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8月のFW
1日
多才な老人
僕は今でこそ三流の底辺校と称される大学にいるが、
その昔は少々有名な名門校に中高6年間いた。
同級からは一流大学が当たり前のように出ていて、
同窓会などでは肩身が狭いと思わないこともない。

進学校で避けられないのが低学歴者蔑視である。
低学歴といっても対象は同年代ではなく、
主として社会人に対してなのだが、
「お前も勉強しないちょああいう人になっちゃいますよ」
という教育を受けてきたせいか、
そっくりそのままの発言をする生徒が随分いた。
僕は出身も育ちも高所得者層の街ではないから、
自然にそう云う発言の出る空間というものに
随分違和感を感じた覚えがある。
(親戚にタクシー運転手がいると話したときの
 あのまわりの驚き!)

さて、今日は社会教育主事で和凧教室の見学をした。
講師の先生は凧業界では第一人者で、
教材は竹籤一本に至るまで完全な自作だった。
伝統工芸の関係者らしく、使用する刃物には詳しい。
なんせ凧と刃物で日本を回っているくらいである。
他にも花笠踊りの会を主宰したり、
(有名な会で会員は現在300名いるのかな?)
火縄銃に凝ったり、神話と郷土史を研究したり
(通史の知識も本物です。受験生よりできるでしょう)
とにかく多才な人でした。

彼は外貌は見るからに冴えない老境の人で、
事実、高等教育を受けているようには見えませんでした。なんだかね、高校時代のクラスメートが見たら
どういう言葉がかけられるんでしょうかね。
30日後、同窓会です。 

2日
旧友の夢が散った夜
私が富裕階級の出自ではないことは既に何度も書いた。
生まれ育ったのは下水施設もろくにない町で、
子供達の教育程度や犯罪現象も相当酷いものだ。
今でも成人式のテーブルは隔離されたような所にあり、
堅気の地区とは完全に雰囲気まで途絶されている。
新聞には知った名の親兄弟が挙げられた記事。
恐喝・傷害・賭博
同級生が挙げられないのは未成年という理由による。

今日、昔の同級生が逮捕されたとの報が地方面に載った。
4人がかりで大学生の車を襲撃した強盗傷害罪。
4人のうち3人は同じ小学校で、
主犯と書かれているのが同級生だった。
家庭環境などの絡みも小学生のうちから知られ、
この事態に至る道筋はある程度予測されたものだった。
20人しかいなかったクラス、
何人かは確実に犯罪幹部候補生だった。

強盗傷害罪――最低刑は懲役7年、最高は無期
小学校の卒業アルバムには、彼の夢が記されている。 

3日
扉は開かれた
ちょっとした何気ない一言が、
未知の世界の扉を開く鍵になるなんてことは
現実の世界でもよくあることだ。

牛丼をつかさどる神様の、見えざる手に誘われて、
牛丼フリークの僕はまた新しい発見をしてしまった。
ひょっとしたら世間的には常識なのかもしれないが、
2日に1食は食ってるくせに、
僕はこの事実を今日の今日に至るまで知らなかった。

僕はかつて華原朋美の出てた音楽番組で
「ツユタク」なる無料サービスがあるのを知り、
以来、欠かさずこのサービスを利用している。
ところが今日、280円となった吉野家に
友人と一緒に入って、第二のサービスを知ったのだ。

友人曰く「やったー、タマネギ多い! 好きなんだよね」
するとオバサンはすかさず返した。
「そういう時はね、「ネギタク」っていうんだよ!」

この瞬間、牛丼の神様は高らかに
僕らを新しい世界へと招き入れてくれた。
合言葉は「ネギタク」、タマネギが大量に投下された丼。
さあ、みんなも280円の牛丼。
楽しんでいこうぜ。 

4日
いい服着ても、厄日は厄日
14時にシャツとパンツ1枚で目覚めたら、
まずは人間らしい服を着なければいけない。
今日は赤茶色の無地Tにエドウィンの綿パンを履く、
そうしてロベルト・ベッツィーニの
素肌の上にきたら警察必至の薄手ジャケットを着る。
胸にはドッグタグ、指にはリング。
どこへ行くか? ゲームセンターと昼飯だ。

