Word の初級解説書です。内容はあまり特筆すべき点のないふつうの解説書です。入門レベルから易しく説き起こし、個人レベルの用途で実用に供する程度までを解説しています。機能ベースではなく目的ベースで進みますので、他書では補注でお茶を濁されがちな実用上のポイントも本筋の中で扱っています。
問題は本書のデザインです。紙面のレイアウトも製本もパッとしません。標準的な2色刷の紙面ながら、レイアウトと図解にどこかとっつきにくい雰囲気があります。ていねいに読んでいけば決して悪い本ではないのですが、他にもいい解説書はいろいろあるわけです。とくに本書を選ぶ理由が見当たらないだけに、こなれていない本作りが残念です。
パソコン教室のテキストなどとして指定される場合には、とくに問題はないかと思いました。しかし自習用に買うなら、他書を検討された方がよいでしょう。Word は初めてという入門者には「速効!パソコン講座 ワード」を、多少の利用経験のある初級者には「文書作りでつまずくWordのしくみと落とし穴」をお勧めします。