レビューまとめ読み[101-150]

2004-06-27

XP対応 新基礎コンピュータ演習―Windows、Word、Excel、Access、PowerPoint、Internet、HTML

大学で情報リテラシーの勉強をしない学生はもはや存在しません。だから学卒はみな就職の面接で「パソコンを使えます」というのですが、その実際の能力を推測する資料となるのが本書です。

本書はわずか151ページで Windows、Word、Excel、Access、PowerPoint、Internet、HTML を解説してしまいます。常識的には考えられない構成ですが、半期10数回の授業で主要ソフトの基本操作を一通り教えたい、という無茶な要請に応えた結果、こうした変な本が登場することになったわけです。

ページの制約のため、解説は最小限、到達レベルはたいへん低めに設定されています。本書をマスターしたところで「わかっています」などといえたものではないのですが、学生自身はしばしば本当に勘違いしているので注意が必要です。

WWW で検索すると著者の Web サイトが簡単に見つかります。それを一目見れば、本書の到達レベルが理解できるでしょう。私は本書を一般の方にはお勧めしません。

HTMLハンドブック クイック・パワー・リファレンス

HTML の初級リファレンスです。紙面が非常に地味で、しかもページが多いのですが、内容が薄くしかも信頼性に欠けます。お勧めしません。

そもそも本書は構成が奇妙です。初歩の説明に続いて「ページ設定」の解説が延々と続くまでは理解するとしても、その次が「フォント」そして「マルチメディア(インタラクティブ)」という並びには驚きます。基本中の基本というべき p 要素を含む「レイアウト」はその後で、以降、「ハイパーリンク」「リスト」「テーブル」「フォーム」「フレーム」と続きます。本書の章題を援用すれば、W3C の勧告は「ページ設定」「レイアウト」「リスト」「テーブル」「ハイパーリンク」「マルチメディア(インタラクティブ)」「フォント」「フレーム」「フォーム」の順になっており、とくに前半部の順番には技術的背景があります。

著者があえて勧告の順番を崩し、重要な要素を後回しにしたのは、それが重要な要素だと気付かなかったからに他なりません。本書のサンプルには文法違反が散見され、著者が勧告を読んでいないことを推測させます。私は「プチリファレンスHTML」をお勧めします。

2004-07-09

はじめてでも使える!HTML&JavaScript活用テクニック

コピーアンドペーストで利用するタイプの Tips 集です。サンプルを使用する際の注意点がきちんと書かれており、よく読んで解説通りにコピペすれば、お望みの結果が得られるでしょう。なお JavaScript の解説書ではないので、本書を読んでも自力で Script を書けるようにはなりません。

本書のタイトルにある「はじめてでも使える」とは、初心者でもエラーに遭遇することなく「テクニック」を Web サイトに導入できるという意味です。「役立つ」という意味ではありません。本書に収録されている「テクニック」は、閲覧者のためにならない(害はないが意味もない)ものが大半です。つまらない派手な効果のために、かえって閲覧者の利便性を低下させるような「テクニック」もいくつかあります。

セキュリティなどのため JavaScript を無効化している環境への配慮が、ほとんど見られません。通常のリンクにしておけばよいところ、なまじ特殊効果を狙ったために JavaScript 無効の環境では特殊効果だけでなくリンクまで無効となってしまうサンプルがあります。

本書はきれいですし、そのコンセプトをよく満たす本ではあると思います。本書が紹介するような「テクニック」の良し悪しをさておけば、初心者向けの親切な Tips 集といえます。

CSS+HTML RECYCLE BOOK

CSS の中級解説書です。CSS は文法規則だけ見れば簡潔なものですが、組合せの工夫次第で自在に文書の装飾を制御できます。ところが、その自由度の高さゆえに、思い通りの表示結果をえるのは意外に難しいのです。

障壁の正体は主に2つあります。ひとつは理解不足です。多くの装飾指定が複雑に絡み合うとき、ついつい失念してハマりやすいポイントがあるのです。そしてもうひとつは、ブラウザの CSS 解釈が不完全なことです。CSS の利用を進めるなら必ずこの2つの障壁に行き当たり、初級解説書だけでは行き詰まることになります。本書はいくつかのサンプルの紹介を通して、多くの人が直面する文法の先に待つ問題をコツコツ解決していきます。

ありがちな障壁を突破するケーススタディを繰り返すことにより、自然と問題への対処法が身についてくる本です。網羅性には期待せず、問題解決辞典ではなく CSS の学習参考書[実践編]として通読されることを勧めます。紙が厚めで画面写真も大きい余裕あるレイアウトなので、本の大きさ・重さの割に読破は楽でしょう。

どちらかといえばプロ向きの本だと思いますが、趣味の方でも読む価値はあります。また「必携 HTML/CSS/JavaScript Webブラウザー互換性辞典」を併読されると、より理解が深まるのではないでしょうか。

2004-07-15

HTML演習―Webアプリケーション構築に必要なHTML・CSS・JavaScriptを学ぶ

Web サイト作成の初級解説書です。タイトルにある通り演習を軸とした構成を採用していますが、本質的には解説書です。90分×10時限(HTML:7時限/CSS:1時限/JavaScript:2時限)で学ぶ構成となっており、大学や専門学校における情報教育の教科書、パソコン教室のテキストとして採用しやすい本です。

大学教科書の出版社から刊行されている多くの類書と比較すれば、よい本です。著者の個人的体験に引きずられることなく、一般的かつ安定した内容ですっきりまとめられているからです。しかし私は本書を勧めません。本書の解説が一般に流布している HTML や CSS への誤解に依拠しており、仕様の意図をきちんと伝えていないからです。

本書を概ね代替可能な類書に富士通オフィス機器株式会社「HTMLによるホームページ作成」があります。また HTML と CSS を易しく正しく解説する傑作テキストとして「30時間でマスター インターネット2 HTML+メール」があります。タイトルは「30時間でマスター」ですが実際には15時間程度で速習できる薄い本なので、比較検討を強くお勧めします。

本書は自習にも使えますが、その場合には「HTMLとスタイルシートによる最新Webサイト作成術」などの自習用解説書を優先的に検討なさるべきでしょう。

図解 ひとりで作れるホームページ―すぐ引ける・そのまま使える・よくわかる

Web サイト作成の初級解説書です。まず HTML の重要部分を解説し、続いて CSS や JavaScript により表現を拡張します。HTML の解説を使用頻度の高いものだけに絞り、便利な DynamicHTML の解説に注力した実践的解説書……というコンセプトは悪くないのですが、著者が不勉強なため、解説には多くの難があります。

そもそも著者は HTML について不勉強で、本書のサンプルは全て文法違反を含んでいます。基礎基本を誤解した著者による「わかりやすい解説」は、読者を誤った解釈へと導きます。CSS の解説も同様です。著者が CSS の本質を見誤っているため、紹介されるサンプルは CSS を悪用したものばかりです。

さらに JavaScript の解説へ進み、DynamicHTML のサンプルがいくつか紹介されるのですが、読者はよく注意してください。本書に掲載されている DynamicHTML はほぼ全て、Web サイトの閲覧者のためになりません。あっても迷惑にならない、という程度のものが多いのは不幸中の幸いです。本来、閲覧者に何らかの利便性をもたらすために使うものなのに、本書は「クール」という言葉でごまかして無用の技術を押し売りしています。

