趣味Web 小説 2014-02-25

私が愛用している目覚まし時計 SEIKO SQ691K

パソコンやらゲーム機やらに内蔵されている時計を別にすると、私が持っている時計は2つ。1つは目覚まし時計。もう1つは砂時計だ。

太陽電池付きの目覚まし時計なら相当長く電池が持つと思って買ったが、そうでもなかった。暗いときでも動くよう太陽電池付きの時計にも補助電池が入っていて、その残量が減ってくると目覚ましが時々鳴らなくなる。最初は電池が切れかかっているとは気付かず、「最近、不安定で困るな」と思って携帯電話のアラーム機能を併用するようになった。

それが、私が携帯電話を携帯するようになったきっかけ。もしすぐに「ああ、電池か」と気付いていたら、私は今でも携帯電話を押入れにしまったままだったかもしれない。いやまあ、別にそれならそれでもよかったんじゃないかと思うんだけど。

私は自分の選んだ目覚まし時計が非常に気に入っているのだが、間もなく生産終了となった。機能自体に特別なところはなかったが、どの機能にどんな形状、配置、押し心地(?)のボタンを配するかといった点が絶妙だった。

頭の大きなボタンに軽く触れるとアラームが止まる。しかしサイドのスライドスイッチを動かさないと、5分後に再びアラーム。このあたりは他の目覚まし時計でも大差ないだろう。この時計が個性的なのは、「あと3分寝る」「あと7分寝る」「予定より少し早く起きることにするけど、とりあえずもう少し寝る」みたいな需要に最適化されていたことだ。

具体的には、「右手で持ったら自然と人差し指と中指がここにくるよな」と思える一等地にシーソー式のソフトなボタンがあって、人差し指で設定時刻を遅らせ、中指で設定時刻を早めるようになっている。これをどう使うか、少し書いてみる。

目覚ましが鳴る。頭をポンと叩いて、まず音を止める。アラームの時刻は、少し早めに設定してある。さて、あと5分寝るなら、そのまま寝入ればいい。自動で5分後にまた鳴る。では3分後なら? 右手を伸ばして時計をつかみ、人差し指でポンポンポンと3回。これでOKだ。

あるいは。目覚ましが鳴らないのに目が覚めた。時刻を見る。少し早すぎる。でもせっかくなので、今朝は予定より6分くらい早く起きようか。そうすれば、朝の内にできることがいくつか増える。右手を伸ばして時計をつかみ、中指でポポポンとタップ。そして寝る。

アラームの時刻設定は、どの目覚まし時計でも簡単にできる。できるが、目で確認せずに二度寝用のアラーム設定をできる時計となると、ほぼ皆無といっていい。「いくつも並んだ同じような形状のボタンにそれぞれ全く別の機能が割り当てられている」みたいな設計の時計が大半ではなかろうか。ただ、そうした設計が低コスト化に有利なのは明らかだ。

私の選んだ時計は生産中止になり、残念な設計の時計の生産は続いている。エンジニアが最適なボタン配置、ボタン形状を考え抜いてぜいたくな設計をしても、その分のコストアップを消費者は許さなかったのだろう。

こちらが後継機で、定価が1000円も下がっている。じつに25%のコストダウン。技術者目線でいうと、これはやっぱりすごいこと。でも一人の消費者としては、SQ691Kの正統後継機がないことが、とてもつらい。まあ目覚まし時計なんて10年とか15年くらい壊れずに動き続けることが多いのだけれど、万一の事態が怖い。

Amazonで買える目覚まし時計(置時計/デジタル)は1000種を超える。これほどたくさんあって、SQ691Kよりいいと思えるものがひとつもないというのも、我ながら驚きだ(1000種全部チェックした自分もよくがんばった)。物との縁も、異なもの味なものである。

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