ここ数日、読んでいた本。内容は、リンク先に書いたレビューを参照してください。ココロ社さんの本はどれも独特の「ぶっちゃけ感」が漂っているのですが、本書は「ふつうのビジネス書」への擬態レベルが高い。タイトル、紙面のデザイン、いずれをとってもハウツー本としてこなれています。
いやまあ、ふつうにタイトル通りの本として読んで全く不都合はないというか、素晴らしい出来だと思うので、「擬態」という表現は不正確かもしれない。それでも、別にビジネスメールの言葉遣い自体には関心がない人が読んでも面白いのが本書の特徴です。『クビにならない日本語』や『超★ライフハック聖典』も同様の特徴を持っていましたが、職場でも読みやすいという点で本書は優れていますね。
あと、昼休みなどに読んでいるとき、誰かに「それ、どんな本?」と話しかけられても表紙を見せるだけで済むのもいい。趣味の読書をコミュニケーションの道具にしたくない人にとっては、無個性なハウツー本っぽい装いなのは美点です。
ところで、ココロ社さんの本はこれで3冊目ですが、どれもカバーがビニール紙じゃないんですよね。書店の棚にある時点で既に少し汚れてしまっていたり。まあ、そんなにひどいことにはなっていないので、神経質な人以外はとくに気にしなくていいと思いますけれども。
表紙がすぐボロボロになってしまう本といえば、リリー・フランキーさんの『東京タワー オカンとボクと、時々、オトン』が有名。白いマット紙にヤワな箔押しの帯という「読み終わるまでの数時間で見るに堪えない状態になる」装丁は著者の意図によるものだそう。ココロ社さんにもきっと何か考えがあるんだろうな……。
ちなみにリリー・フランキーさんの場合は、「古書流通を抑制するため」という目的だったと思う。でも『東京タワー』の表紙は弱すぎて、新刊で買っても傷だらけだったりしました。ひょっとすると古書店だけじゃなくて、ネット書店も嫌いだったのかもね。ネット書店で新刊を買う場合、本をコンディションで選べませんからね。
「表紙が汚れやすい本」といえば単行本の『容疑者Xの献身』の単行本カバーも、やらためったら手の脂が染み込みやすかったですね。翔泳社の『NET TRAVELLERS 200X』レーベルの本も、カバーを外すと指の跡がクッキリ残る黒い紙の装丁。こういうのって、みんな意図的なのかなぁ? まあ、汚れやすい表紙にしたら売れ行きが下がる、みたいなことはないようなので、単に「本をきれいに保ちたい派」のことなんか気にしていないのだろうな。