レビューまとめ読み[251-300]

2005-03-17

伝わるWeb文章デザイン100の鉄則

文章デザインという切口で、薄く広く一歩先の話題をまとめた初中級解説書です。

既にWebサイトを運営されており、総合的なスキルアップを目指したい初級者にお勧めします。入門レベルを脱して初級者になったばかりの方には内容が高度です。これまでいろいろ勉強されてきた方には、逆に物足りないでしょう。現在地をよく確認してから、ご購入ください。

前半の技術編は、閲覧者に情報を伝えるためには「ウェブの特性を把握し、HTML と CSS を正しく使い、定石を押えたデザインを用いる」ことが大切、という内容。ユーザビリティの4要素や SEO など盛りだくさんの内容。

後半の表現編は、1.言語・用語・表記・文体など 2.見出し・つかみ・リズムなど 3.著作権・引用・固有名詞の扱いなど 4.定型的なコンテンツの書き方 5.校正 といった内容。書くという行為にまつわる定石・ルールがどれほど多いか、よくわかります。狭義の「文章の書き方」の解説は、僅かしかありません。

オマケの応用編は、メルマガ発行について。

本書は「文章」周辺に存在する膨大なトピックを集成した解説書です。いわゆる文章読本をお求めの方には、他書をお勧めします。お仕事なら「ホームページで伝わる日本語」、趣味なら「ウケるブログ―Webで文章を“読ませる”ための100のコツ」がよいでしょう。

超図解無料でホームページ作成オールインワン

Webサイト作成の入門書です。ネット接続環境があり、キーボードからの日本語文字入力などのスキルがあれば、本書1冊で初めてのWebサイトを構築できます。

HTML と CSS だけでなく、JavaScript や Flash まで何でもありの内容ですが、フルカラーの図解で作業手順がわかりやすく、解説に登場するソフトウェアや画像素材などはみな付録の CD-ROM に収められているので安心です。最初は解説をきちんと読むことよりも、作業の進展を優先した方が確実に学習が進みますのでご参考まで。

まず3章まで順番通りに読んでいくことを勧めます。そうすれば無事にWebサイトを公開できます。以降、4〜6章を適当な時期に勉強し、7・8章は内容に興味がわいた段階で拾い読みしてください。一部に首を傾げる説明もありますが、許容範囲でしょう。旧作と比較して HTML の説明が大幅に改善されており、よかったと思います。

付録 CD に収録されているソフトウェアの内、Photoshop Elements 3.0 と Flash MX 2004 は体験版です。一定期間を過ぎると動作しなくなることにご注意ください。ペイントだけで画像処理するのは不便なので、サイトの更新を続ける場合、5000点の画像素材だけを使うか、PE3 などのソフトウェアを買うか、決断を迫られます。

超図解HTMLとスタイルシートでつくるホームページ入門

Webサイト作成の入門書です。ネット接続環境があり、キーボードからの日本語文字入力などのスキルがあれば、本書1冊で初めてのWebサイトを構築できます。

フルカラーの紙面と作業手順がよくわかる図解、欄外の詳細な解説(基本的に初回は読み飛ばしてよい)により、HTML とスタイルシートをすいすい学ぶことができます。作業に必要なソフトウェアや画像素材は付録の CD-ROM に収められており、戸惑うことがありません。他者の類書と比較して、これは明確な優位点でしょう。

重要なことから順番に解説する骨太の方針は今回も健在で、まず第3章まで読み通せば最低限の学習はすみます。そして間を飛ばして第9章へ進めば、最初のWebサイトを公開することができます。以降、興味関心に応じて4〜8章を順にこなしていかれるとよいでしょう。一気に全部、読破しようとするのは少々無理があります。

旧作と比較して HTML の解説が大幅に改善されています。本書の解説は概ね信頼できるものであり、まずまず安心して初心者にお勧めできる内容となりました。過去の資産にとらわれず正しい道を選択されたエクスメディア編集部の英断を賞賛したいと思います。

ウェブ戦略としての「ユーザーエクスぺリエンス」―5つの段階で考えるユーザー中心デザイン

ユーザビリティとウェブ開発の実践をテーマとした、ウェブデザインの中・上級解説書です。

本書は、目先の具体的な問題に対処する指針を与えません。説明の都合上、僅かに具体例を示した箇所はありますけれども、基本的には抽象的な概念を整理して示すことに主眼が置かれています。そう、本書はデザイナーの抱える膨大な量の問題を腑分けし、きちんとプロセスの中に位置づけていく方法を示す、メタ・ユーザビリティ解説書なのです(私の読み違えでなければ)。

著者は様々な問題とその解決のために持ち出される概念を「戦略、要件、構造、骨格、表層の5段階」に配置し、できる限り一貫した流れの中でプロジェクトを進めていくための考え方を提示しています。このような発想と分類法は、幅広く応用が利きますが、「理屈は理解しても実行が伴わない」のもよくある話。だから、やれば勝つ……のだろうな、と思いつつ読了しました。

ホームページのつくりかた―ID for WebLiFEであそぶ。あなたらしさ、はじめよう。

初心者向けの Web サイト作成支援ソフトウェア ID for WebLiFE の紹介本です。付録 CD に体験版が収録されています。

製品版を購入された方には「必要」のない本でしょう。ID の説明書は親切ですし、そもそもユーザ側の自由度を犠牲にして自動化を徹底的に進めたソフトウェアなので、難しい操作がほとんどないのです。しかし単なる製品紹介の広告では値札のついた商品にならないので、本書は ID のファンブックになっています。開発者へのインタビューや ID の理念、関連商品の紹介など、iPod 本のような記事が満載です。

ID は、Flash を活用したプロ並のスタイリッシュな Web サイトを誰でも簡単に作成・更新できるソフトウェアです。カスタマイズの自由度は低いので、お仕着せのカッコいいデザイン+簡単なサイト構造で満足して、画像やエッセイ・日記などコンテンツの充実に注力したい初心者に最適です。これに対し、過去の資産を引き継ぎたい方や、自作のデザインにこだわる方にはお勧めできません。

ID のコンセプトに興味を持たれた方は、ぜひ本書で体験してみてください。製品版は約20000円です。いきなり製品版に飛びつくのはリスクが大きいと思います。

ところで本書は紙面の構成も装丁も非常に凝っており、美しく楽しい本に仕上がっているのですが、ちょっと本として扱いにくい感じがしました。何となく ID に似ている感じがします。

2005-03-18

ブログをもっと楽しく活用する本―カスタマイズのための基礎知識&カスタマイズのためのHTML・CSS入門

ブログの入門書です。多くの類書が、アフィリエイトや携帯電話からの投稿、その他いろいろなオマケ機能やオマケツールの類を解説してページを稼いでいる中、本書は「ブログをカスタマイズするため HTML と CSS を勉強しよう」という志の高い企画をメインに据えています。

類書「ポータル、プロバイダ別blogデザインカスタマイズ事典」と比較して、内容の精選と解説スタイルの工夫により軽い本に仕上がっています。HTML と CSS について、意外にマトモな解説を試みているので、「適当につまみ読みして理解抜きでコピーアンドペースト」といった安直な利用には向きませんし、それではもったいない。せめて半分くらいまでは、順を追って解説を読んでいくこと勧めます。案外、時間はかかりません。

ところで、本書の巻頭カラーページは主要なレンタルブログサービス毎に主なテンプレートを並べてカタログ風に表示しています。機能よりもテンプレートでサービスを選びたい最近のユーザのニーズにきちんと応えているのが嬉しいところ。値段も安く、お勧めできる1冊です。

できる社長のブログ術―社長の日記(ブログ)に成功の法則を発見!

