趣味Web 小説 2011-12-18

memo:たけくま構想から6年

例えば、無断で再利用できない写真(の構図など)を勝手に模写した漫画が、しばしば見つかって問題になります。その度に私は「漫画ファンが一致団結してパブリックドメインの写真データベースを作れないか」と思います。

ほしい資料写真が無料で(あるいは非常に安価に)は手に入らないから、写真を無断でトレスする漫画家が現れるわけです。この問題を根絶するには、100万枚程度では全然足りない。100億枚はほしい。途方もない枚数ではありますが、1000万人が平均1000枚の画像を提供すればよいわけなので、「絶対に不可能な数字」でもないと思う。現実的な数字でもないけれど……。

竹熊さんの記事が出てから、もう6年経ったのか……。竹熊構想への反応でいちばん引っ掛かったのは、読者の側に全く当事者意識がないこと。漫画を楽しんでいる自分自身が、どんどん自分の撮った写真を提供していくという発想が出てこないと、いつまでも「構想」は「構想」のままで、問題は解決されないと思う。

読者の側に「私たちも何か協力したい」という気運があれば、例えばPicasaあたりと出版社が手を組んで、特設サイトを作って数億枚の写真投稿を募るといったキャンペーンも可能になります。サイトの維持・運営だけなら、商売の苦しい出版社でも、何とかやっていけるかもしれない。でも現状はどうでしょうか。高々数万人が数千万枚程度の写真を提供するのが精一杯だと思います。数千万枚では実用にならないわけです。役に立たないものに金を出す出版社など、あるわけがない。

CCに期待する人もいますが、CCでは「表示」が必須なので、現実的でない。人のポーズ、背景、小物、服のコーディネートなどを別々の写真からもってきた場合、たった1つのコマに4つも権利表示が必要。権利表示するスペースの問題もありますけど、ふつうの漫画家の場合、完全な権利表示を実施するための事務作業が難しい。必ず表示抜けが多発するでしょう。だから、権利表示すら不要の資料写真が必要なのです。

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