趣味Web 小説 2011-01-07

カトリックとコンドーム

既に記事は読めなくなっているので、はてブの方にリンク。

以下、素人の感想。

聖書に示されているのは、抽象的な言葉と、限られた数の具体例だから、細かな戒律は、聖書から類推して人が作らねばならない。

オナンの兄エルが神に処刑されたので、父ユダはオナンに兄エルの妻タマルと結婚するよう命じた(創世記38:6-8)。しかし、オナンはタマルによって設ける子が自分の相続人とならない事を知っていたので、性交の際、故意に精液を地に流した(創世記38:9)。この事は神の意に反する事であったので、オナンは神により処刑された(創世記38:10、46:12、民数記26:19)。

カトリックは、旧約聖書のこの記述から、「神は性交から生殖を分離し、性的快楽のみを得ることを禁じている」という解釈を引き出した。これは「生めよ増やせよ地に満てよ」や「姦淫の禁止」といった神の命令とも整合的で、説得力がある。

人が自動的に正しい行動を取るなら、そもそも戒律など要らない。聖書は「人がしたいようにした結果、神の怒りに触れた」事例を、たくさん紹介している。性的快楽と生殖を切り離したいという欲求は、大昔からあったのだろう。だがユダヤ教やキリスト教は、「自然な欲求に従うことが正しい」という主張を否定する。

オナンが性交そのものを回避しなかった理由は明らかではない。性的快楽を得るためではなく、「子をなすための努力はしています」と人の目をごまかすためだった、とも考えられる。あるいは、神が怒ったのは、オナンが避妊したからか、それとも兄の家系を絶とうとしたからか。もし後者なら、オナンは性交自体をしなくとも神の罰を受けたろう。

だがいずれにせよ、オナンは夫婦間の性交で避妊をして神に殺された。姦淫は罪だが、生殖は賞賛される。カトリック教会がコンドームを容認できる理由が、私には見つけられない。

aiaki 女性取り込むというか、性病関連では必須なモノになってきているのに、今世紀になっても駄目とか言ってた団体を普通に容認している社会が狂っているとしか思えんなぁ。

guldeen 宗教で伝染病ほか病気は治せない以上、それに口出しはして欲しくないもんだ。それと『不順異性交遊』とは別の話。そういや、少子化問題も救えてないしね、宗教では。

カトリックは貞操を称揚し、婚前交渉も離婚も認めない。実質的に、生涯にセックスの相手は1人限定としている。少子化問題についても、神は人に「生めよ増やせよ」と命じた、と説く。みなが敬虔なカトリック信者なら、性病の蔓延も少子化もありえない。これほど明快な答えを持っているのだから、カトリックが人々を導こうとガンガン「口出し」するのは当然じゃないか。

妊娠を邪魔せずに性病を防ぐ方法があるなら、カトリック教会は(少なくともここまで書いてきたような論理によっては)それを問題視しない。なお体外受精などへの批判は、視点の違う議論。ともかく、カトリックは子をなす以外の目的で性交することを認めないのだから、避妊具など存在意義がない。当然の理屈だ。

……それだけに、ローマ法王が限定的とはいえ避妊具を容認できる理由がわからない。どういうことだろう、と首を傾げていたところに、続報がきた。

追記

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