趣味Web 小説 2009-12-14

キッチン・スギモトの「黒毛和牛すき重」が旨い!

1.

吉野家って「味」へのこだわりが強い会社だな、と思っています。アメリカ産牛肉が輸入できなくなったときに牛丼をやめる決断をしたのも味へのこだわり故でした。でも、消費者の支持はいまひとつ。可哀想だけど、まあ「客が正しい」と考えるのが商売のセオリー。

自由主義経済がうまくいくのは、客の心を掴んだ者勝ちという点にこそあるわけだから。もちろん、じっくり消費者を啓蒙してじわじわ勝つという事例もあるのだけれど、現在の戦略が、果たして激安牛丼チェーンという形態と合っているのかどうかというと疑問を感じるところ。

もっとも、各企業が自由な戦略を立てていいのが自由主義経済の美点なので、潰れない限りは吉野屋が傍目にはクレージーな戦略を採用することに外野が文句をいうような話ではない、とは思う。

2.

私達はこの度のBSE関連の報道に際し、メディアへの説明に時間をかけ誠意を持って臨んでまいりました。しかし、編集上「豪州産牛肉はまずい」かの如き誤解を生む報道が一部で見受けられたことにつきましては、私達も大変遺憾に存じます。改めてこの点についても申し上げます。

豪州産牛肉全般については、大変優秀なものと認識しております。事実、吉野家でも、現在「牛鉄鍋膳」や「牛焼肉丼」の素材として使用しております。その特徴を生かしたメニューづくり、調理方法を用いれば有力な素材であると確信するところです。

しかしながら、前述しました様に100年の歴史を経た吉野家の牛丼用の素材は、穀物で育てられた若い牛の中から、ショートプレート(ナーベル)を、牛丼用に指定のカットを施したものを使用しております。そして、この限定された肉にもっともふさわしいタレ、玉ネギ、米等を選び抜いて作っていますので、もし別な肉を使うのであれば、本来の吉野家の味とはちがった牛丼になってしまいます。これまでと同じ味を同じ量だけお客様に提供するには、豪州産牛肉は流通のしくみ上、私たちが求める量に対して供給量が少なすぎ、豪州産牛肉の採用を見送らざるを得ないのが現実です。

豪州産牛肉の育成に向けて懸命に努力されている関係者の方々の為にも誤解を招かないよう、今後いっそうの注意を払いたいと存じます。

消費者は、「穀物肥育の牛のショートプレートにこだわったところで、現に吉野屋の牛丼は他社と比較してとくに旨くはないじゃないか」という。味が同等なら安い方がいい、値段が同等なら量が多い方がいい、食券制の方が気楽でいい、言葉の通じない留学生バイトは困る、そんな話になっているのです。

でも、成功しているように見える他社の後追いばかりしたって、ふつうあまりうまくいかないわけで、企業経営ってのはたいへんだろうな、と思う。

3.

私は滅多に外食しないのであまり信用されても困るのですが、「牛丼」っぽい料理のお店で私が好きなのはキッチン・スギモトです。宝塚劇場から近いので、公演の帰りに食べてます。平日昼間は大行列らしいのですが、私が利用した土日の夕方は、2~3人待ちでした。

地下食料品売り場の通路沿いに作られたイートインコーナーなので、店構えのファーストフード感はかなりのもの。背後を買い物客が行き交います。メニューは3種ありますが、私には最安値525円の「黒毛和牛すき重」で十分、というのが結論。興味を持った方は、銀座へ行くことがあったら、一度足を運んでみてください。

って、どう美味しいのか書かなきゃ意味不明だろ、というご意見はごもっともなんですが、それは私の苦手分野なので食べログのレビューに投げます。ま、評価はマチマチみたいですね。

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