ゲーセンではビーマニ、クラブミックス。
昨年から初めて、1万円以上投資しているが、
未だにレベル4以上がクリアーできない。
知人にギャラリー級がいるが、今日もダメだった。

隣にあった店舗エッセイでネタにした店、潰れていた。
横断歩道、車に轢かれそうになった。
運転手の黒チーマー、裸だった。
誰か彼に人倫を教える保護者はいなかったのか?
自転車でガムを踏みつけた。最低の気分だ。

昼食にはラーメン・ジュース・アイス。
300円のはずが、350円とられた。
ラーメンはいつもの一平ちゃんだったが、
特売期限が昨日までだったのだ。
無為な一日、HPをいじってく過ごす。
家にいれば、これ以上悪いことは起きまい。
(追記;
 と、思ったら助役からFDが届いた。
 広場改革データを僕のPCに置換するのである。
 ところが…過半のデータが破損しているらしい
 厄日はいつだって厄日である) 

5日
市街戦に野戦服はダメでしょう
昨日、就職大手のRという会社から、
就職情報HPのIDとパスワードが送られてきた。
元々普通の就職などはしない(できない)予定なので、
そのHPを熟読吟味する必要はないのだが、
折角送ってきたし、どうせテレホだからと見てみた。

一読、頭に来たね。
あのさあ、様々な種類の合格体験記、
(つまり面接だけじゃなくて服や靴などの体験も含む)
内定企業が上場・有名企業なのは当然としても、
出身大学がいずれも超一流大学というのはどういうこと?
努力しなくたって入れるじゃん!
東大生が旧財閥系の金融に入りましたとさ。
慶応生が大手テレビ局に入りましたとさ。
一橋大生が総合商社に入りましたとさ。
それで? そんな話、何の役にもたたないじゃん。

あのさあ、公称年間利用者50万人というけどさ。
本当に50万人があれ読んで、参考にしているのかね。
そもそも50万もいればレベルの問題が…
就職本にしたって書いてあるのは本当に大手だし、
うちの大学の就職率から考えると、とてもとても…

従来の上場企業の合格体験記は底辺大には一切不要。
中小企業や零細企業に受かるための体験記、
どこかにないかねえ?
(と、書くと高校時代の一流大学に行った同胞に
 えらく馬鹿にされんだろうなあ。) 

6日
大学は学問の場ではないけれど・・・
学力第一主義の弊害を指摘されてからか、
一芸入試が理想的入試法のように云われて久しい。
ケンダマとか訳の解らない技能で「個性的」と判断し、
入学させてしまう大学も大学なのだが、
企業の採用担当者もそれに劣らぬ
阿呆らしい価値観をお持ちの方がいらっしゃるようだ。

今日も合格体験記を見ていると、
そういう伝説にでもなりそうな阿呆らしい体験記が
時々散見される。
曰く、服装はアルマーニ15万円で合格とか
パソコンは20万円以上買うのが普通だとか
馬鹿なことも書いてあるが、また自己PRが泣けてくる
自転車で世界縦断だとか英仏海峡を泳いだとか
ダンスパーティーで学生1000人を集めたとか、
ゲーム大会で優勝したとか、面接で逆立ちしたとか、
アマゾンの奥地で大学無視で学校作っていたとか
そういう奴が採用されていたりする。

そのうち「覚醒剤を売りさばいて億単位の資産」とか、
「キャバクラのスカウトで100人を風俗店送り」や
「大学生活で抱いた男は1500人」てなところから
「狙った獲物は百発百中の狙撃手」なんかが
採用見本になりかねない。

僕はそういう奴とは仲良くなりたいと思わないけど、
世間ではそういうのが重宝されるらしい。
つくづく変人には生きにくい世の中だ。 

7日
考古学少年だった頃
中学・高校の頃、友人の趣味に影響を受けて
にわか考古学少年だったことがあった。
幸い僕の住む街は古墳時代は栄えていたらしく、
農閑期である冬などに郊外の農地に行くと、
様々な土器や鏃、石器、黒曜石の欠片を拾えた。

