趣味Web 小説 2010-04-24

財務省が細かい予算の査定をする不思議

事業仕分けのニュースなどを見ていて感じた、素朴な疑問をメモしておきます。

行政仕分けをやっている行政刷新会議には、財務省と仕事が重なっている、という批判がありました。まあ「行政刷新会議」なんて名称の組織が事実上の予備査定をやるのは、たしかに妙な印象はあります。だけど、そもそもどうして財務省に他省庁の実施したい政策を諦めさせるほどの力が与えられているのか、そのことの方が私には不思議です。

だってさ、会社で経理部が各事業部の予算を(財務省がやっているように)査定するなんて、聞いたことがない。私の勤務先の経理部長は、10人程度任命されている取締役の中に入っていない。最高財務責任者にあたる方は、もちろん取締役です。けれども、財務執行の実務部隊はごく少人数だし、大した権能を持っていない。「偉い人たち」の決めた方針の下で、粛々と与えられたルールに則って仕事をしているのです。

だから例えば日銀のように、職員が実務と資料作成を行い、有識者を集めた政策委員会が意思決定を行う、という仕組みを真似ることはできないのか。いや、もっと民間企業のやり方に寄せるならば、目玉政策と省庁単位の予算圧縮目標を「偉い人たち」が決めて、細かいところは各省庁の中で査定をすればいい。その両方を中継ありの場でやれば、多くの国民は歓迎するんじゃないかな。

「今までの仕組みがうまくいかないので屋上屋を架す」というのは民間でもありがちなことだと思う。だから当座は仕方ないのかもしれない。けれども、いずれは財務省と行政刷新会議だけでなく、国家戦略室や会計検査院あたりも合わせて、予算の取りまとめとチェックを司る組織を再編してほしい。

ともかく、注目が集まる公開の場で素人の議論をやって、結局は非公開の査定で予算案がまとまる、という現在の仕組みには違和感があります。

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