Amazonのカスタマーレビューでは定番の話題。
いまブルーレイディスク(BD)が普及過程にあり、海外の映画を中心に、BDとDVDがセットになった商品がたくさん販売されている。DVD単体の商品との価格差は小さく、BD単体の他作品との価格差はゼロ。私にはお得なセットに見える。
知人の一人は「現時点ではDVDプレーヤーしか持っていないけど、いずれBDプレーヤーを買う予定だから、最近はBD+DVDの商品を買ってるよ」と話していた。なるほど、BD単体だと、こういう客層を逃してしまうわけか……と大いに納得した。このように、私の周囲では歓迎する声しかなかったので、Amazonのレビュー欄で「DVDとのセット商品だから星1つ」というレビューを目にしたときは驚いた。
BDソフトだけほしい。DVDはいらない。私は見ないのでゴミ。ゴミには1円も払いたくない。たとえ価格が同じでも、BDソフトだけの商品がほしい。なのにDVDとセットの商品しかない。不愉快だ。
といった意見だ。Amazonのレビューに関心のある層には共感される考え方のようで、こういう意見を投稿すると「参考になった」票が入りやすい。逆に「BD単体の他作品と同価格なんだから得じゃないか。文句をいう人の気が知れない」などとを書くと「参考にならなかった」票が大多数になる。「営業戦略だから仕方ない」とか「私個人としては歓迎しています」といった書き方をしないと許されないらしい。
これも「ネットで声の大きい層の偏り」の一例だと思う。そもそもこういうことに関心を持ち、問題として捉える人には反対派が多いということなんだろう。単純に「DVDがセットでお得!」と思う層は、こんなフォーラムを読まないし、たとえ読んでも投票まではしない、ということなのではないか。
BD+DVDの場合、わざわざBD単体の商品を別ラインで作ると、販売数量の関係でかえってBD単体商品の方が高価格になりかねない、という意見がフォーラムに出ていた。実際にどうなのかはわからないが、さもありなん、という感じはする。また、店舗における販売スペースの問題も無視できない。
ところで、「自分が必要だと思わないものには一銭も払いたくない」という考え方は、例えばネット上で毎日噴出している弱者保護政策に対する怒りの声などにも通底しているように思う。そして税金の使途の場合も、「無駄」を排除するためのコストは見落とされやすいと感じる。
少し関連する話かな、と思った。