一時期話題になった「社長ブログ」の紹介本です。16人の社長へのインタビューと、主なブログ記事の転載からなります。それぞれの社長が何を期待してブログを書いているのか、そして実際の状況をどう評価しているのか、興味深く拝見しました。

素人目には労力に比して成果が出ていないように見える社長ブログが多いのですが、案外、当の社長は肯定的に評価されています。また努めて実証的な話をされる方はおらず、企業経営者といえども日常的には感情やセンスを基準に生きていることがよくわかります。

というわけで私には面白かったのですが、本書のタイトルは少々あざとい。費用対効果をきちんと計測して有意義と判断されたブログはなく、「ブログ術」というほどの技術も語られません。サブタイトルの「成功の法則」は、嘘ではないけれど本当でもないといったところ。

「ブログ術」や「成功の法則」はとりあえず忘れて、「社長ブログ」そのものに関心の焦点を当てて読むのが、安全確実だと思います。

2005-04-04

さきっちょ&はあちゅう恋の悪あが記―Super edition

本書は女子大生2人が恋人獲得に奔走した1ヵ月半を綴った人気ブログの書籍版です。著者は「一般人」を強調しますが、本名+顔出し+水着写真付なのでタレント本の趣き。「あいのり」「真剣10代 しゃべり場」などの素人参加型(とされる)テレビ番組の本に似た編集方針です。

もともと「悪あが記」は一般人のブログとしては異色の存在でした。地方テレビのレポーターと朝日新聞学生記者という2人だけに、エンターテインメントを意識した運営術は素人離れしていました。人気を集めた変顔写真は本書でも面白いアクセントとなっています。

ネットとブログの普及は、かつて WWW で主流派だったオタク系コンテンツの需要を相対的に減じ、より一般受けするコンテンツ(「侍魂」はその先駆者)の大きな需要を準備しました。現在、アルファブロガーの多くは実名・顔出しですし、新聞社系ニュースサイトが個人サイトを圧倒するアクセスを誇るなど、結局、既存メディアのキラーコンテンツがネットでも成功する構図が明白になりつつあります。

テレビで見飽きた(はずの)企画がクライマックスでは1日20万ページビューに達する人気ブログとなり、書籍版もそこそこ売れてしまう状況について、古株は釈然としないでしょう。けれども「テレビ50年の歴史は伊達ではなかった」のだと思います。ディープなネットユーザには勧めませんが、軽く楽しめる一冊。

ところで、規約に基づき無償転載された多数の読者コメントが、将来、火種とならないことを祈ります。

もえたん[新装版]

昔懐かしい例文が楽しい英単語集。

センター試験の高得点も昔の話。英語嫌い+仕事でほとんど使わない→英語力崩壊、という状況に危機感を覚えて書店へ行ってみたのだけれど、立ち読みしているだけでも眠くなってしまうような例文にうんざり。知人に相談したところ、「ちょうど新装版が出たところだから」と勧められたのが本書でした。

イラストは今風の「萌え」絵なので、Amazon から届いた本書を開いたときには絶句し、後悔さえしました。けれども例文を考えたのが30代の方なのだそうで、肝心の内容は昔懐かしいものでホッとしました。「ああ、そんなフレーズがあったなあ」と、楽しく読み進んでいるところです。よくわからない例文も少なからずありますが、無味乾燥な他書の例文よりは面白いと思います。

ただ、私のレベルでは本書をスイスイ読み進めることはできませんでした。見出し語以外の単語で躓くのです。例文は和文と英文が併記されているのですが、和文がこなれているから、英文と文章の構造が全然違うのです。例文中のイディオムについて、少々の補足がほしいですね。

あと、いくらカバーを裏返しても、これを電車の中で読むのは私には無理。紙面に半裸の幼女(設定は高3)が踊っているのでは……。もし需要があるのであれば、もう少し落ち着いた雰囲気の本も刊行してほしいです。

2005-04-07

ガンガン動く!無料ブログバリバリチューニング

ブログカスタマイズの入門書です。

HTML や CSS の知識が無いことを前提に、勉強抜きでデザインのカスタマイズをしよう、という内容。したがって、本書はひたすら作業手順のみ解説して、その意味については「作業に支障ないように」という観点から少々の補足があるのみ。全然、勉強にならないのですが、逆にいえば「つまらない説明は抜きにして、やり方だけ教えて欲しい」という方には最高の一冊。誌面もカラーで初心者には嬉しいでしょう。

応用力や自己対応能力を養成・要請しない本だけに、5つのサービスに限定して対応し、その代わりサービス毎に作業手順を書いています。ブログサービスは仕様変更が日常茶飯事なので、本書に興味のある方は早めに購入されるとよいでしょう。

HTML や CSS について、きちんと学びたい方には「HTMLとスタイルシートによる最新Webサイト作成術」を勧めます。あるいは、もう少し技術を理解しながらカスタマイズしたい方には「ブログをもっと楽しく活用する本」がよいでしょう。また類書に「ポータル、プロバイダ別blogデザインカスタマイズ事典」がありますので、比較検討されるとよいかもしれません。

はじめよう!みんなのブログ Vol.3

ブログの入門〜初級解説書として非常によくまとまったムック本です。表紙が地味になりカラーページ半減、値段は据え置き……既刊2冊が狙ったほど売れていないのかもしれませんが、現在、私が初心者に1冊だけブログ本をお勧めするとしたら本書を選ぶでしょう。

ブログって何が楽しいの? という最初の疑問から、ブログサービス選択のポイント、初級ブログ運営術免許皆伝までの道程、一歩先のトピックス、そして最新ニュースまで、バランスの取れた充実した内容です。中級以上のユーザには物足りないでしょうけれども、入門ユーザはこの1冊で満足できるはず。そして大半の初級ユーザにも新たな発見をもたらす1冊です。

日本一のブログ情報誌となっていたインターネットマガジンが編集方針を大転換した今、このムック本シリーズは定期的に「ブログの今」を切り取っていく役割も担うことになりました。有為転変の激しいブログ業界の現状を反映して、本書では以前はあまりフィーチャーされなかったヤプログや goo ブログなどが大きく取り上げられています。

単行本の解説書と比較すれば、まだまだコストパフォーマンスは高いですし、情報が早くバラエティーに富んでいるのもいいところ。年3〜4回刊のペースを維持して新刊の発行が継続されることを期待します。

ビジネスブログブック

ビジネス用途のブログ活用法について国内で初めてマトモに解説した本。いわゆるブログツールは簡易 CMS に過ぎないのですが、SGML が XML に簡略化されて成功した前例もあります。本書の端々に見られる「ブログの革新性」の主張は眉唾物ながら、非常に価値の高い1冊だと思います。

技術的な(現場レベルの)作業手順などは割愛されているのでご注意ください。本書の内容は、ブログを構成する技術の基本的な概念、利用のポイント、システムを構築・運営する戦略・設計、そしてケーススタディです。WWW 公開型ブログとイントラネット向けブログに分けて解説しており、論点が明快。簡潔なのに抽象に流れておらず、読みやすいのが嬉しいところ。

概論と実例の間が抜けているのは、本書がビジネスブログの解説書だからです。システム設計・導入の「作業」は外注に任せ、戦略・運営はコンサルタントに相談しながら進めるのが常道。したがって発注者が事前に学ぶべきは下流工程ではなく、まさに本書の解説している上流工程なのです。

ところで、本書にはいくつかのビジネスブログ活用事例が紹介されています。実情を確認できるうちに確認しておくことを勧めます。等身大のブログを知っておくことは、変な勘違いを避けるためにも重要なことです。

2005-04-08

ブログを続ける力―Blogを続けるのに必要かつ大事なこと

ブログ運営の初級解説書です。中高年向けの内容、体裁、解説スタイル。地味ながら、内容はよくまとまっています。

本書の顕著な特徴は、一介のブログユーザの視点から手探りで書かれていることです。面白いアイデアに出会っては感心し、賢者と信ずる人の話を謙虚に拝聴し、素朴な感想を結論として提示していきますから、言葉のひとつひとつに現実的実感がこもっています。

おそらく、ブログ運営の中級者や、すでに「成功」体験のある方には退屈な本でしょう。著者の見ている世界がパーソナルな関心領域をほとんど越えていないにもかかわらず、結論を一般化していることへの不安・不満もあろうかと思います。しかし地に足の着いた本の存在意義は小さくないと思います。

