プロ向けの Web デザイン年鑑です。タイトルは2004となっていますが、2002年後半から2003年にかけて開設またはリニューアルされた Web サイトを中心に紹介しています。
主要サイトは2ページ、大半のサイトは1ページで紹介されます。紙面の多くをスクリーンキャプチャ(3枚程度)が占め、デザイン解説は200字程度、担当者のコメントは100字×2人と簡潔、さらに企画書の概説のような紹介文が400字程度付されているものの、これはとくに参考になる情報ではありません。
デザインの勉強を目的に購入されると、内容の薄さにがっかりされるでしょう。また紹介される Web サイトの大半は堅実なものであり、ファッションショーのようなトレンドの先端を知る目的にも適しません。本書の用途は、積極的に運営・更新されている企業の公式サイトを年鑑形式で紹介するというコンセプトから自ずと理解されましょう。パラパラと眺めることで、「お仕事で作る Web サイト」の緩やかな変化の流れを掴むのです。
2002年から3年続けて刊行されていますので、興味のある方は全てそろえることをお勧めします。ただ、本冊だけ買っても、何割かの Web サイトについて紹介されているページビューの数字は話のネタになりそうです。