備忘録

平成21年6月28日

1.

知らぬ間に、Amazon に投稿したDS版「クロノ・トリガー」のレビューが消えていた。特典あり版、なし版の両方とも。

これはかなりショックだった。このふたつの合計で200件近くの「参考になった」票を得ていて、「参考にならなかった」票は2割未満。私の書いたレビューの中でも有数の評価を得ていたのだ。

Amazon に問い合わせたところ、削除の理由は「800字を越えているから」だという。内容には問題がないらしい。

頭がクラクラッとした。

レビュー投稿後、少なくとも4ヶ月は掲載されていて、ずーっと最近の人気レビュートップ3の一角として商品ページの表紙に顔を出し続けていたのだ。なぜそういうレビューが、800字云々でサクッと削除されてしまうのか。しかも、他の人が書いているレビューには800字超のものがいくらでもある。

狙い撃ちされているのだ。

Amazon では、著者が訴えれば「誤解に基づくレビュー」は削除される。感情的な罵倒ばかりの星1レビューが消された事例を知っている(著者が日記で Amazon に削除以来をした旨を書いていた)。しかし私のレビューは、生き残っている大量のレビューのいくつかよりはマシな内容だったはずだ。商品に好意的でもあった。

とすると、一般のユーザーが不適切なレビューを通報するシステムで、やられたのだろう。このシステムは少しヘンで、何がどう問題なのか、通報者が書き込むことができない。単に「不適切だと思う」という最終判断だけを Amazon に伝える仕組みになっている。Amazon は商品のレビューについて「供給過剰」と判断しているのだろうな。

2.

さて、たしかにガイドラインには800字以内と書かれている。だから、抗弁は諦めた。ゲームというのはデザインやシステムをきちんと紹介しようとしたら、とても800字では収まらない。人気レビューの多くが字数超過なのは、当然のことと思う。しかし、そういう状況を見て、「事実上の解禁」と考えた私が浅はかだった。

それでも、心情的には納得できない旨を、Amazon には伝えた。

字数制限違反という形式的な問題は、投稿時にチェックしてほしい。削除するならするで、公開直後にしてほしい。何ヶ月も経ってから削除されると、大量の「参考になった」票は、二度と取り戻せない。

しかも、再投稿すると、初回投稿時の日付は生きていて、何ヶ月も前に投稿された「参考になった」票がゼロのレビューとして再出発することになる。特典なし版は私の後に数十件のレビューが投稿されており、ここから浮上するのは不可能だろう。

その後の経過だが、本当に内容には問題がなかったようで、少し文章を削って800字以内にしたら、レビューは2つとも再公開された。1年以内のレビューを全て見直し、800字を超えているものは縮小して再投稿した。が、まだ変更が反映されていないレビューが複数。反映待ちの間に削除されたら悲しい。やきもきしている。

ところで、Amazon が800字制限について曖昧な対応を取っている理由は、わからなくもない。「このレビューを削除せよ」と通報する人は、何か鬱憤をためている。どうせレビューなんかオマケなので、トップ人気のレビューを削除しても、それでクレーマー予備軍を懐柔できるなら悪くない取引なんだろう。

とはいえ、何の落ち度もないレビューを消すわけにはいかない。それもまた荒れる元になる。そこで、ふだんは有名無実となっている800字制限を、こういう場合に限って持ち出すわけだ。「たいへん申し訳ありませんが、ガイドライン違反なので削除しました」云々と、問い合わせがあれば、そう説明する。

知らぬ間にレビューが消えている、というのも Amazon らしい。その方が、いちいち連絡するよりずっとトラブルが少ないのだろう。私も、レビューが消えたのに気付いていない商品が他にもありそう。

参考

8割方は「クロノ・トリガー」人気に乗っかっただけで、実のところ獲得票数に見合った内容のないレビューではありますが、もしよかったら、読んでみてください。

意外とビックリされると思いますよ。何が問題なのかわからない。書き直したら掲載されたという事例も多数収録しています。内容が古いですが、それでも面白いんじゃないかな。

