趣味Web 小説 2010-02-07

memo:DS版ドラゴンクエスト 雑感

1.

個人的には面白いと思うDS版の『ドラゴンクエストVI』なんだけど、Amazonやレビューサイトなどではネガティブな意見が目立っている。最近のドラクエやFFをめぐるネガティブ側の声の大きさというのは、一体どうなっているのだろう。

大体そこで引き合いに出される「昔はよかった」というその作品が、2009年あたりからどんどんWiiのバーチャルコンソール(VC)や携帯アプリとしてプレイできるようになってきているのだけれど、ほとんどスルー。実際にプレイしてみたら、いうほど面白くないからじゃないのか、と邪推したくもなる。

DS版の『FF3』はFFリメイクで初のミリオンを達成した作品だけれども、私の見ている領域ではネガティブな意見が目立ち、首を傾げた。私自身は、実際にプレイしてみて、これは原作よりずっといい、と思ったので。VC版をプレイしてみると、やっぱり原作はつらい。リメイク版を叩いた人は、本当に原作の方がいいのか。

まあ、本当に原作の方がいいんだろうね。『ドラゴンクエストIX』でも、レビューの結果は厳しいが、アンケートでは好意的な意見が大勢という結果になっている。ネットで声の大きい層の偏りというものを実感させられる。

2.

『DQ6』は『DQ9』の半分の容量のROMを搭載したカードで発売されたから、「容量不足なんておかしいじゃないか」という意見が出ている。これは製造原価の根本に関わる話で、私の感覚では、堀井さんの説明に違和感はない。

半導体の製造工程は特殊で、それゆえROM容量のラインナップは64MB→128MB→256MBという感じになっている。192MBというのもあるらしいんだけど、2チップ構成なんじゃないかな。中間のサイズのROMを作れないわけではないのだけれど、数量が出ないと半導体ってものすごく割高になってしまうのだ。

ドラクエの製作の様子はわからないが、私の周囲の仕事の進め方から類推すると、ROM容量は開発の初期に決めるものだと思う。部品代としてシンプルに原価を左右する要素であると同時に、ここを定めることで、全体の作業量の目処が立つ。大きな枠組みをまず設定して、それから仕事の配分を考えていくわけ。

ユーザー視点では、「容量が足りないなら、ROMを大きくすればいいじゃない」という話なんだろうけれども、開発予算も人員配置も128MBを前提にやってきたはずで、それを簡単には覆せない。「そんなの客には関係ないでしょ」といえばその通りかもしれないが、そんな批判が成り立つなら、製作者は黙るしかない。

3.

インタビューをするのは、「言い分を聞く」ということ。SFC版『DQ6』の仲間モンスターは、堀井さんの仰るとおり、ゲームの内容と整合が取れているとは言い難かった。いや、そもそも仲間モンスターが登場した『DQ5』の時点で、矛盾ははっきり現れていた。

『DQ4』『5』『6』には人間の仲間がたくさん登場する。それぞれ個性的で、主人公とともに旅に出る理由を持っている。仲間をみな馬車に乗せて一緒に旅をできる『DQ4』はいいけれど、『DQ5』ではどんどんモンスターが仲間になるから、馬車に入りきらない。イベントで仲間になる人間より、戦闘の末にランダムで仲間になるモンスターの方に愛着がわく、というタイプのプレーヤーも多く、ここにはジレンマがあった。

リメイク版では仲間と会話できるようになったが、『DQ5』ではモンスターが喋らない。100体以上も仲間になるモンスターに個性を持たせることは不可能だったわけだ。こうなると、セリフが楽しい人間と仲間モンスターの選択は、いよいよつらい。ひとつの解決策は、パーティーに人間枠とモンスター枠をそれぞれ用意することだったろうが、それはそれで不自由だし、理屈付けにも難がある。

それでも『DQ5』が2度のリメイクを経ても仲間モンスターを残したのは、それなしでは成り立たないゲームだからだ。矛盾は承知で我慢するしかない。だが『DQ6』ではモンスターを仲間にできることに必然的な理由付けがない。前作で好評だったから、中途半端に残してしまった、という事情は堀井さん自身が語っていることでもある。

最初から仲間と会話するシステムが搭載された『DQ7』では、仲間モンスターは廃止されている。やっぱり会話システムと仲間モンスターは相性が悪い。

DS版の『DQ6』ではふだんの戦闘でモンスターが仲間になることはなくなったから、戦闘後の「仲間になるかな?」というワクワク感はなくなってしまったけれども、ゲームの完成度は上がったと思う。

4.

会話システムの方を廃止すべき、という反論はありえると思う。でも、そういう意見はあまり見たことがない。そして私自身は、会話システムがとても好き。イベントの進行に応じて街の人々のセリフがどんどん変化していくのだけれども、そのひとつひとつに仲間が異なる反応を見せる。『DQ7』、リメイク版『DQ4』『DQ5』と比較しても、そのボリュームは圧倒的。感嘆しました。

会話システムが嫌だ、という意見で目立つのは、セリフをコンプリートするのが面倒くさい、というもの。でもドラクエの場合、類似の作品と異なり、わざわざBボタンを押さなければ仲間のセリフは出てこない。だから、面倒なら表示させなければいい、ということだと思う。「ご自由にどうぞ」といいつつ、セリフのコンプ率を記録してエンディングの分岐の材料にするような作品とは違うわけで、カリカリする方がおかしい。

とはいうものの、武器が100種類あると知ると、それを全部揃えたくなるとか、所持金が99万でカウンターストップだとわかると、それを実現したくなるとか、ゲームってそういう楽しみ方があるのは事実。理不尽だとは思っても、会話システムなんてものがあるからBボタンを連打しなきゃならなくなるんだ、という気持ちはちょっとわかります。

アルティメット ヒッツ ドラゴンクエストIV 導かれし者たち アルティメット ヒッツ ドラゴンクエストV 天空の花嫁 ドラゴンクエストVI 幻の大地 アルティメット ヒッツ ドラゴンクエストIX 星空の守り人

2年余りかけて歴代のドラクエをプレイしてきました。「ドラクエは昔のまま進化してない」というイメージがいかに間違っていたか、ということを実感させられました。『DQ4』は非常にシンプル。『DQ9』と比較すると、ビックリしちゃう。そして、どれも面白い。ドラクエってすごいな、と。

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