やはり先々のことを考えるならば、解説書はきちんとしたものを選びたいものです。易しく正しい初級解説書「HTMLとスタイルシートによる最新Webサイト作成術」をお勧めしておきます。

図解 誰にも教えたくないWeb制作秘密のテクニック200―すぐに使えるCSS、CGI、JavaScriptのTips&裏技

初級者向けの Tips 集です。類書と比較して特徴的なのは、扱うテクニックの範囲が薄く広いことでしょう。タイトルの印象と異なり、高級な内容はほとんど扱っていません。本来なら体系立てて学ぶべき基本項目を、細切れのテクニックとして教る本なので注意してください。本書を読んでわかったつもりになるのは危険です。

本書は初級者には魅力的に見える様々な表現技法を紹介しますが、その基礎となる技術の核心をごまかしています。本来それらの技術が何を目的に開発され、正しくはどのように用いるべきなのか、について著者は嘘を書いています。小難しい話を避け、つまらないテクニックで初級者の気を引く本書は、あまり誠実な本ではないと思います。(ほとんどの類書にも同じことがいえます)

また本書の紹介するサンプルはいずれも HTML が非常にいい加減です。文法違反のないサンプルが1つもありません。そのほとんどは文法的に正しいサンプルで代替可能ですから、著者の不勉強は明らかです。

やはり初級者はきちんと基礎を固めていくべきだと思います。おかしな形で CSS 学習の第一歩を踏み出すことなく、「HTMLとスタイルシートによる最新Webサイト作成術」などの正統派の初級解説書で学ばれることを勧めます。

Webページ制作テクニック逆引き大全500の極意―HTML/CSS/Java Script&CGI活用編

中級の総合リファレンスです。ただし内容は相当に絞り込まれていますし、解説も多いとはいえません。タイトルは「極意」となっていますが、むしろ基本項目が中心です。500項目というのは多いようで少ないため、本書は網羅性の追求を放棄し、多くの人が興味を持つであろう項目を中心に扱っています。そのため、辞書的な本でありながら通読する価値があります。

タイトルに「逆引き」とあるように、本書の目次は用途・目的・結果から項目を探すよう工夫されています。しかし項目の順番は基本的に、それらの項目を実現する技術の内容に沿って決められています。そこで、ある項目について解説を読んだら、前後の項目にもチラッと目を通すようにすると、熟達が早いでしょう。

本書の解説には標準技術の観点からはまずい部分が多々あります。多少の配慮があるだけに残念ではありますが、各技術についてきちんと学びたい方には勧めません。今そこにある問題を、とりあえず解決するために活用されるとよいでしょう。といっても、プロ向きの本ではありません。ステップアップしたい素人の初級者などに勧めます。

紙面は地味ですし、紙質が厚く硬く、ブックデザインには疑問があります。幅広い技術を扱う編集方針にも賛同しかねる部分があります。けれども、面白い本です。

ホームページ・ビルダーVersion8であっとホームページ

HPB8 の初級解説書です。多くの類書と異なり、どこでも配置モードをベースとした解説を行っています。そのため、私はあまりお勧めしません。

どこでも配置モードは入門者にもとっつきやすい代わりに、互換性・拡張性に欠け、マスターしても「その先」につながりません。ですから、多くの初級解説書では導入部の解説でどこでも配置モードを紹介し、Web サイトの基本概念を理解したところで標準モードをベースとした解説へ移行します。

ページの少ない入門書ならばともかく、本書のように HPB の全体像を明らかにする初級解説書において、標準モードを解説しないことには疑問を感じます。美しく読みやすいブックデザインとていねいな解説からなる本書は悪い本ではありません。しかし値段と分量を勘案するならば、「できるホームページ・ビルダー8」などの他書の検討を勧めます。

ただし「先」を考えなくていい場合には、本書は有力な選択肢です。どこでも配置モードで満足されるなら、標準モードを主に解説する本は学習負担が大きいからです。また、SCC からは「今日からはじめるやさしいホームページ作り―ホームページ・ビルダー8」という入門書も刊行されています。目的に合わせて選択されるとよいでしょう。

ホームページ・ビルダーでネットショップオーナーになろう!―ホームページ・ビルダー8対応 開店からパワーアップまで、ショップ制作虎の巻

HPB8 の利用を前提としたオンラインショップ構築の総合解説書です。初めての Web サイトでネットショップを始めようという方々を想定読者層とし、初歩的なことからていねいに解説した入門書です。

ソリューション志向を高めた HPB8 は、オンラインショップを簡単に構築できる機能を搭載しました。構築の既刊解説書が Web サイト製作の経験者を対象としてきたのは、オンラインショップに買い物カゴなど高度なシステムが必要だったからでした。HPB8 の登場により、ショップ開設の敷居はかなり下がったといえましょう。本書はそうした状況を踏まえて刊行された、タイムリーな一冊です。

本書が主に解説するのは Web サイト製作の作業です。オンラインショップには通常の Web サイトにない様々な機能が必要とされるため、学ぶべきことが豊富にあります。本書は一見、薄く見えますけれども、解説が濃いので注意してください。逆に、オンラインショップの運営ノウハウなどの記述はあっさりしています。しかしオンラインショップの基本的な概念や管理運営の基本的なやり方については一通りの解説がありますので、とりあえず心配はいりません。

なお、本書はあくまでも入門書ですから、既にオンラインショップを開設されている方は購入前にその必要をよく検討されることを勧めます。

2004-07-17

お気楽Q&A HTML

HTML の初級解説書です。小さな版型、余白が多い単色刷の地味な紙面、そして軽薄な語り口。本書はその文体と同様に内容も軽薄です。「楽しく・わかりやすく」を合言葉に、イメージ優先で根拠のない断定を繰り返しますから、私はお勧めしません。

趣味の Web サイト作成においては、HTML の学習に深入りせず重要部分だけ学ぶべきだ、という本書の主張は正しいでしょう。しかし、何が HTML の基礎基本か、という部分で私は著者と意見を異にします。一部のブラウザにおける表示結果だけを重視する解説は砂上の楼閣であり、わかっているようでわかっていない人を増やすだけです。

本書は HTML の解説に最も多くのページを割いていますが、その他にも Web サイトの作成において多くの人が感じるであろう疑問に多く答えています。軽い1冊ながら幅広い技術の要点をかいつまんで高い到達点まで導く本書は、よいコンセプトを内包しています。それだけに、随所に見られる著者の不勉強は残念です。

HTMLとスタイルシートによる最新Webサイト作成術」や「プロが教える!!初心者のためのホームページデザイン教室」などの易しく正しい解説書の優先的な検討を勧めます。

Web design (2004)

プロ向けの Web デザイン年鑑です。タイトルは2004となっていますが、2002年後半から2003年にかけて開設またはリニューアルされた Web サイトを中心に紹介しています。

主要サイトは2ページ、大半のサイトは1ページで紹介されます。紙面の多くをスクリーンキャプチャ(3枚程度)が占め、デザイン解説は200字程度、担当者のコメントは100字×2人と簡潔、さらに企画書の概説のような紹介文が400字程度付されているものの、これはとくに参考になる情報ではありません。

