趣味Web 小説 2010-08-20

ソーシャルゲームのRMT禁止に正義はあるか

1.

規約違反だからダメだ、という話はわかるけれど、そもそもどうしてRMTを禁止するのだろう。公式の課金アイテムより安いというなら、まあ分からないでもないが……。課金アイテムの中古市場を規制する、みたいな話か? もしそうだとすると、そんな規約、じつは法的には無効なんじゃなかろうか。

不正に作成されたアイテムで濡れ手で粟の大儲けをされかねない、なんて理屈は通らないと思う。古本屋があると、偽造された本が流通する可能性がある(だから中古流通を許してはならない)、という意見は聞かない。偽造は、それ自体の悪を叩くべきであって、偽造を抑制するために中古品の売買を禁じることまで正当化できるわけじゃないと思うのだが。

仕様としてアイテムを渡せないならともかく、プレゼント機能は実装されているのだというし。『怪盗ロワイヤル』の課金アイテムやレアアイテムは、ユーザーの所有物ではない、ってことなのかな。限定的な使用権を認めているだけですよ、という。

2.

ユーザーは規約に同意して遊んでいる。でも、ブログの著作権に関する規約では、それでも「こんな規約はおかしい」とか、いろいろ騒動が起きたりした。

ブログなんか、はじめたばかりの段階なら「ツール」でしかないのだから、他サービスへの乗り換えは容易だった。それでも、あれだけワーワーギャーギャー議論された。『怪盗ロワイヤル』は、そういう取り換えのきくものではない。本と一緒。選択の余地のないものだ。なのに、各社の判断で中古アイテムの取引を制限していいのだろうか。

RMT規制は当然だと思う人が、現状ではおそらく多いのでしょう。でも、法律というのは、個別の状況に対する賛否によって恣意的に適用されるものではない。規約で「中古販売はダメ」と謳うだけで、消費者の自由を縛ることが本当に可能なのかどうか、私は疑問に思う。

おそらく、公式のアイテム敗倍価格より、RMTの方が、相場が安いのだと思う。あるいは、確率を金額に置き換える市場が存在すると、「絶対にお金では買えない」という価値が成り立たなくなってしまい、お金のないユーザーのガス抜きが難しくなるのかもしれないね。そういうことはわかるのだけど、という話。

3.

現にRMTは「できている」わけでしょ? 何が気になるの?

うん、まあそうなんだけどね。リンク先の記事への反応などを見ていると、そういう状況を「許せない」と感じる立場が当然視されているような感じがしたので、こういう記事を書きました。(でも、もう一度よく読むと、実際にはそうでもなかった……)

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