あの名作が3年の時を経て帰ってきました。首を長くして待っていた読者の期待を裏切らない素晴らしい一冊です。今回も個人運営のWebサイトを超一流のプロがリニューアル。序論と概説が用意され、ケース毎にコンセプトワークの様子と代案が示されるなど内容が深化、コラムも充実しています。
本書の想定読者層はWebサイトの作成・運営経験のある初級者・中級者です。そこで画像素材の入手方法や使用するソフトなどに一定の制約が設定されています。しかし著者は妥協しません。サイトの雰囲気にぴったりのフォント→自作/視覚的に直感的に選択できる画像→自作/親しみやすく印象に残るロゴマーク→自作/etc 積極果敢な姿勢に素人の読者は圧倒されます。いずれも親切な解説付ですが、素人は容易に真似できません。
著者は確信犯でしょう。思い描くアイデアの現実化は至難の業です。しかし相応の技量(画像の処理は圧巻)があれば、厳しい制約の中でも100%を目指せることを本書は示唆しています。技量の不足は努力で埋められます。制約を言い訳にして諦めないことが大切。さあ今日も頑張ろう、と勇気付けられる一冊です。