たいていのブログが陥る「書くことがなくなった」「無反応でがっかり」問題は、本書においても重要課題となっています。多くの処方箋が示されますが、結論は「万能の特効薬はない」。リアルに徹すれば、当然そういうことになります。本書には、ブログを続ける意義について考えるきっかけがたくさん用意されています。

あっさり読了して「いろいろ勉強になったなあ」という読み方もアリですが、じっくり考えながら読むことをお勧めしたいですね。

HTML 4.01 演習問題で学ぶ (1)

HTML と CSS の入門書です。前著「HTMLはじめの一歩」からは格段の進歩を遂げており、少なくとも前半は、まずまずまともな解説となっています。

演習問題で理解度をチェックしていく構成は、学校の授業などを意識したものでしょう。1回の分量や構成はよく考えられたものだと思います。残念なのは演習課題の方向性です。とにかく「作る」ことが大切なのだ、という意図が見えます。たしかに HTML は道具に過ぎないのですが、「その本質を理解することが、コンテンツの質も上げていく」という意見もあるわけです。

マークアップを考えることは文書の構成を再検討することにつながり、整然とした HTML 文書を CSS でレイアウトしていく作業は、「内容ありきのデザイン」を認識するまたとない機会となります。本書は後半になるとデザインから逆算して HTML を書いていきますが、本質的な解説をなおざりにして安直な実学を教えることには批判もあるだろうと思います。

講習や授業のテキストなら「30時間でマスター インターネット2 HTML+メール」と、自習書をお求めなら「HTMLとスタイルシートによる最新Webサイト作成術」「速習WebデザインHTML&スタイルシート」と比較検討されることを勧めます。

Firefox 乗り換え&拡張機能ガイド

Firefox と Thunderbird の入門書です。通称「白本」。「乗り換え&拡張機能ガイド」というタイトルに忠実な内容です。乗り換え手順と基本操作、定番の拡張機能をていねいに押さえており、全メニュー図解など初心者にはありがたい付録つき。

既に乗り換えてバリバリ使っている方には物足りないのではないかと思います。また「Mac や Linux の利用者にも役立つ」という触れ込みになっていますが、それはソフトウェアの基本操作と拡張機能に関する部分の話。乗り換えの解説は、Windows で IE と OE を使っている方が主要な対象読者層です。

既に Firefox に触れている方の場合、初心者レベルなら本書が親切です。しかしある程度の使用経験があるなら、Thunderbird の入門記事が不要であれば、「Mozilla Firefox完全攻略ガイド―設定からカスタマイズまで使いこなす!」(通称「黒本」)との比較検討を勧めます。

Mozilla Firefox完全攻略ガイド―設定からカスタマイズまで使いこなす!

Firefox の初級解説書です。ムック本なので、雑誌の特集記事を拡張したような内容・構成となっています。記事の関連性は薄いので、興味のある記事だけ拾っていけばよいでしょう。

Firefox の入門者には「Firefox 乗り換え&拡張機能ガイド」との比較検討を勧めます。本書は Firefox の入手方法とインストール手順から解説をはじめますが、その次はいきなり「特集1 Internet Explorerユーザーに差をつける」と題して「ライブブックマークでRSSを使おう」となっています。本書の主な対象層はパソコンに慣れた方なので、Firefox の基本操作は非常に軽い程度の扱いなのです。この点、非常に注意が必要です。

逆にいって、既に Firefox を使用していて、単なる IE の置き換えは済んでいる方にとって、本書は効率よく「一歩上の活用法」を学ぶことができ便利です。タブブラウザ拡張がていねいな図解で解説されているのは、まさに本書ならでは。GUI が用意されていないユーザ設定項目の解説も好記事。

なお、中級以上のユーザには物足りない内容だろうと思います。「ウェブ上で自分の知りたいことを簡単に調べられる」「適当に試行錯誤するだけでタブブラウザ拡張をバリバリ使いこなせるようになった」そういった方々が瞠目するようなすごいテクニックは紹介されていません。あくまでも初級解説書です。

できるホームページスタイルシート入門

CSS(カスケーディングスタイルシート)の入門書です。本書は CSS についてはゼロから説き起こしていますが、HTML については(事実上)一定の知識が要求されます。基本的には「できるホームページHTML入門」の続編なので、まったくの初心者が本書で勉強を始めることはお勧めしません。

「キーボード操作も怪しい、パソコン自体に不慣れな方でも安心して学習を進められる本」という基本路線は今回も踏襲されています。オールカラーの非常にていねいでわかりやすい図解も健在で、焦らずきちんと説明にしたがって手を動かしていけば、まず間違いなく最後まで脱落せずに読了できるはずです。

一昔前の CSS 本は望ましからざる使い方を堂々と紹介したり、「作りたい見た目を実現できれば何でもいいのだ」という方針が目立ったのですが、本書は理性的に編まれています。そしてむしろ、わかりやすくなっていると思います。無論、入門書として一定の割り切りはありますが、簡単なレイアウト(2段組など)はできるようになります。

ある程度パソコンに慣れており HTML を未学習の方は、「HTMLとスタイルシートによる最新Webサイト作成術」「速効!図解ホームページ作成 (HTML&CSS編) 」「これ一冊でわかる!!HTML+スタイルシート」「超図解HTMLとスタイルシートでつくるホームページ入門」など他の良心的解説書と比較検討されることを勧めます。

スタイルシートデザインレシピ

スタイルシートの初級解説書です。Tips 集のような体裁をとりつつ(ある程度)文法に即して項目をグループ化しており、解説の順序にも配慮があります。つまみ食いに便利な形式でありながら、頭から順に読んでいくことによりスタイルシートの全体像もつかむことができる好著です。

カラーの紙面はきれいで、小さな版型も狭い机の上では都合がよいでしょう。

類書に「HTML+CSS Webデザイン・スタイルガイド―HTMLとCSS使い分けのルール&Webコンテンツデザインの実践」がありますが、初心者にはスタイルシートに的を絞った本書を勧めます。「本書に載っているようなことは、みなスタイルシートでできる」という感覚を、まず理解することが大切だと思います

一方、文法解説書としての方向性をより強調した類書に「スタイルシートサンプルブック」があります。また、部分装飾のテクニックではなく、文書全体の CSS デザインをチュートリアル形式で進めていく「Webスタイルシート・デザインガイド」などの解説書もあります。興味のある方は比較検討なさってください。

さよなら、青い鳥。

2ch 発の写真絵本です。おおもとの「さよなら、青い鳥。」スレッドではなく、同スレッドのレスを取捨選択してひとつの短編に仕上げた「モララーのビデオ棚」バージョンを底本としています。したがってフラッシュ版とも同内容です。

フルカラーの紙面には写真とイラストがふんだんに用いられ、ハードカバーの上製本としてまとめられています。その分、高くなった価格をどう考えるかが問題のような気がします。幻冬舎ならカラー紙面で文庫オリジナルとして刊行する手もあったような気がするのですが。

内容についてですが、「俺の心の中の青い鳥は、ようやく死んでくれた。」と結論づけた次のページで「羽ばたいていないから死んだように見えるだけさ。」と安直な希望を提示して閉じる点が評価を分けるひとつのポイントだと思います。もとのスレッドでは「適当なこと言ってゴメン」と続いているのです。

XHTML+CSSスタンダード・デザインガイド―XHTMLとデフォルトスタイルシートを基本にしたデザインコントロールの実践

XHTML の初級解説書です。XHTML の要素を順番に紹介していくシンプルな内容です。各要素の解説には CSS によるデザイン制御を含むサンプルが添えられており、サンプルの解説を通して CSS についてもステップを踏んで学習していけるよう配慮されています。

