どうしてこんな事実に反する主張が「論証するまでもない常識」として世間で通用しているのかわからん、という話題を集めた記事。私も携帯通話料金、テレビ離れ、音楽配信ビジネスについては、ウェブに書いたことがある(このブログ内ではない)。
こうした錯誤が噂話の水準にとどまっているうちはいいけれども、なぜか政府の審議会などの議事録にも登場してくるから困惑する。大野さんの応答を福田尚久さんが無視したのは典型的だが、不思議と事実に基づく反論がスパッと拒絶されてしまうことは少なくない。
私もWikipediaで「テレビ離れ」についてはいくらかやりあったのだけれども、どうしても「テレビ離れ」を事実にしたい人がいて疲弊した。元データが平日、土曜、日曜の3分類になっているわけだが、そのうちの土曜日のデータだけを見ると10代の「テレビ離れ」が起きている、これは事実だ、なんていう。日曜日に10代の視聴時間が延びているのだから、そんなの番組改編の影響でしかなかろうに……と私は思った。
大野さんは何年も頑張っているから、偉い。私は次第に、お互いいい加減なことを言い合ってる社会の方がラクかもなあ……なんてダメな方向に流れてしまいつつあって。実際、他人の意見を批判しているうちはいいのだけれど、自分が何かをいうとき、いちいちデータを探すのって面倒くさいんだよね。
なので今は、せめて誰かがちゃんとデータを出してきたら、虚心坦懐に眺めましょう、と。所詮、直感で発言してるだけだという自覚は持っておこう、と。そんな感じですね。