20年ほど前、小学校を卒業するにあたり、友人らと一緒に、クラスメートのランドセルの様子や、6年間のランドセル関係の思い出などを観察・整理した。その際の結論を、以下に記す。
子どもの身体が大きくても小さくても関係なく、軽いランドセルを選んでほしい。
ランドセルを買うのは大人だから……。「A4の書類を二つ折りにしないでファイルに入れて持ち運びできる」なんてのはくだらない機能なんだけど、大人にはそれがアピールするわけだ。
いや、待てよ……。私自身、かばんを買う際に、持ち歩いて疲れないかどうかをきちんと確認した記憶がない。そういうのは、「手持ちのかばんの中で自然と利用頻度が高まっていくのはどれか」というような、購入後に差が出る部分のような気がする。だから、「ショルダーバッグ」か「手提げかばん」か、といった大雑把な選択にしか反映されない。
自分のかばんでさえ、結構どうでもいいことを基準に選んでいるのが私だけでないとすれば、子どもが使うランドセルについて、合理的な選択基準を持てない人が多くても、当然かもしれないな。
やっぱり、この手の話題でいつも連想するのが、一時期のコンパクトデジタルカメラの画素数競争。あれほど馬鹿馬鹿しいスペック争いはなかった。あのときは、多くの技術者が虚しい気持ちを味わった。いや、携帯電話などでは未だに「1000万画素」を売りにしていたりするか……。
コンデジの案内ページでありながら、「画素数を抑えて画質を上げた」と明瞭に書かれている、ちょっと珍しい例。いまどきコンデジに3万円払う客なら「わかるよね」という信頼かな、これは。
ところで、私と同世代の小学生男子って、どうして「ランドセルを潰す」のがカッコいいだなんて思っていたのだろう。わざわざランドセルを踏みつけたり重石を乗せたりして、ペチャンコにしようと頑張っている子が何人もいた。私には彼らの感性が理解できず、6年経っても私のランドセルはピカピカのままだった。