エビスコムの前著「スタイルシート スタンダード・デザインガイド」は HTML と CSS の基本的な文法規則を知っている方向けに、それらを正しく用いてウェブサイトを構築する手順を解説しましたが、本書はかなり趣が異なります。リファレンスを通読型解説書として再構成した、文法規則の解説書なのです。

CSS も初歩から説明されますが、本書の特徴はブラウザの初期スタイルは W3C の CSS2 勧告が示す「スタイルシートの例」に従っていると仮定していることです。勧告の例は「標準情報ではない」と強調されているのですが、「CSS2実装時のデフォルトスタイルシートとしては以下を採用するよう推奨する」ともあるのが悩ましいところ。

300ページを超える堅い解説書だけに、事実上、ある程度の基礎力が前提となります。もし HTML や CSS について現時点でまったく無知ならば、読了には相当の努力を要します。逆にそれらの技術に慣れ親しんでいるならば、すいすい読めます。努力できず知識もない場合は、HTML の易しい入門書から勉強を始めてください。

HTML/CSSラーニングドリル

HTML と CSS の初級練習帳です。例題形式で問題に取り組みながら学習を進められる、という本なのですけれども、実際問題として、現時点で何も知識のない方が本書で勉強していくのは難しいでしょう。「一定の知識のある方が、問題で実力を確認しながら解説を読み進め、穴をつぶしていく」のがよいと思います。

2色刷の地味な紙面が367ページも続くのですが、8割方わかっている人なら、案外、サクサク進んで短時間で読了できるはずです。逆にほとんどの問題を間違えるようだと、非常につらい。まず解説を読んでから問題に当たることになりますけれども、きちんと読んだら相当な情報量がありますので、手遊びではすみません。大雑把で結構ですから、学習計画を立てて本気で取り組むことを勧めます。

HTML は必ずしも完璧に覚えずとも使えてしまう言語です。とくに CSS にデザインを任せてしまえば、よく使う要素は非常に限られていますので。しかしやはり頭に入っている情報量の多寡は、作業の効率に少なからぬ影響を与えます。何度も何度もリファレンスで同じ項目を引くのには飽きた、という方は、この機会に頑張ってみてはいかがでしょうか。

2005-04-15

詳解HTML&CSS&JavaScript辞典 改訂版

本書は中級者向け総合リファレンスです。各技術について、仕様書に準拠した正しい使い方を整理・紹介していますが、お勧めはしません。

少なくとも HTML と CSS の項は入門者には不親切な内容であり、学習の手引きには不向きです。絶対的に情報量が少なく、W3C の勧告に違反する説明やサンプルがない点は信頼できるものの、本書から勧告の意図を十分に汲み取ることは困難でしょう。そもそも中級者向けの総合辞典を700頁に収めようという方針が無茶なのです。

度忘れ対策に要点のみ紹介する狙いならば、サンプルに大きなスペースを割くのは大外れ。「標準HTMLパーフェクトリファレンス」のように要素・属性・包含要素(CSS ならプロパティと値)などの情報を全部きちんと拾うべきでした。一方、本書が初級者向けの企画ならば、内容を絞って大切なことをきちんと説いてほしかった。

総合辞典1冊で何でも用を済ませたいのは主に初級者だと思います。しかし本書は中途半端な中級書。辞典がほしい初級者には「プチリファレンスHTML」を勧めます。中級者には「詳解HTML&XHTML&CSS辞典」「詳解JavaScript辞典」をそれぞれ購入されることを勧めます。

500円でわかるブログ―ネットで情報が集まる!仲間ができる!

ブログの入門書です。縦書き右開きを基調とするフルカラーの読みやすい紙面は500円シリーズの伝統通り。初心者向けに極力やさしく、そつなくまとまった解説もさすがです。初歩をきっちり押えつつ、発展的内容まで扱っているので、お得な感じがします。

ただし本書は OCN の提供するレンタルブログサービス「ブログ人」をベースに解説を進めています。よくよくご注意ください。OCN 会員以外は「ブログ人」を無料では利用できません。月額262.5円(税込)という価格は微妙なところ。1年続けるには3150円かかるわけです。

本書と同価格の「こんなに簡単楽しいブログ」は、内容こそ薄いものの、紙面はやはりフルカラー。そして何より解説のベースが無料のライブドアブログです。入門者は解説通りにやらないと困惑します。初心者が「ちょっとブログを試してみる」だけなら、「こんなに簡単楽しいブログ」の方が安上がりです。

一方、ウェブサービスの利用について一定の経験のある方なら、書籍内の図解と異なる類似サービスを利用できますので、安価で内容豊富な本書をお勧めできそうです。なお、少し高い価格とモノクロの紙面が OK なら、「はじめよう!みんなのブログ Vol.3」の比較検討も勧めます。

2005-04-28

「XMLブログサイト制作」ツールの作り方・使い方―誰でも簡単にブログサイトが作れる

SOHO でウェブ製作を請け負っている方のスキルアップに最適な1冊。本書のタイトルには要注意。「誰でも簡単に」とは必ずしも嘘ではありませんが、VB でプログラムを組み ASP の形で運用する方法を解説していますから、趣味用途なら PHP+Apache の「自分で作る blog ツール」を選ぶのが無難です。

前世紀の小規模なウェブ製作案件は、たいてい「作ってお終い」で、決算情報や連絡先の変更だけ年1回程度更新するスタイル。だから当時は、趣味が高じて SOHO のウェブ製作者となった方があちこちにいました。

ネット利用者が急増しウェブサイトの意義も高まった21世紀、小規模案件においても「サイトの更新作業」が重要課題となりました。更新頻度の上昇は外注予算の不足を招き、リニューアル案件に絡めた「素人でも記事を追加できる仕組み」の要求が増加しています。画像製作と HTML は得意でも、スクリプトやプログラミングに弱い多くの趣味系 SOHO ウェブ製作者は、今、岐路に立たされています。

掲示板スクリプトの改造だけでは苦しい中、本書は一筋の光明となります。大手製作会社とは価格が10〜100倍も違うのですから「安かろう、悪かろう」は発注者も了解済のはず。VB や ASP をバッチリ理解する必要はない。最低限の要求に応え、生き残るために、簡易 CMS のサンプルソースがズバリ示された本書はありがたい一冊。

要素技術をきちんと身につけた上で総合学習の課題として取り組むのが理想的ですが、現実には知識不足のまま読むことになるでしょう。関係する技術領域は幅広く駆け足の解説ですが、ドンドン読み進むことを勧めます。きちんと手を動かせば大丈夫でしょう。

自分で作る blog ツール

PHP でブログツールを作り上げていく中級解説書です。

PHP に限った話ではありませんが、文法知識と実践の間には断絶があります。現実に役立つ仕組みを構築するためには、無数の雑多な知識が必要です。従来、それらの多くは「経験」と称されたり、「自分で考えることも大切」などとごまかされがちで、本にまとまるのは断片的な Tips が大半でした。

本書は Web アプリケーションの構築に必要な知識を粗く総覧しており、通読すれば、とにもかくにも題名通りブログツールを完成できます。ブログツール製作に目的を絞って学習するなら、極端なことをいえば、前提知識はほとんど必要ありません。完動するサンプルが示されますので、まず興味をもてる実践例から入らないと勉強が進まない方にもお勧めできます。

面白い本なので、どうして類書が少ないのだろう? と思います。それはもちろん、実践的アプリケーション構築の需要は細分化されており、それぞれの知見をまとめて出版しても商品としてペイしないためでしょう。本書を生んだブログブームには感謝したいですね。

なお、本書は第3章だけ短くなっています。これは諸般の都合で内容が精選されたためであり、削除された記事の一部は著者のウェブサイトにて私的に公開されています。

Flashでデザイン差がつくBlogサイトの作り方

Flash の中級解説書です。Flash や HTML などについて、相当程度の前提知識を要します。楽しいけれども、初心者が気軽に手を出す本ではないように思われます。

