趣味Web 小説 2010-07-25

履歴書と印鑑

小企業の経営者である松尾琢磨さんが、中途採用応募者の履歴書についてtwitterで感想をつぶやいたら、大きな波紋を呼ぶことになった。

これが官公庁の話なら、「非常識」に対して国民が怒りの声を上げるのもわかるが、民間企業の話じゃないか。松尾琢磨さんの選考基準が理不尽なら、松尾さんの会社は必ず人材難に陥り、ライバル社に負ける。だから放っておけばいいんだ。逆に松尾さんの会社が成功するなら、松尾さんは正しかったということになるね。

自由経済というのは、人々が思い込みを捨てて多様な方針で突き進み、死屍累々の中から事前には想像もできなかった勝者が現れるところに、その良さがあるんだ。「みんな」の考えが「正しい」と決め付けたら、そんなのは計画経済と同じじゃないか。行政サービスなら、市場による淘汰が起きないから、仕方ない、常識に沿って運営するしかないのだが。

唯一、問題があるとすれば、何らかの病気や障害のためにまっすぐに印鑑を押すことができない人が、当人の努力ではどうにもならない理由で職を得られない可能性だ。しかし松尾さんは、そのような特殊事情を考慮しないとはいっていない。勝手に悪い方へ憶測してブチ切れるのは、感心しない。

最近はワープロ印字の履歴書が歓迎されることも多いそうだ。ていうか、手書き主義に怒っているような人は、臆せずワープロ印字の履歴書を送ればいいじゃないか。それで落とすような会社なんか、社風が合わないのだから、入ってもロクなことはないよ。

余談:

印鑑をきれいに押すために「印矩(いんく)」という道具があります。

でもこれ、印鑑の軸が角型でないと使えない。残念ですね。軸は角型、印面は丸型、という印鑑があれば便利なのに。いや……そもそも個人のサイン代わりとして丸型の印鑑が普及したのは何故なんだ? ちょこっとネット検索してみたけど、わかんなかった。別に丸型にこだわる意味はなさそうなんだけど。

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