デザインの勉強を目的に購入されると、内容の薄さにがっかりされるでしょう。また紹介される Web サイトの大半は堅実なものであり、ファッションショーのようなトレンドの先端を知る目的にも適しません。本書の用途は、積極的に運営・更新されている企業の公式サイトを年鑑形式で紹介するというコンセプトから自ずと理解されましょう。パラパラと眺めることで、「お仕事で作る Web サイト」の緩やかな変化の流れを掴むのです。

2002年から3年続けて刊行されていますので、興味のある方は全てそろえることをお勧めします。ただ、本冊だけ買っても、何割かの Web サイトについて紹介されているページビューの数字は話のネタになりそうです。

そのまま使えるWebデザイン―HTMLサンプルフォーム集

Web サイト作成の入門書です。HTML についてろくに勉強しなくとも、本書のサンプルをコピーアンドペーストすれば、従来は初心者が実現に頭を悩ました様々なタイプの文書を簡単に作成できる……というコンセプトをよく実現した本です。

逆引き事典は「フォントの色を変える」「表の行に背景色を指定する」といった部分レベルの装飾方法しか紹介せず、デザインテンプレートはレイアウト案はたくさん示し、Tips 集は派手な表現方法を無数に紹介するが、「診断テスト」「Q&A」といった具体的な目的の実現方法は教えてくれない。特殊な技術は必要ないだけに、ソリューション志向の HTML サンプル集は解説書の空白地帯となっていました。

しかしながら、類書が少ないことには理由があります。例えば、「Q&A」の HTML ソースはこれだ、という決定版は存在しません。見出し、段落、箇条書きなど、HTML の仕様に定められている要素を除けば、表現方法にはかなりの自由度があるのです。だから多くの著者は、目的と表現を切り離して表現だけを解説するのです。

HTML や CSS をきちんと学べば本書の紹介するようなサンプルは自分で発案できるようになります。逆に本書のサンプルから HTML をきちんと理解することは(いくつかの工夫にもかかわらず)不可能でしょう。私は「HTMLとスタイルシートによる最新Webサイト作成術」など基礎技術をきちんと教える本をお勧めします。

30時間でマスター Webデザイン

Web サイト作成の入門テキストです。パソコン教室や専門学校、あるいは大学の授業のテキストに利用するのに向いた構成となっています。薄い本に幅広い内容を詰め込んでお得な感じです。FLASH まで扱う点で本書のコンセプトは凡百の類書を突き抜けており、100%代替できる書籍がないのですが、私は本書をお勧めしません。

著者は HTML を特定のブラウザ上で何らかの表現をするための道具として扱います。スタイルシートも JavaScript も FLASH も、HTML の表現力不足を補うために用いるのだ、と解説します。これは非常にありがちな誤解で、Web デザインの基礎基本を見誤らせるものです。本書の解説の順序、サンプルの妥当性にも疑問を感じます。

わずか175ページで幅広い技術を紹介するのだから、いずれも初級または入門レベルに留まるのは当然でしょう。けれども、難しい説明を省略することと、わかりやすさのためと称してウソの説明をすることは異なります。到達点は低くとも、方向性だけは正しくすべきでしょう。

テキストなら「30時間でマスター インターネット2 HTML+メール」を、自習用解説書なら「HTMLとスタイルシートによる最新Webサイト作成術」を勧めます。いずれも扱う内容は本書よりも狭いですが、信頼できる解説書です。

Webデザイナーの「どうしよう」はこれで解決!―Webデザインでお悩みのあなたに

中・上級者向けの Tips 集です。MdN 増刊から月刊誌に昇格した「Web Creators」から人気連載と好評の特集記事をカットアウトしたのが本書です。プロ仕様のため、解説は実務のツボを押えた最小限のものですから注意してください。その代わり収録 Tios 数は多く、雑誌を講読していない方には大変お得です。

CD-ROM ではなく Web サイトからサンプルデータをダウンロードする方式となっているのですが、全サンプルを収めた圧縮ファイルは公開されていません。ブロードバンド利用が常識となっているプロにとって、ローカルドライブと Web サーバへのアクセス時間が体感ではほぼ同じだからでしょう。しかしナローバンドの利用者は、一括ダウンロードツールなどを用いて全サンプルを手元においておくことを勧めます。

本書の紹介する Tips のいくつかは敷居の高いものです。とくに画像処理は簡単そうに見えても再現には相応の技術を要します。要点の解説といくつかの画面写真だけみてずぶの素人が真似できるものではありません。趣味の方は、そのあたりを割り切って購入されることを勧めます。

2000/Me対応 新基礎コンピュータ演習―Windows,Word,Excel,PowerPoint,Internet,HTML

大学もしくは専門学校での利用を想定して編まれた情報教育の初級教科書です。Windows,Word,Excel,PowerPoint,Internet,HTMLと幅広い内容を扱いながら159ページしかない本書は、いずれの技術・ソフトウェア操作法の解説も非常に低いレベルに留まっています。Word のスタイル機能も PowerPoint のスライドマスタも教えず、HTML も基本を誤解させ皮相な知識だけを与えます。仕事で使い物になるレベルの本ではありません。

低いレベルで用が足りる一方、PowerPoint の使用法まで知る必要があるのは学生くらいのものです。半期10回程度の授業で多くをあっさり教える(学ぶ)には便利な本でしょうが、一般の方は各分野毎に解説書を選ぶことを勧めます。例えば「30時間でマスター インターネット2 HTML+メール」など。

ちなみに WindowsXP に対応した改訂版が刊行されていますけれども、内容は進歩していません。

30時間でマスター インターネット2 HTML+メール

インターネットの活用法、Web サイト作成、情報倫理を扱う入門テキストの傑作です。大学・専門学校・パソコン教室などのテキストとして編纂されていますが、自習書としても使えます。廉価で薄い本ながら内容は充実しており、付属の CD-ROM も便利です。

本書の特徴は類書にほとんど例のない正確で本質的な解説です。生真面目な本ですが、HTML は正しい解説の方が明快でわかりやすい、という仮説を立証する内容です。端的な解説はさらっと読めて理解も進むでしょう。紙面はフルカラーで文章の可読性も十分ですが、大きな版型の割にレイアウトが窮屈なのが少々残念です。しかし本書は、自習用解説書を含めても現在最もお勧めできる入門書のひとつです。

テキスト用途の傑作入門書は他に「標準Webデザイン講座 基礎編」がありますが、こちらはプロを目指す方向けです。自習用解説書には「できるホームページHTML入門」「プロが教える!!初心者のためのホームページデザイン教室」などがあります。比較検討されてもよいかもしれません。

本書のタイトルは「インターネット2」となっていますが、既刊の「インターネット HTML編」「インターネット FrontPage Express編」「インターネット―体験ネットサーフィン!!ホームページを作ろう!!」とは関連がありません。既刊3冊は内容が古くお勧めできないことを付言しておきます。

2004-07-18

はじめてのWebプログラミング―一気にマスター!HTML・JavaScript・CGIの基本の基本

Web サイト作成の入門書です。タイトルに「基本の基本」とあるように、非常に低い到達点を狙っています。それでいて HTML に加えて JavaScript や CGI まで紹介してしまおうというのですから、珍しいコンセプトを持った本といえます。

本書はたしかに初心者にもとっつきやすく読みやすく、他の解説書に挫折した方にも読めそうな感じはします。ただ、それは多くの書籍の中盤以降をバッサリ落としているから……でもあります。

