趣味Web 小説 2012-01-09

原発事故調の中間報告:雑感

昨年末に出たんだけど、非常に分厚くて、まだ一部しか読んでない。以下は、この中間報告に関するマスコミ報道を見聞しての感想。ただし報道の内容を私が正しく理解しているとも思えない。

さて、三流技術者の感覚としては、福島第一原発の事故は、最も単純には、非常用のディーゼル発電機がひとつの部屋にまとめて置かれていたことが原因。原発の背後の台地に予備の非常電源小屋を建てておけば、事故は起きなかった。非常用電源自体を増やすわけじゃないから、費用は100億円以内で足りたと思う。

あるいは、非常電源車に、冷却装置に電源供給するための変換プラグを積んでおけばよかった。せっかく海嘯後に電源車をかき集めたのに、電線をつなぐことができなくて使えなかったというのは、悲しすぎる話だった。これなんか、きっと対策コストは10億円スケールだと思う。

非常用電源を一箇所にまとめて置いておいたら、ひとつの要因でいっせいに壊れることがありうる。それは三流技術者にもわかる理屈。ランダム故障だけを想定して、非常用電源をひとつの部屋に複数並べて「冗長化を実現しました」というのは、おかしい。うん、それはそうだ。……というくらいの話なら、私でもついていける。でも、事故後の報道や、識者の発言には、ついていけない部分が多々ある。

まあね、「問題が発覚したときには、当該の問題を解決するだけではモグラ叩きになるので、問題が発生した原因を追求しなければならない」ということもまた、教科書には書かれていて、理由の理由の理由を探っていくこと自体は正しい。でも、深掘りの方向性に、私は疑問を感じるんだよね……。

デカい社会問題に突撃したって、実りがなさそう。問題の根本に迫ったようでいて、「対策したつもり」の領域に片足突っ込んでしまっていると思う。それよか、もっと形式的に、例えば「バックアップシステムの冗長化が実現できている」という判断の基準を正しく設定し直して、全国で再点検をするというような、そんな方向で頭を使ってくれたらいいのに。

一人の三流技術者としては、そう思います。

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