Flash はウェブのインターフェースに革新をもたらし、作品としてのウェブアニメーションにとどまらずレイアウトも含めたデザイン全般をフォローする実力を有しています。また強力なスクリプト処理機構をも備えるに至り、機能面においては新しいウェブサイトの形を提案する条件が揃いました。

では現実にはどうか。多くの Flash は、相変わらずワンポイントに用いられているに過ぎません。本書は Flash とテキストデータの連携について詳述し、Flash を閲覧者にとっても嬉しい形で全面的に取り入れたウェブサイト製作を解説します。

本書はバックグラウンドの処理に MovableType を用います。しかしきちんと解説を読み込むならば、MT は一種のデータ処理ツールに過ぎないことに気づかれるはず。タイトルは「blogサイトの作り方」ですが、本書から得られる知識・考え方の応用範囲は非常に広く、ブログはあくまで一例です。夢の広がる1冊です。

全部無料でつくる!無敵のブログサーバー

自宅サーバ構築の入門書です。タイトルには「全部無料でつくる!」とありますが、Windows マシン(とブロードバンド回線)を前提とした解説になっていますのでご注意ください。徹底的に無料にこだわるのではなく、おそらく読者が既に所有しているであろう機器は、ありがたく使う方針なのです。

本書は一見、分厚く見えますけれども、紙が厚く、また大きな画面写真が紙面の大半を占めておりますので、驚くほど簡単に読了できます。煩雑な作業手順もステップ図解ですいすい進みます。

本書の美点は欠点でもあります。解説される内容は決して多くないのです。タイトルにある「無敵」とは、自宅サーバが最終的には「無敵」という主張であって、本書が解説する範囲内では、必ずしもそうとはいえません。気の利いたレンタルサーバの方がよほど環境が充実しています。入門書に多くを求め過ぎないように!

本書の後半は MovableType の設置とカスタマイズの解説。簡にして明、スッキリ読めてすぐ役立つわかりやすい入門記事となっています。やはり高度な内容は「範囲外」となっていますが、その方面には傑作解説書が多数ありますので、興味があれば次の1冊へお進みください。

『ユリイカ』2005年4月号特集*ブログ作法

特集*ブログ作法に関心があって購入したのですが、ちょうど第10回中原中也賞が発表されており、受賞作(詩集より数編を選んで掲載)を興味深く拝見しました。これが意外によかったので、他の詩歌も立て続けに読み進み、なんだか満足してしまったので肝心の特集は流し読み。

さて特集ですけれども、「ブログ楽しいよ!」「ブログつまんないよ!」「ブログどうでもいいよ!」とまあ、見事に各論併記。文芸誌って、そういうのが普通なのでしょうか。それとも、他にブログを論じる雑誌がないので、仕方なく全部ごちゃ混ぜにしてある? 文芸誌の編集方針というのは、よくわかりません。

1号で終った「Bloggers」も今読めば興味深い内容。この手の歴史的文献が好きな方には、お勧め。黎明期を脱したブログは今なお幼年期にあるようです。本書の記事が本当に面白くなるのは、おそらく「未来」がきてから。そのときに入手しようとしても難しいでしょうから、ぜひ今のうちにどうぞ。

Movable Typeで今日から始めるカスタムブログ

MovableType の初級総合解説書です。2色刷の紙面は地味ですが、必要なところではカラーページも用意されていますし、とくに不都合ないでしょう。レイアウトは読みやすく整えられており、図解も豊富です。ていねいな解説に好感が持てます。

分厚く重い本ですが、内容は「Movable Type標準ハンドブック」「即実践!ブログ徹底カスタマイズ術」+アルファですから、じつはむしろ解説は絞り込まれています。MT の入門からカスタマイズまですべてきちんと解説してしまうことを考えると、たいへんお得な1冊ではないでしょうか。巻末にはタグ・リファレンスや自宅サーバ構築手順なども用意され、至れり尽せり。お勧めできます。

なお、当然のことながら、初心者は一気に全部読もうとしないでください。MT の設置を終えたら一息つくべきです。逆に既に MT を活用してブログを更新されている方、簡単なカスタマイズまでなさっている方は、興味のある記事をどんどん読んでいくとよいでしょう。

各論については他書もご参考に。自宅サーバ構築に挑戦したい初心者には「全部無料でつくる!無敵のブログサーバー」、Flash との連携なら「Flashでデザイン差がつくBlogサイトの作り方」、テンプレートを深く探求するなら「Movable Typeスタイル&コンテンツデザインガイド」がお勧めです。

「ブログ」入門―50代にもよくわかる

ブログの入門書です。いちおう、ブログに興味のある方にむけて書かれているので、日本のインターネットの状況について、多少の前提知識を要します。現時点でネットや個人の情報発信に全く興味関心のない方に読ませてもちんぷんかんぷんの記述がありますので、他人に勧める際には要注意。

「50代にもよくわかる」解説とはいかなるものか? 私の興味はそこにあったわけですけれども、「なるほど」と思わされました。抽象的な話はしない。価値判断は具体的な事例に対して行う。(いわゆる)知性については、信頼してよい。注や解説をつけすぎない。技術解説は目的と行動の1対1対応に留意が必要。等々。

「ブログの何が楽しいのか」から説き起こす、よくできた入門書だと思います。類書に「超簡単!ブログ入門」「ブログの力」「ブログを続ける力」などがありますが、適度な熱があり、なおかつ軽快な文章スタイルは読みやすく引き込まれます。

1点残念なのは、ブログの始め方、活用法の解説に「ブログ人」が用いられていることです。著者が使い慣れていることは理解しますが、OCN 会員以外にとっては有料となるため、「試みにちょっと体験する」には敷居が高いように思います。高度な内容とは無縁なのだから、他社の無料サービスでも十分だったのでは?

Movable Type公式タグリファレンス

MovableType の簡明なタグ辞典です。値段が高いので詳細な解説が付されているのでは? と期待すると拍子抜けします。版型が小さくページも多くない、比較的コンパクトな1冊。「余分なレイアウト要素を極力減らし」たという紙面は、意外にきれいにまとまっており、見やすいと思いました。

他に類書がないので、MT のタグ辞典だけがほしい方は選択肢がありません。しかし最も詳細なタグ辞典は本書ではなく、「Movable Typeスタイル&コンテンツデザインガイド」の前半部分です。本書と同価格ながらタグ辞典として高級であり、しかもテンプレートカスタマイズの真髄を伝える後半は圧巻の内容。ただし「大きく、重い」本です。また、簡明なタグ辞典は「Movable Typeで今日から始めるカスタムブログ」の巻末付録や、「Movable Type標準ハンドブック」にもあります。

タグ辞典だけで1冊になっているのは、たしかに便利です。簡明な内容も、じつのところ不満ありません。ただ、私はケチな性格なので、値段がどうしても忘れられません。

2005-04-29

ウェブログのアイデア!

ウェブログの入門書、あるいは初中級の解説書です。「ウェブログ☆スタート!」から1年半、すっかりブログユーザが増えた現状を踏まえて、具体的なアイデアをぎっしり詰め込んだ本に仕上がっています。シンプルで落ち着いた雰囲気の紙面は読み物風で、ていねいに文章を追うことができます。

ウェブログには「形を作る楽しみ」と「記事を書く楽しみ」があり、本書は後者をフォローします。レンタルブログサービスの利用を念頭におき、技術面のカスタマイズにも深入りしません。300ページを超える本文は、ウェブログ運営の計画、設計、実行、確認に費やされています。中でも計画立案の参考になる情報の充実ぶりは素晴らしく、多くの類書がある中でも頭ひとつ抜けています。

本書は「コンテンツの充実こそウェブログの醍醐味」という正攻法、正統派の理念を強く打ち出しており、非常に好感が持てます。

ただし、このマジメさ、真っ当さには、逆にちょっと気をつけていただきたいところ。アフィリエイトで大儲け! 著書が売れまくり! ブログで人生が変わった! そういった話に惹かれてブログに興味関心を抱いた方には、「不純な動機」系の解説書(例えば「超カンタン! 最強メディア ブログ成功バイブル」)をお勧めします。