根本的な問題として、本書は HTML について初心者が陥りがちな誤解を解説に取り込んでしまっています。たしかに一定以上のレベルに達しない限り、読者はこの誤解が招く不幸を実感できません。そして誤った解説の方が直感的にはイメージしやすいので、著者はこうした選択をしたのでしょう。けれども逆に、正しい解説は論理的ですっきりしています。そして先へつながります。

できるホームページHTML入門」「30時間でマスター インターネット2 HTML+メール」など、易しく正しい入門書と比較検討されることを進めます。

Webデザインの基礎

Web サイト作成の入門書です。大学や高専のテキストとして編纂されています。内容に問題があり、薄い本の割に値段も高く、一般の方には勧めません。

高等教育機関の教官はアイデア豊富である一方、知識・教養の偏りのため独善に陥りがちです。本書は JavaScript より学習しやすい、という理由で VBScript を紹介するのですが、通常 Web デザインの入門書としてこの選択はありえません。Windows 機以外は基本的に VBScript の実行環境を搭載していません。学習負担に大差ない以上、WWW でデファクトスタンダードとなっている JavaScript を教えるのが妥当です。

本書はこうした偏った解説で全編が貫かれており、随所に著者独特の意見が忍び込んでいます。少ないページに要点を整理して詰め込み、薄い本で多くの内容を解説するスタイルも含めて、良くも悪くもいかにも日本の教科書らしい本です。紙面はモノクロで素気なく、とっつきにくい感じがします。まずワークフローを解説し、続いて素材の準備を説明、そして HTML を紹介する展開は素晴らしいだけに、残念です。

講義用のテキストをお探しの方には、易しく正しい入門テキスト「30時間でマスター インターネット2 HTML+メール」の検討を進めます。自習用解説書をお求めの方には「HTMLとスタイルシートによる最新Webサイト作成術」を勧めます。

30時間でマスター インターネット HTML編

インターネット活用の総合入門テキストです。タイトルは HTML 編となっていますが、実際にはブラウザの起動と WWW の利用、インターネットの基礎知識やメールの使い方など、幅広い内容を扱っています。WWW の利用経験などを問いませんので、パソコン初心者を対象とした講習のテキストとして、安心して採用できます。

本書の欠点は、HTML の解説にあります。90年代の遺物というべきレガシーな手法を未だに温存しており、「dd 要素で左インデント」など、基礎基本の概念を誤解させる無茶な記述であふれています。

幸い、本書を完全に代替するテキスト「30時間でマスター インターネット2 HTML+メール」が発刊されています。こちらは素晴らしい内容となっていますので、新しい方を購入されることを勧めます。

HTMLデスクトップリファレンス

HTML4 の中級者向けリファレンスです。各要素の仕様について簡明に要点をまとめた本です。わかっている人の確認用であり、初級者の学習には向きません。HTML4 をベースとしており、現在では内容不足が気になるところではないでしょうか。

XHTML1.1 までの標準仕様を完全収録し、主要ブラウザの独自拡張も紹介する類書「標準HTMLパーフェクトリファレンス」との比較検討を勧めます。

1日で解るHTML―WWWの基礎からCGI、JavaScriptまで

Web サイト作成の入門書です。講義・セミナーの教科書・テキストを主な用途として編纂されており、半期または集中講義2〜3日間程度で学習できるよう配慮されています。

本書は HTML4 と XHTML1.0 への「対応」を謳っていますが、「準拠」ではないので注意が必要です。HTML を駆使して「表現力豊かな」Web ページを作成しよう、というコンセプトに錯誤が存在し、本書の解説を間違った方向へと導いています。各要素の入れ子ルールにも無頓着です。著者は文書構造を明示するという HTML の基本的な役割を軽視し、HTML の学習を複雑にしています。

1997 年の年末に HTML4 が勧告され、HTML の技術的混乱は仕様のレベルでは清算されました。本書は新しい指針をないがしろにし、97年版の基本方針を温存した内容の古い本です。本書を読んで「わかったつもり」になるのは危険です。

これから学ばれる方には、易しく正しい解説書を利用してほしい。テキスト用途には「30時間でマスター インターネット2 HTML+メール」、自習用途には「HTMLとスタイルシートによる最新Webサイト作成術」の検討を勧めます。

ウェブログ超入門!

ウェブログの初級解説書ですが、中級者にも勧めます。「何をどう書けばいいのか」という運営・更新の解説に注力した解説書ですが、レンタルブログの始め方、基本的な活用法、初心者が躓きやすい点についてきちんと押えていますから、ウェブログ入門はこの1冊で十分足ります。

第1章でウェブログの定義と魅力を紹介し、第2章でライブドアブログを例にウェブログのはじめ方と使い方の重要部分を詳細に解説、第3章で運営・更新のポイントを解説します。初心者の方でも、ここまで読めば十分にウェブログを楽しめるでしょう。項目を絞り、それぞれに十分なページを割いた解説は、入門者が必要とする範囲においては、多くの技術系解説書よりも各技術の基本概念をよく伝えています。

しかし本書の真骨頂は後半4〜6章です。外国語が堪能で日頃から広い視野で情報収集に努めている著者の本領が発揮され、世界各国のウェブログ事情を踏まえた注目すべき解説が詰まっています。中級者にも一読を勧めます。逆に初心者には少々オーバースペックなのですが、慌てて読む必要はありません。まずはウェブログを楽しみ、その後、ふと思い立ったときに読んでも遅くありません。

読了後に読者が繰り返し参照するのは、多くの人が遭遇する問題・疑問に著者自身の経験を踏まえて回答した第4章でしょう。著者の示す「正解」には賛否両論ありますが、いずれも無難な線なので安心できます。

2004-07-19

ウェブログ入門−BloggerとMovable Typeではじめる【CD-ROM付】

ウェブログの中級解説書です。本書は日本におけるウェブログ解説書の嚆矢となった1冊ですが、現在もその充実した内容は色褪せていません。

本書が刊行された当時、ウェブログ(ツール)の主な利用層は中級者でした。国内にレンタルサービスがなく、CGI を設置できるレンタルサーバの利用者か、英語に抵抗のない方にしか、扱えないものだったのです。この時代背景のもと、本書は従来の Web サイト制作手法からの「乗り換え需要」を見込んだ解説に注力しています。そのためウェブログ(ツール)の利点と活用法について充実した考察が用意されており、読み応えがあります。

(刊行時期の問題で)レンタルブログの紹介がない他、マニアックな記述が散見されるため、初心者には勧めません。また多くの紙面を割いて解説されている Blogger と MovableType は本書発刊後に大幅にバージョンアップしており、解説の記述にそぐわない部分が多々ありますので注意が必要です。

入門者には「誰でもできる 無料ではじめるウェブログホームページ」、旧来のウェブ日記・テキストサイト文化に造詣のない初・中級者には「ウェブログ☆スタート!」の比較検討を勧めます。

ウェブログ☆スタート!

