Rockridgeさんの主張そのものは理解できた。TechWaveの記事は不正確で、状況を誤解させるものだ、ということだろう。
ただ、不確実な根拠で強い言葉を発したメディアに反論する記事の1/3超が、なぜか陰謀論なので困惑した。Microsoft製品の解説本を出版して稼いでいる人物
は信頼できないと断じるなら、「Firefoxのファンブログ」の信頼度はどうなるのか。「正確性に疑問符のつく論拠から、不相応に強い攻撃を繰り出す」と一般化すれば、湯川さんの記事にある問題は、Rockridgeさんの記事にも見出せる。
ネット世論は「相対比較でマシな方」の粗を指摘することに不熱心だが、私はむしろ、そういうところが気になる。「これを見逃していいとすれば、よりひどい方を叩く理由も消えてしまうはずではないか」と。
「空気」が一方に傾いている状況では「程度の問題」を論拠にできそうにも思える。だが、一歩引いて見ると、その「程度の差」は「空気」以外の論拠では明確には説明しえないことが多いように思う。それに、程度の問題であるならば、「不問と袋叩き」に分かれるのは奇妙で、「どちらも程度に対応した批判を受けるべき」ではないだろうか。少なくとも私は、そう思う。