Book Guide 2004-11-07

XHTML入門

良くも悪くも、いかにもアメリカ流のテキスト。大著ながら、内容は XHTML の初級解説にとどまります。XHTML の概説、各要素の文法規則・属性の詳細・使用上の注意などを百科事典のようにまとめており、XHTML によるデザインテクニックや活用事例には踏み込みません。

しかしマイナーな要素のマイナーな属性など大半の読者には無縁です。万が一の場合にも「標準HTMLパーフェクトリファレンス」で要点をチェックすれば事足ります。さらに詳細な解説も「詳解 HTML&XHTML&CSS辞典」で調べられます。本書の解説は冗長で要点がつかみ難く、辞書的利用には向きません。

膨大な情報量にもかかわらず、本書のレイアウトは単調です。紙面をパッと見て飛び込んでくるものがない。ひたすら黒い文字列の圧迫感だけが無限に続くように感じます。オライリーの本など大抵そうなので、本書だけの欠点ではありません。しかし XHTML の解説書が増えた現在、本書は見劣りします。

本書の想定読者層は HTML 経験者ですが、Web 向けマークアップ言語の初心者でも読めます。しかし私はいずれの層にも本書を勧めません。HTML 経験者の XHTML 入門には「XHTML+CSSで書くホームページ構造デザインガイド」を、まったくの初心者には HTML を解説する「HTML とスタイルシートによる最新 Web サイト作成術」を勧めます。どうしても百科事典がほしい方は「HTML & XHTML 第5版」と比較検討してください。

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