ウェブログの初・中級解説書です。ツールの選び方から開設・運営まで、必要な情報をわかりやすく解説しています。とくにウェブログの何が新しいのか、どう使うと面白いのかについて詳しく、ウェブログのある生活をイメージできます。紙面は単色刷で地味ながら上品なデザインで読みやすく、お勧めできます。。

第1章で多彩なウェブログの形態を提示し、第2章で「ある女の子のブログライフ1週間」をシミュレーション(レンタルブログサービス TypePad の英語版を利用)、第3章でウェブログ運営のメリットを解説、第4章で上手な運営のコツをまとめ、第5章で様々なツールとサービスを分類・整理して紹介、第6・7章で MovableType の設置とカスタマイズを説明……これほど内容豊富な解説書は他にありません。

本書の欠点は、国内の各種ブログサービスが出揃う前に刊行されたことです。本書の紹介する海外サービスの多くは現在、国内に同等のサービスが登場しており、英語の壁は既にありません。MovableType も TypePad も日本語版が提供されています。こうした状況の変化に困惑しかねないため、入門者には勧められません。

しかし一定以上の問題対処スキルを有する方には、「何をどう書くか」というウェブログ最大の難関に取り組んだ本書は、今も最良の選択の一つです。改訂版にも期待したいところです。

はじめよう! みんなのブログ

ウェブログの入門書です。とくに2004年に入ってからというもの、月刊 Internet magazine はウェブログの特集を繰り返し組んできました。現在、最もウェブログに詳しい雑誌編集部が取材の集大成としてボリュームゾーンである初心者層に向けて送り出したのがこのムック本です。

巻頭インタビューでブログを運営中の著名人がその魅力を語り、続いてお勧めのブログとレンタルブログサービスを紹介、そしてブログのはじめ方を解説する……という流れは非常によく考えられており、各記事もよく整理され読みやすいものとなっています。初心者でも楽しく簡単にブログ生活をスタートできるでしょう。

後半にはアフィリエイト入門や CSS によるデザインカスタマイズなどを押えており、ブログの今後を占う特別対談も収録されています。CD-ROM の内容は薄いのですが、内容の割に価格は安く、ウェブログ入門の決定版といってよい楽しい1冊です。お勧めします。(既にウェブログを運営されている方には物足りない内容かもしれません)

土・日でマスター HTMLホームページの作り方

Web サイト作成の入門書です。パソコンの初心者も問題なく読み進められるよう配慮された親切な解説、学習者が流れを見失わないよう工夫されたレイアウトと構成、フルカラーの美しい紙面と上質なブックデザイン、よくできた解説書です。

速習型の構成となっており、前半4章でテーブルレイアウトやフレームまで到達してしまいます。しかしながら、内容の大胆な整理と流れを重視した解説のため、無理に詰め込んでいる印象はありません。ごく自然に学習を進められるでしょう。後半では Web サイトの公開、画像作成の基礎などを学びます。

欠点は、HTML の解説が技術仕様の方向性と異なっており、初心者の誤解に依拠したごまかしが多く見られることです。「HTMLとスタイルシートによる最新Webサイト作成術」などの易しく正しい解説書を優先的に検討されることを勧めますが、本書はしかし、魅力的です。

これでバッチリ!ホームページ作り HTML編

Web サイト作成の初級解説書です。A5版215ページのコンパクトな本ながら、大胆な整理と絞込みによる速習解説スタイルを採用しているため、かなり高い到達点が設定されています。読み飛ばすことなく、きちんと読んでいけば、短時間で多くを学ぶことができます。

抽象的な概念をきちんと伝えようとする著者は、図解だけに頼らず文章による解説を軸に据えています。しかし要点のよくまとまった端的な説明が心がけられていますから、文章が苦手な方も安心です。サンプルが CD-ROM に収録されているのも便利です。紙面は見やすいのですが、少し紙質が硬く本が閉じやすい印象があります。

本書の欠点はレガシーな HTML によるレイアウト手法だけを解説していることです。諸所の事情から致し方ない面はありますが、少々残念です。「30時間でマスター インターネット2 HTML+メール」「HTMLとスタイルシートによる最新Webサイト作成術」など、易しく正しい解説書との比較検討を勧めます。

2004-07-29

HTML&CSSマスターブック―for Windows&Macintosh

HTML と CSS の初級解説書です。表紙を除いて「速効!図解」シリーズとほぼ同じ構成・レイアウトを採用しており、フルカラーで美しく流れを見失いにくい紙面となっています。また初歩からていねいに説き起こした正統派の解説にも十分に信頼が置けます。

従来、HTML や CSS を正しく解説する本は初心者はには理解し難い、といわれてきました。著者は速効!図解シリーズで「ホームページ作成」本を2冊刊行していますが、いずれも初心者向けのごまかしが多いのはそのためです。しかし近年、古い常識を打破する傑作が次々と登場しています。

インプレスは「できる」シリーズで正統派の入門書を刊行しました。毎日コミュニケーションズは本書の「速効!図解」シリーズからの刊行を見送りましたが、これはプレテストでしょうHTML も CSS も最初からきちんと学ぶ方が理解しやすい、という初級解説書の新常識を決定付ける1冊として、私は本書をお勧めします。

ただし本書は HTML と CSS の説明に特化しており、Web サイトの作成に必要なファイル転送や画像作成の解説はありません。Web サイト作成の入門書をお探しの方は「プロが教える!!初心者のためのホームページデザイン教室」「HTMLとスタイルシートによる最新Webサイト作成術」などをご検討ください。

そのまま使えるスタイルシートサンプル集

CSS の初級リファレンスです。中級者の本格的な学習には「詳解 HTML&XHTML&CSS辞典」「CSS2スタイルシート大辞典」など仕様書の面影の残るリファレンスを勧めますが、実用レベルでは本書1冊で中級者の需要にも対応します。

収録項目を絞りサンプルの解説を充実させているのが特徴です。CSS2 の仕様は幅広いのですが、ブラウザの対応が追いついていません。本書は CSS2 の実用範囲をほぼ完全に収録しており、類書にない詳細かつ現実的なサンプル+解説を通して、きちんと CSS の活用法を学ぶことができます。

紙面はいくぶん情報過多の印象がありますが、フルカラーで端正なデザインは美しく読みやすいでしょう。自信を持ってお勧めできる1冊です。

CSS2スタイルシート大辞典

CSS の初級リファレンスです。仕様書の意図を汲んだ解説となっており、サンプルに信頼が置けます。ブラウザの対応状況やありがちな問題への対処法の解説が詳しいことも美点です。また IE の独自拡張についても、それが独自拡張であること、その使用のメリット・デメリットを断った上で詳細に解説しています。

本書は中級レベルに踏み込んでおりプロの使用にも耐える良書ですけれども、CSS の仕様をきちんと学びたい方には勧めません。良くも悪くも実務寄りに編集されているため、項目の立て方が用途優先となっているためです。「詳解 HTML&XHTML&CSS辞典」が独自拡張をほぼ無視し、逆にどのブラウザも実装していないプロパティも淡々と紹介すること、必ずプロパティ単位で項目を立てることとは対照的です。

初級リファレンスと割り切って利用すれば、十分に満足できると思います。類書「そのまま使えるスタイルシートサンプル集」と比較検討されることを勧めます。

スタイルシート辞典

CSS の初級リファレンスです。本書は CSS の全貌を紹介することではなく、CSS の主な装飾機能を多く紹介することに注力しています。プロパティで項目を立て、主な値との組合せをまとめて紹介するのではなく、特定のプロパティと値の組合せを項目に立て、こうすれば**できる、と解説しているわけです。これでは CSS を体系立てて理解することは不可能で、バラバラの知識を片端から覚えていくことになります。