2005-05-01

3秒でお客をつかむホームページの作り方

コピーライティングの入門書です。プロ向けではありません。素人なのに最前線でコピーを書かねばならない中小企業従業員向けの一冊です。

従来、コピーライターの少なからずはデザイン事務所に所属しており、広告の製作料金にはコピーの代金も含まれていました。しかし中小企業における経費削減の要請は厳しく、昨今のホームページ製作案件においては、コピーやテキストの「完成品」を発注側が用意するケースが非常に多くなっています。

基本的には紙媒体の広告などから言葉を持ってくることになりましょうが、ホームページを充実させていくならば、それだけでは絶対的にテキストが不足します。言葉の変更が必要なケースもままあります。素人が、いちいち営業会議を開くことなく個人の裁量で言葉を書かねばならい状況で、本書は大いに役立ちます。

ただし、コピーライティングに「正解」を自動的に導く「法則」があるはずもなく、本書に記されているのは抽象的なお題目に過ぎません。結局、自分で言葉を見つけず、「正解」まで教えてほしいなら、コピーライターに依頼する他ないのです。この点、要注意。

2005-05-23

超カンタン! 最強メディア ブログ成功バイブル

ウェブログの入門書です。ブログ事始めの簡潔な解説と、ブログで何かに成功した方やブログ文化進展の旗手へのインタビューから構成されています。用紙、レイアウト、造本いずれも読みやすく工夫されており、薄灰の紙色とモノクロの紙面も地味な印象とは裏腹に効果的。スイスイ読了できるでしょう。

難しい話はひとつも出てこない本ですが、読者には注意が必要です。本書のタイトルにあるとおり、そして本書の解説を読めば理解されるとおり、ブログをはじめるのは簡単です。では継続するのも簡単か。それは人によります。そして、ブログで成功するのは並大抵のことではない。「できそう」と「できる」は違います。

「成功バイブル」を名乗る本の全てがそうだといっても構いませんが、たしかに成功者は実在し、「こうやって成功した」という法則もあり、それらは必ずしもただの思い込みではありません。「なるほど、こうすれば成功できるのか」と納得できます。希望がわき、やる気が出ます。しかし、それ以上は求めない方がいい。

燃える情熱をかきたてるのも、ひとつの読み方です。しかし私は、疲れたときに元気を出すために読む本として読むことを勧めます。共著の解説書とせず、ブログを愛する人々の肉声をインタビュー形式でまとめた本書の真価は、そのような読み方においてこそ発揮されると思うのです。

ホームページ・ビルダーV9即効活用ガイド

HPB9 の入門書です。低価格なので当然ページは少ないのですが、内容は充実しています。もちろん機能の網羅性には欠けますが、重要な内容を最短距離で解説する手際は見事です。

HPB9 には豊富な機能が備わっていますが、その全てを活用する必要のある人はほとんどいないし、300ページもある「入門書」すら、オーバースペック気味ではあります。大半の一般ユーザが本当に知っておきたい内容は、本書に全てまとまっているといってもよいでしょう。

ここで疑問の声が出るかもしれません。HPB9 の取説は相当に内容が詳しいので、本書は無用ではないか、と。たしかに、取説をスイスイ読み進むことができる方にとって、本書は無用の長物かもしれません。しかし少なからぬユーザにとっては、いかにもマニュアル風の取説よりも、一貫した作業を指示するチュートリアル形式の本書の方がとっつきやすく、理解も進むはずです。

索引から項目を辿って説明を読むなら、むしろ取説の方がわかりやすい箇所もあります。しかし何の予備知識もない方が HPB9 を駆使して最初のウェブサイトを完成させるまでの期間、本書は非常に役立ちます。

なお、本書は一気に全部読む必要はありません。前半だけでウェブサイトは完成できますので、後半は興味に応じて読み進んでください。

Dr.BlogのMovable Typeスタイルデザイン&テンプレート集

MovableType の入門書です。本書は「初心者ユーザが、付録 CD 収録のテンプレート集を活用するための技能を身につけ、HTML や CSS について不勉強なままきれいなブログを運営できるようになるための本」です。

MT のテンプレートは、一般人向けの画像素材などと異なり、簡単には扱えません。MT の基本的な仕組みと考え方、テンプレートの構成、スタイルシートの初歩、HTML の断片的な知識などが身についていないと、サッパリ理解できない作業を要求されて挫折します。

そこで本書は、アッサリ割り切った紙面構成と解説スタイルを採用し、システマティックに技能を高められるよう工夫しています。先生と生徒の対話形式も楽しい。紙面はカラーでイラストも豊富です。ていねいに読み進めば、不安は何もありません。類書「即実践!ブログ徹底カスタマイズ術」よりは、本書を勧めます。

最後に注意点をひとつ。本書を読んで HTML や CSS を「わかったつもり」にならないこと。テンプレートタグも、巻末付録だけ眺めたって全貌を理解することは困難です。「本書の先にある領域」へ進むためには、多く学習ステップが必要です。限界を知りつつ使うなら、素晴らしい1冊といえましょう。

ビジネスブログのつくりかた 集客・営業・顧客サポートまでこれひとつ!

ビジネスブログの初級解説書です。中小企業や自営業のウェブ製作担当者にお勧めします。

本書には2つの流れがあります。一つ目は、いわゆるブログらしいブログを立ち上げ、情報発信していく方法とアイデアの提示。二つ目は、従来は予算不足で CMS を導入できず「更新すべきなのに更新が滞りがちだったコンテンツ」を、簡易 CMS であるブログを使ってドンドン更新していこう、という提案。

まず目をひくのは前者の記述ですが、どちらかといえば興味深いのは後者の提案。読み落としのないよう、注意深く読まれることを勧めたいですね。予算を下げずに更新を増やすか、更新量をそのままにコストダウンするか。貧者の CMS としてブログを活用し、情報発信のコストを下げることは、いずれにせよ利益に直結します。

一方、ブログらしいブログは個人メディア向きのスタイルであり、(自営業者ならともかく)一般企業の広報に向いているかどうかは疑問です。新たに情報発信のチャンネルを増やすのは冒険でしょう。「よい結果」として紹介される事例も、コスト以上の効果が出ているのかというと、怪しいように思われました。

その他、効果の検証や RSS の活用など、雑多な話題も手際よくまとめていますが、やはり話が小さい方へ流れていく(システム云々ではなくウェブ担当者個人の作業を想定しているらしい)のが本書の特徴です。大企業への導入を検討中の方には「ビジネスブログブック」をお勧めしておきます。

2005-06-01

小さな会社の逆転戦略 最強ブログ営業術

ビジネスブログの初中級解説書です。タイトルは「小さな会社」を謳っていますが、具体的には会社の顔がほぼ一人のキャラクターに集約される規模の事業体を想定したものです。

本書は企業サイトに簡易 CMS としてのブログを導入しようというのではなく、いわゆるブログらしいブログを運営して、仕事の成功に結び付ける方法を具体的に解説しています。「ブログで始める超速起業入門」「ブログではじめる!ノーリスク起業法のすべて」といった起業本は、読者の興味を引く有用な記事を書くことが大切、と教えてくれるものの、具体性に欠けていました。本書が待望された所以です。

私的な日記では読者も増えず、仕事にも役立たない。かといって「お客様へのお知らせ」でもダメ。ブログの雑多な機能もうまく使わねば逆効果。ではどうすればよいのか。本書はコミュニケーション志向のブログ運営術と、ブログの人気を無理なく仕事につなげていく手順を具体的に解説します。

読者は事前に著者のブログを確認すべきです。一見ふつうなので拍子抜けし、なぜ一部のブログだけが成功するのか、疑問がわくでしょう。そこで本を読めば、成功の秘訣がわかります。再度、著者のブログを読むとき、世界が変わって見えるはず。成功法則がわかれば誰でも成功できるか? いや違う、と理解されるはず。新世界に希望を見出すか否かは、あなた次第です。

