趣味Web 小説 2012-01-19

困難な時代?

手もとにある『学生時代に何を学ぶべきか』は1988年刊。各界の著名人が、高校生・大学生に向けて様々な忠告をしている。90年代の人はバブル景気真っ盛りの狂った時代と呼んだが、人々の意識には、終わりの見えない公害禍、2度のオイルショックとインフレの恐怖、円高不況の痛みなどがあった。多くの人が、経済発展に倦んでいた。

で、私の感覚では、同書の中に内田さんの記事があっても、finalventさんの記事があっても、まるで違和感がない。

はてブのコメントなどを見ると、「昔の人はこういう悩みがなくてよかったね」風の意見が少しあったりするのだけれど、今昔物語などを読むと、昔から人は「いかに生きるか」で悩んでいたことがわかる。生きるか死ぬかの場面でさえ、生きるというのは当然の結論ではなかった。

今昔物語 (ちくま文庫)

何というか……「生きるだけで必死」で、「人々が何も考えていなかった」時代なんてものが実際に存在したとは、私には思えない。「そういうこと」にしておきたい人がいるだけではないだろうか。

補記:

私が若い人にいいたいこと? とくにないな。

いっても無駄なので、いう気がしないことなら、たくさんあるけど……どれも口にすれば我が身に跳ね返ってくることばかり。

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