本書がこうした構成を採用しているのは、CSS を HTML 文書におまけ的な彩りを添える技術と認識しているからです。背景色を指定したい、文字の大きさを変えたい、等々、思いつきで装飾を追加していくことを想定しているので、CSS をきちんと学ぶ必要性を感じていないわけです。しかし本来、CSS は多くのプロパティを組み合わせて文書全体の「スタイル」を提供する技術です。バラバラの知識の寄せ集めでは、これは実現できません。

本書はたしかに、入門者には見やすくわかりやすいのでしょう。しかし先につながらない本でもあります。サンプルのマークアップに div 要素と span 要素が濫用され HTML への誤解も招きかねません。CSS をきちんと学べる初級リファレンス「そのまま使えるスタイルシートサンプル集」との比較検討を勧めます。

2004-08-04

超図解 ウェブログでつくるホームページ入門

ウェブログの入門書です。豊富な図解で、初心者がつまずきやすい箇所もスイスイ理解できるでしょう。お手軽に自分の Web サイトを作りたい方にもお勧めできます。

本書は入門者向けに、手軽にはじめられるレンタルサービスの活用法を解説しています。紹介されるのは「はてなダイアリー」「livedoor Blog」「ココログ」「楽天広場」の4サービスで、とくに「はてなダイアリー」については、登録から使い方まで幅広く解説しています。その他の3サービスについては、それぞれの特長と登録方法、日記の書き込み、編集などの基本的な使い方について解説しています。

本書は7月に発行されたばかりですが、8月3日に「楽天広場」のシステムが大幅に更新され、解説の一部が既に古くなっています。「はてなダイアリー」も中程度の更新が行われており、「livedoor Blog」「ココログ」も小さな修正が入っています。ウェブログサービスはバージョンアップが多いので気をつけてください。

バージョンアップしても一部の機能が変更になるだけなので、本書の購入を必要以上に不安視する必要はありません。しかし、本に掲載されている画面写真と現在の状況の差異は、ある程度こうしたサービスに慣れていない方にとって混乱の元になります。ご注意ください。

補記:なぜか Amazon はこのレビューの後半を省略して掲載した。ただしこれは私が投稿操作をミスした可能性もある。

完全無料で作るワンランク上のホームページ

雑誌の別冊として刊行された、Web サイト作成の総合解説書です。この手のムック本が大抵そうであるように、本書も少ないページに大量の情報が詰め込まれています。通常の書籍の2〜3倍の濃さですから、きちんと読み進む基礎力のある方にとってはお買い得な一冊といえましょう。

中・上級者向けとされているものの、取り上げている内容のひとつひとつはそれほど高級なものではありませんから、本書は初級者にも活用できます。しかし JavaScript の改造や SEO など解説が多岐に渡るため、一気に全部をマスターしようと考えず、気長に取り組むことが肝要でしょう。

また本書は、便利なフリーソフトを多数、付録 CD に収録しています。ウェブログの解説の中でローカルサーバの立て方を説明するなど、意欲的で面白い記事もあります。多くの著者の共著で解説に一貫性がない、レイアウトも内容も詰め込みすぎの感がある、といった難点はありますが、全体としては至れり尽くせりの贅沢な一冊だといえます。

にもかかわらず私が本書に辛い評価をつけるのは、実用志向で各技術の本質を解説しない編集方針に賛同しないからです。実用志向だからといって今すぐ役立つ説明だけが正解ではありません。問題が高度になっていけば結局、本質的な理解が問われます。とはいえ、実際にはほとんどの人はそうしたレベルに達しませんので、本書に満足できるでしょう。

ホームページリフォーム大作戦―必ず行列ができる!

Web サイト作成の中級解説書です。A5版で単色刷の紙面という地味な本ですが、内容は充実しています。

HTML を正しく使うメリットを説き、テーブルレイアウトから CSS デザインへの移行を解説しているのが興味深いところ。ナビゲーションの工夫や画像の扱いのポイント、アフィリエイトに SEO と、いささか総花的ですが、いずれも入門〜初級の内容をすっきりまとめており好感が持てます。

本書の欠点は、タイトルに反してアクセス向上本としては弱いことです。本書が解説する内容のほとんどは「訪問客に嫌われないようにする」テクニックであり、「訪問客を増やす」テクニックは僅かです。本書の主眼は趣味またはその延長上で運営されている Web サイトのリフォームを支援することです。アクセス向上が生活に直結する方には、「ホームページ集客を利益に変える成功方程式」など、その道の専門書を勧めます。

また HTML やファイル転送など重要な初歩的項目は前提知識として省略されているので、Web サイト自体を初めて作る方には勧めません。

マイ・ホームページ・スタイル テイスト別Webデザインアイデア集

プロ向けの素材作成練習帳です。6つのお題に対して1流のプロたちがどのような回答を示したか、そして各素材はいかにして作られたか、この2点に注目して読み進めていくと勉強になるでしょう。作例の解説は要点を絞っているのであっさりして見えますが、自分でやってみると、そう簡単ではないことに気づかれるはずです。解説を読んだら、その他の素材について自力で再現できるかどうか、試みてはいかがでしょうか。

本書は上質の素材集としても使えるわけですが、752点収録で2415円という値段は、素人向けではありません。勉強目的ではなく素材がほしいだけなら、同じ価格で2000点以上の素材が買えますので、趣味の方には趣味の方向けの本を勧めます。とくに通販の場合、気に入る素材があるかどうか事前に確認できませんから。

図解で作るホームページ活用術

Web デザインの中級解説書です。図解を中心に Web サイトを構築することを説く本書ですが、最大の欠点は、著者の Web サイト「久恒啓一図解ウェブ」の人気が平凡だということです。図解と無縁の私の Web サイトの方が10倍も多くの訪問客を集めています。

客観的データの提示を喧伝していますが、結局のところ、著者の勧めるような図解が高い効果を上げることをズバリ証明するデータは出てきません。たぶん素晴らしいのではないか、という予断を導くデータがあるだけです。著者には自分や知人の体験・感覚を安直に一般化する傾向があります。図解と無縁の Web サイトに著者の体験とは比較にならない大成功を収めた実例が多々あるのに、それは知らんぷり。

読物としては面白いですし、証拠となるデータの欠落はあれど著者の意見に一定の説得力があるのも事実でしょう。しかし本書の内容を真に受けるのは、いかがなものでしょうか。著者の主張は足元が怪しい、という事実はきちんと押えておくべきだと思います。

フリーで使えるホームページ素材集 Windows & Mac

「フリーで使えるホームページ素材集 Second Edition」シリーズの第2巻として刊行された、アマチュア向けの Web 用写真素材集です。加工しないで使うことを前提として仕上げられており、そのまま簡単に用いることができます。2700点以上の素材をさっとカタログで調べて CD-ROM から落とす、という手順は簡単かつ便利で、いったん慣れてしまうと Web から探すのはかったるくなります。

Web で探せば無料の素材がいくらでも見つかるわけですが、プロがそうした無料の素材を滅多に利用しないことには多くの理由があります。アマチュアであっても、やはり時間と手間を考えるなら、本書の値段は決して高くないと思います。