一度など高校の先生を巻き込んで、
土器研究会なる組織を作ろうと目論んだこともある。
その非公認組織は先生参加の上で発掘現場に忍び込み、
バケツ一杯の土器を粗方掘り尽くすなどという
盗掘脱法行為を働いたこともあった。

今日は社会教育実習で発掘基地を見学することが出来た。
指導職員が学芸員資格を持つ専門家でもあり、
生涯学習課という僕の属している課は
そういう文化財も管轄しているというのだ。

たくさんのつなぎ合わされた土器、
県の重要文化財指定の貴重な人型とムササビ型の土器
鷲づかみできる量の石器たち。
発掘基地である文化財倉庫には
大量の古の史料やその分析記録が眠っていた。

今、手元にはっきりと縄目ついた掌ほどの欠片がある。
教科書どおりの赤茶けた厚い縄文土器。
この欠片を見るたびに恒久の歴史に思いをはせる。
教科書の中でしか知らない世界。

縄文・弥生・古墳・飛鳥・奈良・平安・鎌倉・室町
江戸・明治・大正・昭和・平成

ずっとこいつは土に埋もれていた。
そういうロマンを今日久しぶりに思い出した。
文化財倉庫の暗い闇は、何故か落ち着く空気だった。 

8日
怪談を一席
夏の暑い夜、まずは怪談を一席。
ネタ元は家族の勤めている某デパートの朝礼。
上司からの一言メッセージで聴いた話だけど、
彼はいきなりこういったそうです。
「昨日、人間でないお客様がいらっしゃいました」

そのデパートでは、ポイントカードを発行していて
そのレジ係はポイントカードの勧誘をしていた。
程なく、やってきたのは二人連れのお客様。
彼女らの質問にレジ係はマニュアル通りの説明をした。
「100円ごとのお買い上げにつき1ポイントたまり
 ポイントは1点1円でお買い物にお使い頂けます」
そういった直後、どこからともなく声が…

「それはよかったですね」

レジ係は当然相手を見ているが相手の口は動いていない。
周りを見ても閉店間際の店には誰もいない。
声は勿論、至近距離から発せられたような囁き声である。
「今、何かおっしゃいました?」
そう尋ねたのはレジ係でなく、客のほうだった。
「いいえ、お客様では?」と返すとレジ係も首を振る。

ではもう一人のお客様かと訊いてみると、
彼女もきょとんとして「何もいってませんよ」
そして続けた。
「なにか聞こえましたか?」

二人にしか聞こえなかった声。理由は色々考えられる。
悪戯かも知れないし、レジ係の狂言かもしれない。
(このレジ係は心霊体験の豊富を前から誇っていた)
またはライバル店の特殊工作員かもしれない。
ただ、一夏の涼には足る恐怖体験とはいえよう。

店幹部は原因究明を約束した。 

9日
至高の存在への挑戦
人工授精とやらの功績で、
60歳の女性が妊娠したそうな。日本新記録であろう。
新聞はこの快挙に概ね喜ばしいコメントをつけたが、
「妊娠」それ自体がめでたいことはさておいて、
どうも不気味さを感じてしまうのは僕だけだろうか?

まず気になるのは、これって自然の摂理に反してない?
厳格な倫理観を持つ人は遺伝子組み替えやクローンを
神への不敬と主張しているが、これは一体どうだろう?
彼らの多くがが人工授精に反対していたが、
現在は殆どその声は聞こえてこない。
今回の事件は彼らの提言が使えるものだが、
あまり表立った批判は聞こえてこない。

今回の事件、不妊に苦しむ話とはワケが違う。
60歳! 生理などはまず上がっている年である。
この年で妊娠など、神をも恐れぬ行為だと思うが、
誰もそれを指摘しないのが不思議だ。
(ちなみに男性の腹膜に受精卵を移植すると
 男でも妊娠させられるというが…ホントかねえ)

他にも親の高齢による様々な問題も考えられる。
現実的に云えば経済問題・子供の発育にも疑問は多い
(なんせ前代未聞だ、何が起きても不思議はない)
それに五つ子や大家族、悪魔ちゃん騒動など
誕生がウリの子供の家は不幸になりやすい。
手放しでは喜べない問題だと思う。