平成21年6月2日

ブログの更新が止まっていると、心配される方が(稀に)いらっしゃるので少し。

ショックなことがあったんですよ、ブログやってて。

相手の方が「名前を出されるのは迷惑だ」というので名は伏せますが、私が著書を拝読した方のブログで「つきまとうのやめてほしい」と書かれた。検索してみると、年に1〜3回ペースの言及頻度。素朴に、一読者として疑問をメモしてきただけで、侮辱的な表現を使ったりもしていない。

相手の方は私の疑問について「意味がよくとれない」から反応に困っているという。でも、その方が信頼を寄せるブロガーの方々は、しばしばはてなブックマークコメントで私の記事に(一面についてであれ)好意的な評価をされているのです。最初に私のことを「ヘンな人だから相手にしない方がいいですよ」と紹介された先入観で、理解を拒否されているんじゃないか、と思う。

あるいは、私がAmazonに寄せたレビューと同趣旨の書評を某有名ブロガーが書いたら、「ありがとうございます」とリンクしていたりする。8割方は私の文章が実際にわかりにくいことがコミュニケーション断絶の理由なのでしょうが、2割くらいは先入観で拒絶されているのではないか。まあ、人間関係なんてそんなもの。

……と書いても、その相手の方の名前を伏せる以上、本当かどうかは私を信頼していただくしかないわけですけれども。

で、私自身もそうですが、自分が理解できない「気持ち悪い行動」に出くわすと、わかりやすい構図で解釈して、簡単に折り合いをつけたくなるのが人間の性(さが)。陰謀論とかと同じ。

その方は私を「注目を集めることだけが目的」だと断じました。だから名指しの批判もしません、と。でも名前を出さなくたって、「昔のブログで**さんが教えてくれた」云々で以降の記述にも合致するのは私しかいない。

最初に読んだとき、ズシッときた。心が沈む、という表現が実感と非常に合致することを再確認した。そして、本当にショックなことが起きたのは、その数分後。

「新参の中堅ブロガー風情が何を勘違いしているんだ!」ふいに、そんな怒りが湧いてきたんだよね。「この俺に向かって、名指しで批判すると小物を無意味に目立たせることになるから、名を伏せる、だと!?」みたいな、ね。

自分で自分のことを、心底、「アホか」と思った。ちょ、ちょっと待て、お前は何を考えているんだ!? 怒りながら、本当にビックリして、そして呆れた。

*ちなみに私はここ2年ほど年に数回まとめて記事を更新する(記事を書いてもすぐには公開しない/理由はいろいろある)ようになっており、結果、緩やかに読者が減っている。直近1年のPVを比較すれば、相手の方のブログの方が大勢に読まれているのは間違いないと思う。だから著書があるとか社会的地位がどうとかいわなくても、単純にブロガーとしてのメディア力でも私は負けている。

ふだん、どれだけ口先で謙虚な言葉を発していても、ダメだね。バカが何の裏づけもないプライドなんか肥大化させたって生き難いだけでしょ、もっと身軽になって気楽に生きましょうよ……なんてね、他人にそういうことをいって、自分はそれを実践しているつもりでいて、結局はこんなに簡単に化けの皮がはがれる。

もっといえば、私はそういう自分のダメさまで自覚しているつもりで、だから俺は多少の惨めな体験くらいなんともないんだ、なんてフリをしていた。しかし今、こんなにショックを受けているじゃないか。私は聖人君子じゃないよ、と口ではいいつつ、頭では自分を木鶏だとでも思っていたんだろう。「アホか」。

矛盾がある? だからどうした、人間なんてそんなものだろう、と嘯(うそぶ)いてきたけれども、そして今後も私の言動はずーっと支離滅裂なんだろうけれども……そんなことは重々わかっていてブログなんか書いてきたつもりだったんだけれども。少し、休もうと思った。

それで、更新が止まっているんです。(という記事を書いてから公開するまでにまた2ヶ月かかっている/公開日は2009-07-26)

補記:

あえて説明しませんが。昨年は夏場の「リハビリ」をしなかったんです。今回の件は、その影響もちょっとあるかな、とは思う。いいことは続けないといけませんね。

追記:

ま、こうして公開したということは、しょせん「書ける話を書いている」に過ぎない、という解釈も成り立つ。いずれにせよ、大半の読者にとっては「だから何?」という話であり、「ふーん、そういうことがあったのかー」くらいに読んでいただければ幸いです。