ただし、2700点という数字は必ずしも大きなものではありません。私はかれこれ数万点の素材を所有していますが、それでもお望みの画像がみつからないことがあります。ただ、無茶をいわなければ、相当程度の需要は満たせるはずです。また Web で無料画像をチェックする手間を想像すれば、2700点も調べないうちに疲れて妥協することになると予想がつきます。

写真集として眺めて楽しむのも本書の使い方のひとつかと思います。興味深い1冊です。

Z式マスターホームページ・ビルダーVersion 8―ウィンドウズ版

HPB8 の初級解説書です。本書は操作手順をすべて図解しているため、たくさんの画面写真と解説の吹き出しが大きな紙面を埋め尽くしています。パッと見には、非常に情報量が多く見え、ごちゃごちゃとした印象さえ受けます。しかし実際に作業しながら解説を読み進めると、本書の親切さに感動されるでしょう。

本書は大型本でありながら200ページ以上もあり、しかも紙面には情報がぎっしり詰まっていますから、しっかり読み込めばかなりの知識が得られます。というと初級者の方はしり込みされるかも知れませんが、安心してください。本書は、途中で放り出しても問題ないよう、螺旋階段を上るような構成になっているのです。序盤をきちんと読めば、最低限の内容は身につきます。中盤を読み込めば、標準的な操作をマスターできます。最後まで読めば、応用領域にも手が届きます。類書には珍しい構成といえましょう。

本書の構成は、見方を変えれば欠点ともなります。同じ技術領域の話題がレベル別に分断されるわけですから、ある種の操作を基礎から応用まで概観するには向きません。当然、目次もすっきりしません。しかし、初級者は何かと挫折しやすいものです。最後の章まで読まねば Web サイトが完成しない本より、本書を選ぶ方が現実的ではないかと思います。

初心者のためのホームページNinja 8 for Windows入門

Ninja8 のほぼ唯一といっていい解説書です。Ninja ユーザには本書を選ぶ他に有力な選択肢はありません。しかし幸いなことに、本書は公式ガイドブックにしては珍しく、初心者にもとっつきやすい紙面・解説となっています。

到達点は低めに設定されているので、ベテランユーザには読むべきところがほとんどないかと思いますけれども、初心者には有意義な1冊です。ソフトに付属するマニュアルやヘルプが物足りない方には、検討する価値があるでしょう。

ぜったいデキます! ホームページ作り

中高年の超初心者向けの解説書です。ようやく、こういう本が登場してくれました。最近、Web サイトを作るためにパソコンを買う方がいらっしゃいます。しかし Web サイト作成の解説書は、パソコンの電源の入れ方や文字入力の仕方は教えてくれません。そのため目的地へ到達するまでに何冊もの本を買って読まねばならず、「やっぱり無理だ」と匙を投げることにつながっていました。

本書は、パソコンに初めて触る方がレンタルウェブログサービスのココログを利用してホームページを作成・運営するまでの全ステップをやさしく解説した、画期的な1冊です。フルカラーの紙面に大きな画面写真と大きな文字、視力の低下した中高年の方にも安心です。ただし言葉遣いや漢字の使用は標準的(ルビはない)ですから、小学生向けではありませんのでご注意ください。

スタートラインを前提知識ゼロに設定し、登攀角度も極限まで緩やかにした本書は、当然、到達高度も類例のない低さになっています。しかし最初の1冊は、これでいいのだと思います。中高年向けのパソコン入門教室の教材にも最適ではないでしょうか。

ウェブログ・デザイン

ウェブログの見た目のカスタマイズをテーマとした初級解説書です。特殊用途に特化しており、HTML や CSS の勉強には向きませんのでご注意ください。

本書は角丸テーブルを実現する方法としてテンプレートに文書構造上意味のない div 要素や img 要素を付加する手法を紹介しています。テンプレートに従って大量の文書を自動生成するウェブログツールの機能が、非効率な HTML の記述を許しているのです。しかし静的生成の場合、こうした手法を採用する限りデザインを変更するたびに HTML に手を加え再構築しなければなりません。

本書はココログをベースに解説しており、ココログが採用したシステムの原点である MovableType にもオプション対応しています。HTML や CSS をきちんと教えていないため、MT 系以外のウェブログツールに解説を応用するのは簡単ではありません。

MT 系ウェブログツールの見た目のカスタマイズに特化した書籍としては悪くありません。しかし小手先の技術を学んでも「わかったつもり」が関の山です。きちんと学びたい方には、正統派の解説書「HTMLとスタイルシートによる最新Webサイト作成術」などに取り組むことを勧めます。

ウェブログ完全ガイド

初級者向けのウェブログサービスカタログです。MovableTypr、blosxom、Wordpress の設置解説記事もあり、百花繚乱のウェブログサービスを整理・概観するのに便利です。

やはり本書の白眉はレンタルブログサービスの紹介記事でしょう。一部だけしかフルカラーでないのは残念ですが、記事投稿やカスタマイズの画面写真と使いやすさのレビュー、主な機能の紹介といった基本項目をきっちり押えています。さらに開発者のコメントや各サービスで開設されている人気ブログの紹介など、興味深い記事も用意されています。

これからウェブログを始めようという方はもちろん、サービスの乗換えを考えている方にもお勧めします。ただし主なサービスに限っても、「楽天広場」と「はてなダイアリー」は本書刊行後に画面写真の差し替えが必要になるようなサービス更新がありました。状況はどんどん変化していますので、ご利用はお早めに。

Bloggers(ブロガーズ)―魅惑のウェブログの世界へようこそ

マニア向けのウェブログ紹介ムックです。入門記事から業界人向けの記事まで楽しい取り合わせになっています。ウェブログの導入方法の技術解説、ウェブログ文化の紹介、ウェブログを取り巻く日本の IT 環境(業界動向)など興味深い記事が並びますが、いずれも断片を拾う記事なので全体の見通しが悪いのが残念です。

ウェブログブームの初期に刊行された本書は、入門ムックとして編纂されながらも想定読者層は WWW のベテランユーザです。したがって、日本の個人 Web サイト文化などについてある程度の前提知識が要求されますので、ご注意ください。

本書は誰もがウェブログの未来を語っていた「あの頃」を封じ込めたタイムカプセルとしても楽しめます。ウェブログサービスがすっかり定着した今、「こなかった未来」を考えるよい史料となるような気がします。

標準Webデザイン講座 CSS & JavaScript

CSS と JavaScript の入門書です。あくまでも入門書ですから、ある程度の知識がある方には他書を勧めます。本書を読破しても両技術を十分に使いこなすには足りません。しかし標準の技術仕様に準拠した正統派の解説を試みた良書ですから、俗な解説書ばかりで学んできた方には再入門を勧めます。

本書は装丁・紙面ともに美しく、サンプルの詳説を軸にすえた解説も、語り過ぎを抑制して読みやすく仕上がっています。1日分が30ページですから、分量が多いと感じられるかもしれません。しかし図版と余白が多いので、1日90分ほど集中して取り組めば予定通りにマスターできるのではないでしょうか。

なお、CSS と JavaScript の両方を同時に入門から学ぶのでなければ、それぞれの入門書にあたった方がよいかもしれません。CSS のみ学びたい方には「一週間でマスターするCSS for Windows」をご紹介しておきます。