家にいながら月30万円!ブログで楽に儲かる方法

ブログによる小遣い稼ぎの入門書です。タイトルは派手ですが、「家にいながら月30万円!」と「ブログで楽に儲かる方法」の2つに分けて読むべきです。つまり、「家にいながらブログで楽に月30万円儲かる方法!」は書かれていません。月30万円儲けるためには苦労が必要で、楽に儲かる金額は高が知れています。

月30万円儲かった人が喜んでいるのは、趣味と才能と実益が一致したからであって、最初から儲けるつもりでブログをはじめた人が大成功する可能性は低いので要注意。成功者のインタビューは楽しいですが、慎重に読んでください。好きな仕事なら残業も苦にならず、才能と努力が合致すれば成果が出て給料も急上昇! といった、自己啓発本に書かれている成功事例と大差ありません。

といったわけで、月30万円儲かっている人の話は羊頭であり、本題はサーバのレンタル料金程度の金額を儲ける方法を解説した狗肉の部分といってもよいでしょう。しかし解説はていねいでわかりやすく、たしかにきちんと実践すれば、本書の代金くらいは回収できそう。趣味でブログをやっていて、少し小遣いを稼ぎたい方には、一読の価値があるでしょう。

紙面はモノクロですし、地味でシンプルな装丁、カバーもなくページも多くありません。タイトルは派手でも造本は堅実ということでしょうか。

ブログ自由自在 Movable Type 上級カスタマイズ術

Movable Type の中上級解説書です。本編全7章と2つの付録からなるボリュームたっぷりの内容。MT の入手と設置から中抜き無しで解説しているので、一定の経験と実力を有する「MT の初心者」には最高の1冊でしょう。紙面はモノクロ、辞書的な利用には向かない構成ですが、流れを意識した解説は読みやすいのでご安心を。

付録1が MT のインストール手順。付録2はテンプレートタグリファレンス。第1・2章がブログ作成を前提とした標準的なテンプレートの解説。第3章はスタイルシートによるデザイン調整法。第4章で Perl による MT 操作の概要と初歩を示し、第5章で実用的なプラグインの作成法を紹介。第6章はダイナミック・パブリッシングと PHP の活用法。第7章は CMS としての MT 利用法など。

真骨頂は Perl による MT 操作とプラグインの作成法を解説した第4・5章でしょう。既刊の上級者向け書籍「Blog Hacks」はプラグインの開発手順を自明とし、アイデアと完成したプラグインをポンと示しましたが、本書は Perl の初歩や MT の仕組みから説き起こして段階的な理解を導きます。他書に例を見ない解説であり、非常に有用です。

本書はプラグイン開発も視野に入れ MT の本格活用を目指す中上級者向けの解説書です。ウェブログ入門者には「ウェブログ・ビギナーズ」、一般の MT 初級者には「Dr.BlogのMovable Typeスタイルデザイン&テンプレート集」、志の高い初級者には「Movable Typeで今日から始めるカスタムブログ」、テンプレート機能を本格的に学びたい中級者には「Movable Typeスタイル&コンテンツデザインガイド」を勧めます。

教科書には載らないニッポンのインターネットの歴史教科書

広大なインターネット世界の中で、著者のばるぼらさんが関心を持ってきた領域について、比類なき情報量を詰め込んだ史書です。記録魔の著者が長年蓄積してきた情報に基づき、固有名詞と時日をきわめて重視した記述を特長としており、非常に高い信頼性を誇ります。マニアにはたまらない1冊。

タイトルの「教科書には載らない」とは、企業主体のトピックを基本的に扱わず、個人ユーザの活動を中心に歴史を語ったことの表明です。しかし個人ユーザの活動について網羅的に扱っているわけでもないので、要注意。例えば「メルマガ」「オークション」などの記述はありません。

著者の名を知らなかった方は、「ネットニューズ」「WAREZ」「巨大掲示板群」「個人ニュースサイト」「テキストサイト」「ウェブログ」「P2P」「動画・FLASH」「パソコン通信」「草の根BBS」という10個のキーワードをご確認ください。これら全てに縁遠い(遠かった)方には、お勧めできません。

本書の記述は読み物としてはいささか簡潔で、固有名詞の比率が高すぎます。まさに「歴史教科書」。副読本や親切な講師が存在しない現在、本書を楽しく読むためには読者自身の体験や興味関心で行間を補う必要があります。「何を語るか」という点で著者の個性が強烈に出ており、注意が必要です。

ところで本書は一部、たいへん読みにくいレイアウトとなっています。そして巻末に索引がない。本書の狙い・概要も書かれていない。この編集には怒りを覚えました。なお、日本のウェブ日記・ウェブログの一般的な歴史を読みたい方には「ウェブログの心理学」を勧めます。

2005-06-07

流行るブログ消えるブログ―読者が多い人、情報が集まる人、楽しめている人にはワケがある!

ウェブログの入門ムックです。タイトルは引っ掛けで、実際には主要ブログサービスの紹介が中心。各社担当者へのインタビューを核として、利用者数などの諸データ、特徴的な機能、人気ブログの紹介などが行われています。「このブログがすごい!2005」や「ウェブログ完全ガイド」と似た内容ですが、情報の新しさが特徴。

大半の記事が「インタビュー+補足解説」という形式で編まれています。話し言葉の方が読みやすいと思う方には嬉しいですね。また基本的に各記事は完結型の構成となっていますので、興味のあるページだけサッと目を通すことが可能。もちろんこのとっつきやすさは弱点でもあり、「結局、どのブログサービスがお勧めなのか?」といったあたりはハッキリしません。各サービスの特徴はわかるけれども、比較検討は読者がしなければならないわけです。

本書は初心者系一般ユーザを主な対象とした本なので、ヘビーユーザ(プチ論壇系の方々)とは異なる視点から書かれています。宮台真司、フクダカヨ、藍玉といったインタビュー対象の人選に「アレ?」と思われる方には向きません。各社サービスの紹介においても、初心者向け機能が主要な話題。そのあたりご注意ください。

HTML&スタイルシートレイアウトブック

スタイルシートによるレイアウトの入門書です。フルカラーの紙面は美しく、解説は簡明。ありがたい1冊。

このジャンルには「HTML&スタイルシート デザインブック」という労作が既に存在します。同書は懇切丁寧なステップ図解と膨大な補足解説というスタイルにより、「途中で挫折させない、疑問を残さない」ことに成功しつつも、「初級者がやりたいこと」から内容を逆引きするのは困難でした。

本書は対照的な内容・構成となっており、ステップの踏み方を要点のみに簡略化し、その代わり初級者が知りたい主要なデザインパターンを少ないページ数で網羅しています。レイアウトのみならずドロップダウンメニューなどパーツの装飾についても解説され、目次から引ける形で項目化されており、サッと引けてすぐ使えます。

なお本書はあくまでも実践レベルの知見を集約したもの。HTML とスタイルシートの勉強をこれからはじめようという方は、まず「HTMLとスタイルシートによる最新Webサイト作成術」などの入門書で足固めをしてください。また中級者には「スタイルシートによるレイアウトデザイン見本帖」の方が参考になるでしょう。

スタイルシートによるレイアウトデザイン見本帖

スタイルシートによるレイアウトの初中級解説書です。ほぼ同時期に発売された「HTML&スタイルシートレイアウトブック」が明確に初級者をターゲット狙っているのに対し、本書はどちらかといえば玄人向け。シンプルで落ち着いた配色・レイアウトは解説の方向性をきちんと体現しています。

タイトルは「見本帖」ですが、例示されるパターンはわずかに12例。チャート式で典型的なパターンと解法をサッと引けるつくりになっているわけでもありません。本書はそういった安易な方向性を狙っているわけではなく、作例を通してスタイルシート活用の総合力を高めようとしているのでしょう。

