趣味Web 小説 2011-04-08

ダメなライターが消える→自分が失業する

お説ごもっとも、と思う。他方、「面白ければ多少の欠点は吹き飛ぶ」という現実もある。文章が整っていてお題に忠実だけどつまらない文章より、破格だが面白い文章の方がよい。まあ、面白い文章の書き方は指導が難しいので、形式的に修正できる部分を改善していく他ない、という事情はわかる。それに、リンク先の記事にあるようなレベルの不具合なら、たしかにそれを解消しないと商品にすらならない。

なんで文章書けない人がライターなんかやってんだろ?
んで、なんでそういう人に「仕事」があるんだろうか?
世の中ってのは本当にわからんもんです。

信頼できるライターを探すのにもコストがかかる。そしてふつう、ほぼ確実に信頼できるライターは、原稿料が高いはずだ。安い原稿料で請け負うライターに頼めば、その何割か(あるいは全員)がひどい原稿を出してくるのは当たり前の話だろう。そして、はてな匿名ダイアリーで愚痴っている人の給料の何割かは、ダメなライターの存在を前提に組まれた予算から出ているのだろう。

ダメなライターがいなければ仕事が楽になる……というのは間違いで、仕事が減れば編集者の人数も減らされる。そういう共生関係になっているはずだ。

プロなんだから……なんて言葉に意味はなく、全ては市場による調整の結果に過ぎない。ひどいライターだとしても、今の原稿料で締め切りまでに原稿を上げてくれるライターを他に見つけられないなら、その人に頼むしかない。もし競合他誌が同じ原稿料でもっとよいライターと契約しているのなら、競合他誌は増田さんの職場より少ない人数の編集者で成立し、その分だけ利益が出ているのかもしれない。だがふつう、その利益は安い原稿料で請け負う優秀なライターとのコネクションを持っている人が大部分を持っていくもの。

いずれにせよ、増田さんの勤務先が潰れずに続いていくなら、その勤務先は市場を生き抜く力を持っているということ。そのやり方は間違っていないんじゃないかな。正解はひとつではない。原稿の修正に忙殺されている時間を自分だけの仕事に使えれば、もっとよい企画を考えつくのに……みたいな獲らぬ狸の皮算用をしても良い結果にはなかなか結びつかないないように思う。

こちらの記事の指摘は、割とどうでもいいと思った。というか、これくらい細かなことしか指導すべきことがないのは幸せなことだよな……。まあ教員採用試験を受けようという人が、冒頭のリンク先のようなレベルのダメ出しを食らっているようではみな困るわけだが。それにしても、何年も勉強を続けてきたのに、果てしなくダメ出しが続く現実に、ウンザリする学生の顔が見えるようだ。

Information

注意書き