説得できるWebデザイン200の鉄則

実際に Web サイトを製作する業者ではなく、製作を依頼するクライアントが読むべき本です。多くのクライアントは、素人の個人的な意見を会社を代表して無責任に発言しています。その結果、要求通りに完成した Web サイトは、しばしば悲惨なものとなります。

本書は Web サイトの作り方を教える本ではありません。どのような要求を出したらいいのか、提示されたデザイン案の出来を判断するポイントはどこか、といった問いに答えるための基礎知識を網羅した本なのです。「なんとなく」ではなく、きちんと理由を挙げて意見するためには、やはり勉強が必要です。

本書は視覚デザインの説明にページを割いているため、企画・プロモーションの分野は手薄です。本書は製作統括の担当者向けであり、企画・運営の担当者は他書でさらに勉強を積む必要があるでしょう。

落ちるなキケン!WEBデザインの落とし穴

ほとんどの落とし穴は、特定の環境ではうまくいっているように見えるが、じつは……というもの。その原因は、製作者の理解不足かブラウザの解釈ミスというケースが大半です。理解不足は自分さえきちんと勉強すれば解消されますが、古いブラウザのバグは、とにかく知識を増やすしか対処法がありません。

通読して気づくのは、本書は結局、素人向けではないということです。はじめの内は、そうか、私もこういうことに気をつけないといけないなあ、と思うでしょうが、最後には「こんなことまで付き合ってられるか!」と本を壁に投げつけたくなるでしょう。趣味の方には、いささか内容が高度すぎるかと思います。

凝ったブックデザインのために、値段の割に解説の分量が少ない本書ですが、プロ向けと考えれば納得も出来るのではないかと思います。

標準Webデザイン講座 基礎編

Web デザインの初級解説書です。俗な本とは一線を画し、古典的な美術・デザイン理論まで遡って基礎基本をきちんと学ぶことができる1冊です。当然、HTML や CSS、Flash の解説も正統派で、小手先の技術解説に堕していません。配色やフォントなど、意外に軽視されがちな項目の「常識」も押えており、たいへん便利です。

本書は趣味の方には敷居が高いでしょう。第1章でWeb制作のワークフローを説明しているように、プロを目指す方に向けて書かれているからです。素人はHTMLを勉強してもデザインは勉強しません。インターフェイスとユーザビリティを学ぼうとする方も、どれだけいるでしょうか? グラフィックとカラーだって、感覚的に操作しているケースが大半です。しかし「常識」程度であっても、知識の有無は世界の見え方に影響します。

ただし趣味の方は、本書を最初の1冊にはしないでください。ある程度Web製作に慣れてきてから読むべきです。背伸びせず焦らず落ち着いて読めば、素晴らしく役に立つことを請合います。

2004-08-06

smart web design―クールなサイトを作るためのルール&アイデア

Web デザインの勘所を解説した本です。テーマの抽象度を高めていけば、デザインの世界は法則の山に埋もれています。しかし個別具体的なケースについて「かっこいいデザインを実現するポイントは?」と訊ねると、いまだに「センス次第ですね」と返ってくるのが実情です。

本書も例に漏れません。各項目のタイトルに正解を指し示す言葉は少なく、大半はデザインの要所を指し示すのみです。世の中にデザインの良し悪しが存在するのは事実ですが、「いいデザイン」の定式化は困難です。そこで著者は、特異なアプローチを試みています。項目毎にデザイナー渾身のオリジナル作例を用意したのです。

著者の示す「ルール」を全て満たす作例はありません。しかし、全てかっこいい。個々の解説を「なるほど」と頷きながら読んでいくだけでも十分役立ちますが、ぜひアンテナの感度を高めて、「センスがいい、とはこういうことだ」という言外の説明も受信したいものです。

なお「ゼロから始めるWebデザイン」や「Webレイアウト見本帳」などが解説するWebデザインの基礎は予習しておいてください。骨組みが未完成なのに「神は細部に宿る」ことを示す解説を読むのは時期尚早です。要注意。

ホームページ辞典

HTML と CSS と JavaScript の初級リファレンスです。フルカラーの紙面と端的な解説、サンプルと画面写真がセットになっており、見やすく分りやすく使いやすい本となっていますが、私はお勧めしません。

本書は各技術をきちんと学ぶ構成・解説を採用せず、「AしたいならBすればよい」のパターンを延々と繰り返しています。たしかに皮相なレベルでは、最も簡明でわかりやすい解説です。しかしアクセシビリティや SEO など高度な問題にきちんと取り組むためには、各技術の本質的理解が欠かせません。再学習が必要になるのです。

現在の第3版は概ね信頼できる一冊に仕上がっており、ありがちな誤解は大抵フォローされいます。しかし技術的本質よりも「とりあえず目的を実現すること」を重視する解説は、結局は遠回りになります。

JavaScript の解説が不要であれば、初級者には「プチリファレンスHTML」の比較検討を勧めます。中級者には「詳解 HTML&XHTML&CSS辞典」を勧めます。

2004-08-13

HTMLコンパクトリファレンス

HTML の初級リファレンスです。多くのブラウザで対応状況を調べていますが、firefox と mozilla と Netscape の HTML 解釈技術は gecko です。mozilla が最新版を使い、firefox が続き、Netscape が旧版です。本書の扱う範囲では Netscape だけ調べれば足ります。検証ブラウザの数で単純に選ばないで下さい。

類書と比較して紙面が窮屈で説明文が多いように見えますが、内容はふつうです。項目の立て方と紙面レイアウトに問題があるのでしょう。また W3C が非推奨とした要素、属性にはマークがありますが、ではその制約を守りながらお望みのレイアウトを実現するにはどうしたらいいのか、説明していません。そこで簡単な CSS のサンプルを示すのは、それほど難しいことでしょうか?

本書最大の欠点は文法違反のサンプル(例えば blockquote 要素を p 要素に内包させている)が多数あることです。おそらく著者は仕様書を読んでいません。辞書を買うなら「プチリファレンスHTML」のような信用できる本にしたいものです。私は本書を勧めません。

文書作りでつまずくWordのしくみと落とし穴

「Word が使える」なんて自慢にもならない時代ですが、さて、本当に Word でスイスイ文書を作成できる人がどれだけいるでしょうか? 多くの解説書の著者が Word に無理解で、非効率(場当たり的)な文書作成手法を提示している事実は示唆的です。

本書は Word 初級解説の傑作です。「なぜ**でつまずくのか?」を起点に Word の多彩な機能の背景にある考え方を解き明かします。初級者に「AすればBできる」「BするにはAせよ」とだけ説明するのは、完成図を見せずにジグソーパズルをさせるようなもの。鍵となる技術から設計思想を学び、「なぜAするとBできるのか」「なぜBするにはAが必要か」を理解すれば、Word はグンと使いやすくなります。

基礎・基本は要・根幹ですから、初歩・簡単とは異なります。著者が「罫線の本質」「書式の履歴とスタイルの違い」など上級書でも省略される項目まで踏み込むのは、それが Word の基礎・基本だからです。A5版234頁とコンパクトですが、これほど応用範囲が広く、内容が深く、よくわかる初級解説書は他にありません。じっくり読み込むことをお勧めします。

なお本書は Word を使える「つもり」の万年初心者向けです。これから第1歩を踏み出す方には、「これでわかるワード2003」を勧めます。