2009年夏から2010年夏にかけて、社会人になって2回目の給料をもらって以降、はじめて前年同時期との比較で預貯金が月収(手取り/一時金の月割りはしない/以下同じ)の1ヶ月分以上、減少した。長らく年平均では月収×4ずつ預貯金を増やしてきたので、驚いた。しかし収入が減ったのに支出が増え、そのどちらの程度も激しかったのだから、当然の結果だった。
収入が減ったの勤務先のは業績の反映。支出が増えた要因は多々ある。まず寄付が増えたことが大きい。そこに引越しと、祖父の入院が重なった(お見舞いの交通費)。さらに、寄付が増えると、私的な消費も増えた。理由はわからないが、「ま、いいか」の基準が明らかに緩んだ。というわけで、かれこれ月収×5ほど支出が増えた。収入は月収×1.5ほど減ったので、例年の月収×4のプラスが、月収×2.5のマイナスへと変化した。
「貯金など増やしても使い道がないので意味がない」ということは、ずっと考えていた。が、実際に貯金が減ってみると、心中穏やかではいられなかった。
色分けの意味や金額の絶対値に注目されても面白くないから、意味不明は承知でこういう支出推移のグラフを示す。12月までは実績、1月以降は計画。なお、家賃は家計を組み立てる前提とし、コントロールの対象にはしないので、除外している。秋以降、急激に支出を絞ったことがわかる。年末に上期の好況を反映した一時金が出て、一昨年の末よりは、わずかに預貯金を増やすことができた。
支出推移のグラフが昨年7月から始まっているのは、支出の記録を完全に把握できたのが7月分からだったため。預貯金の推移は通帳から数字を拾うことができたが、それでは何にどれだけお金を使ったのかはわからないし、タイムラグも大きい。社員寮を出てから2年間は家計簿をつけていたが、結局、何も我慢することなく100万円が余ることがわかったので、しばらく支出の記録をつけていなかった。
除外した家賃について補足すると、山手線の内側から栃木県へ移ったので、家賃はほぼ同じで床面積が倍増した。希望する条件を満たす狭い部屋がなかったので、無駄に部屋数が増えた。が、六畳の和室に引きこもっているせいか、光熱費が3割減。家屋関連支出の総額は微減に。冬の寒さもどうってことなかった。
寄付(増加分)と引越しとお見舞いを完全に除外しても、月収×1.7くらい、年間支出が増えている。それで生活水準がどう変わったか。驚くほど何も変わっていない。パソコンはパソコン、携帯電話は携帯電話、米は米、靴は靴だった。
私は長らく1000円か2000円の靴を履いてきた。社会人になってから2回だけ3000円台のを買ったくらい。ところが、昨年は突然、8000円の靴を買っている。前の靴の底が磨り減って穴が開き、雨の日に底面から水がしみてきたので、仕方なくスーパーの靴売場へと足を運んだ。
たしかに、1000円の靴と8000円の靴とでは、感じが違った。それは間違いない。だが、「値段が8倍」と考えると、「この程度か」という気がしてならなかった。それでも、「ま、いいか」と思って、1000円の靴ではなく8000円の靴を選んだ。「所得倍増」と聞くと夢が膨らむが、現実はこんなものなんだな。(誤記訂正)