記事のタイトルと内容がズレているように思う。ウォール街占拠デモが国内の経済格差に焦点を当てており、国際的な経済格差を重視していないことは事実だとしても、彼ら別に国際的な経済格差の維持を求めてはいない。例えば、海外援助などに反対しているわけではない。
私がわからないのは、彼らの政治的要求がハッキリしないこと。彼らのうちの一部が掲げる「1%の人々が99%の富を独占している」という訴えは事実に反しているが、しかし彼らがそう思っていて、それが問題だというならば、税制改革による所得の再分配を求めたらいいのではないか。でも、そのような主張は主流にはなっていないらしい。
格差を問題視しつつ、政府による所得の再分配も否定する……というのは日本でも同じで、すると結局、誰に対して何を求めているのかが、皆目わからない。人余りの社会では経済成長の果実が偏るのは自然なことで、80年代までの日本のように人手不足社会を実現するか、さもなくば再分配を強化するしか手はない。
計画経済への移行は……机上検討だけにしておいてほしいかな。
所得税なんてゼロなのが一番いいかもだけど、取締役が全員、所得税がゼロの土地で1年の半分以上を過ごすようにしている大企業って、聞いたことがないな。所得税を取られても、消費者に近いところにいないと、会社の経営は難しいということじゃないか?
そりゃ所得是の累進を強化して、また様々な控除を廃止・縮減する方向で税制改正が進めば、一部の人は増税を嫌って外国へ逃げていくだろうけど、それで会社が傾いたら意味がないわけで。「出て行きたければ勝手にすれば? 損をするのはあなたの方だと思いますけどね」が基本姿勢でよいと思う。