クロスブラウザの問題や各種トラブルへの対処法など、有用な情報が各所で補足的にとりあげられています。サンプルの記述をコピーアンドペーストしてお終い、という読み方ではもったいない。ページも少なく読了に苦労しない本ですから、最初から順を追ってていねいに読み込んでいくことを勧めます。

類書・関連書籍に「CSS+HTML RECYCLE BOOK」「HTML&スタイルシート デザインブック」があります。用途・解説スタイルにそれぞれ特徴がありますので、目的にあわせて選択されるとよいでしょう。

2005-06-27

ビジネスブログで儲かる会社に変わる

ウェブログの入門書です。タイトルは引っ掛けで、実際にはビジネス利用を切口にウェブログの文化と周囲を取り巻く社会状況をまとめた評論集と考えた方がよいでしょう。「Aという状況がある。その理由はBである。そこでCすることを勧めたい」という流れで、抽象的な内容を実例を通して語るスタイルです。

本書は簡易 CMS としてのウェブログについて大きな関心を示さず、コミュニケーション志向の機能と文化に注目しています。従来の静的なウェブサイトと比較して読者の反応を得やすいことを強調し、この新たな情報ツールをうまく活用すれば会社の儲けにつながる、と話を展開します。さて、いかがなものでしょうか。

著者はあちこちの企業に取材していますが、ウェブログ導入の成果が会社の業績に現れている事例はほとんどありません。広報に反響があれば嬉しい。多少の売上向上も期待できそう。けれども、費用対効果は?

商売っ気の薄い淡々とした内容だけに、ビジネスブログの現況について趣味・参考のスタンスでお勉強するには最適の1冊かもしれません。一方、具体的に導入を検討されている方には「ビジネスブログブック」「ビジネスブログのつくりかた 集客・営業・顧客サポートまでこれひとつ!」「小さな会社の逆転戦略 最強ブログ営業術」など他書を勧めます。

はてなの本

はてなダイアリーとはてなアンテナの初級解説書です。現時点で最新の解説書であり、「はてな公式ハンドブック」「はてなダイアリーガイドブック」よりは本書の方がお勧めです。カラーの紙面は見やすく、レイアウトや図解もよく工夫され、わかりやすい解説となっています。

本書は操作方法などを解説した Side-A と、はてなの文化を解説した Side-B に分かれています。後発書籍だけに Side-A がよく練られた内容となっていることは既にご紹介した通りですが、本書の白眉は SIde-B です。

ユーザ数こそブログ界 No.1 の地位を他サービスに譲ったものの、はてなコミュニティの存在感は現在も際立っています。多くの人を魅了し続けるはてな文化の過去、現在、そして未来を語る近藤社長のロングインタビューなど、はてなユーザにはたまらない記事が並んでいます。

ただし、はてなは日進月歩のサービスです。発売から1年も経っていないというのに、本書に掲載されている画面写真の大半は、既に再現できなくなっています。したがって、今はてなダイアリー操作の入門書がほしい方には、「誰でも簡単!手取り足取り 「自分流」ブログ入門」など他書の検討を勧めます。

2005-07-01

Movable Typeブログテンプレート&デザインガイド

CSS によるデザインテクニックの解説書としてもお勧め

Movable Type の初中級解説書です。上品なカラー紙面とかゆいところに手が届くステップ図解はエビスコムの十八番。読み飛ばすことなく、きちんと読み込むことを強くお勧めします。

本書は「MT をブログとして用いた場合のデザインカスタマイズ」に特化した解説書です。MT のインストール方法は解説しません。HTML や CSS の初歩的な文法知識は既知として進みます。またテンプレート活用の応用テクニックは対象外。テンプレートタグの解説も簡素です。

MT のデザインカスタマイズはテンプレートの知識と不可分ですが、著者は「マルチユースのベーステンプレート」というアイデアによりシンプルな解を提示しています。本書のメインはヘッダーや個別記事など部分装飾のテクニック解説と、各要素を上手に組み合わせた美しいデザインの実現手順解説です。

従来、MT の入門書はインストール手順とテンプレートの初歩的知識、CSS の基本を解説しておしまいでした。中級書は RSS やプラグイン、外部ツールの活用などへ進んでしまう。簡単に使えるサンプル集はあっても、自分でサンプルと同レベルのデザインを作る技能を身につける本がありませんでした。

まさに本書は待望の1冊ですが、先述の通りターゲットが限定されていることにご注意ください。MT を導入できた、HTML や CSS はわかる、オリジナル志向、デザインテクニックを学びたい……そんな方に最適の1冊。逆にこれらの条件を満たさない方は他書をご検討ください。

2005-07-02

SNSを深〜く知って長〜く楽しむための本。

大人向けの堅実な SNS 入門書

SNS の入門書です。「SNS とは何か」からはじめて、主な SNS サービスの紹介、mixi を舞台とした具体例、そして SNS を楽しむコツまでを解説します。大げさな方向に流れることなく、等身大の SNS を描いている点で信頼できます。

モノクロの地味な紙面と落ち着いた装丁が体現しているように、まじめな内容を特徴としています。楽しい話ばかりでなくトラブルについてもきちんと説明し、様々な価値観や状況に配慮した論調を志向していることには好感が持てます。大人向けの1冊といえます。

逆に、もっと明るく楽しい解説書がほしい方には、カラー紙面と凝ったレイアウトが特徴の「ソーシャル・ネットワーキング・サービス 縁(えん)の手帖」がお勧めです。SNS に馬鹿馬鹿しい楽しさを求める方には「ミクシィの歩き方」が参考になるでしょう。

なお本書はあくまでも入門書です。さして深い内容を扱っているわけではないので、中級者には退屈かと思います。ご注意ください。

mixiでこんなことまでできた!

初級者から中級者へステップアップしたい方にお勧め

mixi の初中級解説書です。多くの小項目からなり、mixi をしばらく使っている人が疑問に思うこと、躓くこと、悩むことなどについて、簡潔かつ具体的に易しく解説します。読者は気になる項目を拾い読みされるとよいでしょう。版型が小さくページも少ないので、最初から全部読み通してもかまいません。

mixi は招待されることだけが難しく、登録後の基本操作はとても簡単です。旧交を温めるためだけに用いるなら、おそらく本書は必要ありません。問題は mixi で新たな交友関係を築き、何らかの形で人生にプラスの影響を与えようとした場合に生じます。ふつうの人は、第一歩の踏み出し方にさえ迷うでしょう。

本書は他ユーザとの交流に関する事柄を中心に、ていねいな説明を試みています。初級者が中級者にステップアップするために必要な「常識」がコンパクトにまとまっているので、いろいろ野望を抱いている方はまず一読されることを勧めます。

ただし本書はあくまでも初級者向け。ヘビーユーザには当たり前すぎる内容でつまらないでしょうから要注意。

Webサイトコンテンツ増強テクニック

Amazon ウェブサービスを活用したい方にお勧め

Web サイト作成の中級解説書です。モノクロ紙面の地味な本ですが、素晴らしい内容。ビッダーズ Web サービスと Amazon ウェブサービスの活用法について詳細に解説していますので、一歩先のアフィリエイトに興味のある方には非常にお勧めできます。

「Part1 コピー&ペーストでHTMLタグを貼り付ける」はありがちな内容ですが、BlogPeople をはじめとして主要なサービスを網羅しているのがよいところ。ただし基本的に、第1章の内容に最も興味のあるというレベルの方は、他社から刊行されているカラー図解中心のブログ入門書と比較検討された方がよいでしょう。

「Part2 RSSフィードを表示する」以降が本書の真骨頂。解説のレベルがグンと高くなります。ソーシャルブックマークサービスの解説もあります。

そして「Part3 XSLTスタイルシートでWebサービス」が本書のメインディッシュ。Web サービスや XSLT の前提知識のない方でも理解できるよう、ていねいに解説されています。Amazon ウェブサービスに興味があるけれど、XSLT などが理解できずに困っていた方には福音となるでしょう。

なお、既に各種サービスを利用している人にも役立つような高度な内容はないのでご注意ください。