趣味Web 小説 2010-08-18

GIGAZINEの求人 雑感

1.

これから飛躍せんとする零細ベンチャー企業に「賃金労働者」がいては困る、という感じかな。私もいろいろノンフィクションを読んだけど、大企業の中でも新規プロジェクトの立ち上げ時などでは「賃金労働者」感覚の者がコアメンバーに入っているとうまくいかない、という話はしばしば出てくる。

ボランティア活動なんかでも、新しいこと(地域の小さなお祭りとか)を始めるときは、まず「やりたい」人だけでチームを作る。昼も夜も、ふと気付くと「企画」のことを考えているような人たち。ボランティアにも「空き時間を適当に提供する」感覚の人は多くて、間違ってそういう人がコアチームに入ってしまうと、「企画」は空中分解する。これは私も経験した。「企画」が始動すれば、「作業」の領域が圧倒的になるから、やる気の希薄化は善意と人数でカバーできる。

社内プロジェクトならメンバー交代で乗り切れるが、プロジェクト=会社の零細ベンチャーだと辞めてもらうしかない場合もあると思う。日経エレクトロニクス誌の開発ドキュメントなどを読んでみても、とても挑戦的な社内プロジェクトの場合、指名でメンバーを選定するのは難しく、能力よりやる気を重視して立候補を募るのが常道ということのよう。GIGAZINEも順調に先人の軌跡を辿っているのだと思う。

それはともかくとして、GIGAZINEに安定した生活の糧を求めて就職を希望するのって、どんな人なんだろう。個人的には、そういう人がいるということの方が不思議。

へぇ、鮮やかなものだなぁ。(追記 2010-08-31)

2.

自称「GIGAZINEを解雇された人」は、サーバー費用がGIGAZINEの経営難の原因だと認識しているそう。ちなみにGIGAZINEの編集長は、この人は偽者だと断言しているので念のため。

専用のサーバールームか……。凄いな。これが経営難の原因かどうかは別として、お金がかかっているのは明らか。素人考えだけど、私なら30万PV/日クラスのブログを複数抱えているライブドアブログへの移転を検討すると思う。gigazine.netというドメインを維持することもできるし。あー、でも過去ログが問題か。

そしたらやっぱり、新ドメインでもいいんじゃないのかな。この2年くらいの間に独自ドメインへ移行した2chまとめ系の著名ブログがいくつかあったけど、どこもPVは減ってないみたい。ただ、トップページの検索順位はなかなか旧アドレスを逆転できないことも。はちま起稿は短期間であっさり新アドレスがトップにきたけど、アルファルファモザイク旧アドレスがいまだにトップに出る。理由は不明。

過去ログへの検索経由などのアクセスが膨大だとしても、過去ログを新ブログへ移植して転送案内を出すだけなら、劇的に負荷が軽くなったりするんじゃないか。そうでもないのかな。

トップの痛いニュース(ノ∀`)は1日150万PVあるとする説を方々で見かけたのだけれども、ドンナメディアの調査では2位と3位が1日30万PV前後となっている。トップがその5倍ということはないんじゃないか。同じ調査でGIGAZINEは1日66万PVだから、ライブドアブログへ移転したとして、ランキングで3位になることはなさそう。1位も十分にありえるのではないか。

しかし、GIGAZINE自身による今年7月の集計では1日平均200万PV超。ドンナメディアとは3倍の違いがある。PVってのは、これだから困るんだよな……。痛いニュースが1日150万PVというのも、計測手法次第ではあり得るのかもね。50万×3みたいな感じで。

3.

ドンナメディアは面白い。ハムスター速報geocities全体と同等のページビューで愕然とする一方、じつはYahoo!のラーメン特集とも同等だとわかってずっこける、みたいな。

データ収集の対象が少ないのがドンナメディのちょっと残念なところ。実際に調査しているのはマーケギアで、日本国内に100万人の協力ユーザを抱えている「インターネット視聴率」調査の国内有力企業。100万人というと凄いのだけれども、偏りなく慎重に標本を選ぶには、いささか規模が大きすぎる感じはします。だからこそ、正確性より規模を強みにして、ドメイン単位ではなくブログ単位で1日1万PV以上のところはみんなデータ収集する、なんて方向に進んでくれたらいいのにな。

ちなみに、とくに断りなく「インターネット視聴率」のデータが示された場合、ふつうそれはネットレイティングスのデータです。昔はインプレスの『インターネット白書』に概要が載っていましたが、値段が高いためか、掲載されなくなって久しいです(ここ2年ほどチェックしてないので再び掲載されている可能性はある)。

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