Book Guide 2004-09-29

Webコンテンツ制作入門―HTML文書の作成

Web サイト作成の入門書です。大学・高専の教科書ですが、自習用解説書としての利用も可能です。

大学の先生が書いた教科書にはくどい説明を嫌う傾向があり、本書もその例に漏れません。192ページの本ですが内容が濃く、HTML の紹介だけでなくインターフェースの考察や雛形を用いたコンテンツの作成など、多くの情報が詰め込まれています。素気ない紙面デザインはとっつきにくく、解説のスタイルも一般の入門者向きではありません。

本書の HTML 解説は不正確で、HTML の基礎基本の概念を取り違えているフシがあります。HTML の文法の意味を省みず、特定のブラウザで意図通りに表示できるか否かで「正しさ」を判断しているようなのです。本書のサンプルを見る限り、著者が技術仕様をきちんと確認していたとは思えません。表紙で強調されている大学教授・工学博士という著者の肩書は本書の内容を保証しませんので注意が必要です。

内容豊富な講義も、肝心な部分がいい加減では意義が半減します。内容は絞り込まれていますが、「30時間でマスター インターネット2 HTML+メール」など易しく正しいテキストの優先的検討を勧めます。また自習用解説書をお求めの方には「HTMLとスタイルシートによる最新Webサイト作成術」を勧めます。

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