュアーがワッと集まって荒れることがあるのは、洋の東西を問わないみたいですね……。いやまあ、不満な点はよく理解できます。けれども、それで1点をつけるんですか、という。

私が何を疑問に感じているのかというと、100のチェック項目全てで満点を取ったら星5つなんだけど、10個くらいの項目で強い不満を感じたら最低点をつけてしまうのだ、と。

ファミ通のレビューが3点を底としていて、よっぽどのことがなければ2点をつけないのは、世間的にはあまり理解されないみたいですけど、個人的には納得できるんです。バグがあるにしても、プログラムが一応は動いていて、何とかかんとか商品の体をなしている、それはやっぱり3点をつけるに値すると思う。

高校時代、文藝部で自分も何か書こうと思うには思ったけれど、結局、断片しか書けなかった。下手でも作品をひとつ書き上げるというのは大変なことだと私は思います。

2.

Amazonのレビューで評価の高い作品をプレイしても、必ずしも面白くない。ゲームに限らず、音楽でも小説でもそう。レビューの点数で作品をソートしても、正直、役に立たない。

ノスタルジオの風 特典 「設定資料集」&「サウンドトラックCD」付き

私は高評価した一人ですが、この作品は昔風のゲームを遊びたい人にウケる仕上げだと思います。

この手のマイナー作品の場合、そもそも大多数の人が手を出さないため、わざわざ買って遊んだ人だけが書くレビューを平均すると、評価が偏ります。標本誤差の一種です。ウェブでは「宣伝ミスで本来の想定と異なる客層に売れてしまい、悪評価が集中する」事例が目立っていますが、実際は高評価に偏ることが少なくありません。このことは、映画評サイトなどで「マイナーだけど評価が高い」作品を片っ端から鑑賞してみると、よく理解できます。

私の場合は、ファミコン時代のグラフィックが自分の中での基準になっており、PS以降、正直、グラフィックが酷くてやる気が起きないゲームは、ほぼ皆無です。キャラクターの絵が粗いのは、個人的にはむしろゲームらしい表現として好ましく、背景などの光の表現はなかなか美しいと思いました。動きも滑らかで、思ったようにキャラクターが走ってくれ、ビジュアルに不満は全くありませんでした。が、やっぱりこれはオールドゲーマーの意見だろうと思います。

「ノスタルジオの風」はAmazonでは高評価ですが、NintendoDS mk2 などの、もっと若い人が多く集まっているレビューサイトでの評価はパッとしません。最近のゲームの進化した表現を好ましいと考える層には、やっぱりウケなかったようです。

ゲーム評に関してはmk2というレビュー投稿の大手サイトがあって、2chとかではけっこう信頼されています。でも、それって実際のところ、単に2chのゲーム関連の板やスレッドの住人と投稿層が重なっているだけなんじゃないか、と。

mk2の方が懐古層が少ない=おそらくレビュアーの平均年齢が若いということはいえそうで、2chやAmazonのレビューでは評価の高い「天外魔境Ⅱ」のDS移植版がmk2では割と不評も目立っていたりしますけれども。

3.

CONTENT'S FUTURE ポストYouTube時代のクリエイティビティ (NT2X)

2年来の読みさし本を、ようやく読了。今月は積読本や読みさし本に取り組んでいるのだけれど、その中でも、この本はとくに面白かったです。

第2日本テレビは2009年になって単月黒字化を達成、「ロケフリって流行らなかったね」とか、冗談が現実となってNHKクリエイティブ・ライブラリーも始まったり。ネット世論的にはあまり評価されていないみたいだけど、みんな「その後」もずっと頑張り続けてきたんだな、と。その成果や結末が、だんだん出てきているんですよね、ちょうど。

第2日本テレビは黒字化したけれど、多分、土屋さんとしてはあまり面白くないんだろうな、と思う。滅びてしまった商品やサービスは悲しいけれど、サバイバルに成功した事例も、なかなか手放しで喜べるような状況じゃない。そんな中、比較的狙い通りに成功しているのが価格.comだと思う。

2年前には「できたらいいね」だったことをずいぶん実現して、今では各カテゴリで、売れ筋ランキング、注目ランキング、満足度ランキングを並列で見せているんです。レビュー数はなかなか増えませんが、概ね落ち着いたコミュニティー形成に成功しているのはすごい。あと食べログの成功にもびっくり。

詳しい感想というか、本を読んで考えたことについては、いずれ……(って、いつになるんだか)。

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