もうすぐ統一地方選挙。地方選といえば、昨年、故郷の市長選があった。現職の小泉一成さんと、元県議の湯浅伸一さんの一騎打ちで、勝ったのは現職。
昨年9月の記事でも少し触れたが、小泉さんは市長になって以降、市民との対話を精力的に重ねてきた。その記録を見ると、道路整備、美術館の建設、もっと大きな文化会館がほしい、などなど、道路と箱物の増強を求める声が、際限なく出てきている。小泉さんは、そうした市民の声を受け、公共事業の計画を次々に具体化していった。1期目は堅実的な運営に終始したが、当選した暁にはいよいよ計画は実施段階に移り、財政は大きく膨らむことになる。しかし住民税を上げるとはいわない。借金を増やすわけだ。
対する湯浅さんは、大型公共事業の見直しを掲げ、逆に市民税10%の減税を公約に掲げた。「減税日本」路線ということか。名古屋市と同様、減税の実現性には疑問符がつく。湯浅さんも教育、医療、福祉は充実させたいそうだ。箱物の新規建設は今後の予算を増やす要因であって、それをゼロにしても減税の原資にはならない。行政を効率化して市職員を減員するというが、成田市の場合、役所の人件費など高が知れている。市債残高は1年分の市税収入を超過して久しい。私には減税の余裕があるようには見えない。
選挙の結果は、小泉一成さんの圧勝だった。もともと現職は強いもの。湯浅伸一さんは市議、県議を歴任された政治家で、全くの新人と比べれば安心感があるけれど、現職に大きな不満がない限り市民はバクチをしたがらない。その上、おそらく多くの市民が、政策面でも現職支持だったのではないかと思う。
年末の選挙を勝ち抜いた第2期小泉一成市政1年目の予算は、前年比8%増。湯浅さんが勝っても大差はなかっただろうが……。ともあれ、こうした資料をきちんと作って公開しているのが成田市の偉いところ。