Book Guide 2004-11-07

XHTML時代のWebデザインバイブル

アメリカ発の初級総合解説書。W3C の重要人物が執筆しているだけに、内容は信頼できます。しかし本書を日本の初級者に勧めるのは困難です。到達点が低いという意味では初級解説書ですが、敷居はむしろ高いといえます。初心者の卑近な興味に応えず、冒頭から技術的な都合で整理された説明で埋め尽くされています。

英語圏の読者を対象としているため、画像処理ソフトを入手できる Web ページに日本語版はなく、ソフトのインターフェースもヘルプも英語。本書のデザインやレイアウトも初心者にとっつきやすいものとはとてもいえず、さりとて中級者に資するほどの内容もない。Web サイト作成に挑戦したいすべての初級者を対象としたい、という訳者の意気込みとは裏腹に、誰も読みたがらない本となっているように見えます。

Web Monkey などを一読すれば気付くように、アメリカのテキストには語り過ぎの傾向があります。本書も例外ではなく、わかりやすく説明しようとするあまり多くを書き過ぎているのが大失敗。きちんと読めばたいへん勉強になりますが、大半の読者が途中で脱落するでしょう。XHTML の解説を圧縮し、配色・レイアウト・画像処理・ナビゲーションとサイトの設計などに、より多くのページを割くべきだったと思います。

HTML 経験者の XHTML 入門なら「XHTML+CSSで書くホームページ構造デザインガイド」を、初心者向けの総合解説書なら「HTMLとスタイルシートによる最新Webサイト作成術」を、XHTML の辞書なら「詳解 HTML&XHTML&CSS辞典」を勧めます。

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