12歳の時、8歳の子が妊娠したという記事を読んだ。
南米の女の子だというが世界記録だ。
これを読んだときのあの後味の悪さ。
それを10年ぶりに思い出した。 

10日
参議院⇔芸能界
先の参院選挙では、タレント候補の乱立が問題になった。
タレントとは云ったって、波に乗った人が出る訳もなく、
盛りを過ぎた中年が乱立するおぞましい選挙だった。
ただ僕は世間で云うほどにこの問題を憂慮してない。
大仁田や巨泉だって、政党のバックがなければ
とても当選していたとは思えない。

さて、参院選は芸能界から政界へのベクトルだったが、
選挙が終わったら突然それが逆向きに作用し始めた。
云うまでもなく、小泉家の子供たちである。
政治家の道楽息子とは庶民が憤激しやすいイメージだが
今回、それを全く裏切らない展開だった。
23歳で日大3年生。コネとか効かなかったのかね?
更に凄いのは芸能界入りで大学を中退ってこと。
今は先行きが不透明過ぎるの芸能界への嫌気から、
タレントが大学に通い始める趨勢があるのに、
今回のは全く逆行しているといえよう。

まだ彼の芸能界での将来は何ともいえないが、
生涯続けられるほどになるとは、どうも考えにくい。
小泉人気だって永遠に続くわけでもないしね。
それでも、彼には絶対に次の転職先が保障されている。
「参議院」に就職すればいいのだ、勿論議員として。
「無知でもいい、これから勉強すればいいんです」とは
先の衆院選での小渕優子陣営の名言だが、
左様、参議院はまさしく彼らのために存在するのだ。 

11日
隣の暴走族
我が家の隣に高校2年の暴走族が住んでいて、
溜まり場と化している話は日記などで散々書いた。
現在は夏休みだが、僕は実習のお陰で朝方生活で、
彼ら(いつも誰かしら泊まっているのだ)は夜型。
出会うこともなく、お互い平和に共生していた。

ところが昨日、家人が妙なことを言った。
「今日、デパートでね。隣の**くんに逢ったのよ」
「ふーん」と僕。近場のデパート、いても不思議はない。
「それが**くん、パンチパーマになっちゃって、
 青くてダブダブのボンタンを履いてたの。
 上半身のインナーは裸だったし、ヤクザみたい」
「またまたァ、いくら族だからってそんなバカな…」
と、からかうと家人は首をひねった。
「そうかなあ、駐輪場には隣の改造バイクがあったけど。
 でもなんか凄い痩せてたから、他人かもしれないなあ
 顔はソックリだったけど」
彼はガタイは相当いいことで知られている。
痩せているなんてどう考えてもありえない。
最後に見かけたのは5月の中頃だが、
その時はタフな体型に変わりはなかった。
僕は見間違いだろうと一笑に付した。
大体なんで高校生がそんなアナクロな格好をする。
去年の夏は金髪ガングロだったろう?

そう思っていた。
ところが今日、彼に逢ってしまったのだ。
頭はパンチ、下半身はボンタン。
「あら、こんなのがまだいたのね」というのが第一印象。
ところが驚愕したのはその体格だった。
顔はそのまま、体はアバラが突き出ている。
まさか、本当に薬物に手を出しているんじゃなかろうな。
一晩中のバカ騒ぎは若さとアルコールの故かと
今の今まで思っているのだが。 

12日
電車内の忘れ物は・・・
今日は少々足を伸ばして、デパートに行ってきた。
と、いっても日記によく出てくる近場ではなく、
それよりは離れた随分古いデパートである。
高校の近くにあり、昔はよく寄ったところだ。
今日も安い個性的な服などを物色して歩いたのだが、
ふと張り紙に目がとまった。今日は催物があるという。
「鉄道忘れ物市」だ。

鉄道忘れ物市とは読んで字の如く、
電車内に置き忘れたものを鉄道会社が回収し、
一定期間は保管するのだが、その後競売にかけるのだ。
それを買い取った商人(おそらくバッタ屋)が、
全国のデパートを巡って催物を行うのだ。

商品も随分色々あって、
安いものは1本10円のペンから、
高いものは万札を超える高級腕時計まで
当然のことながら安い、そして概して汚い。
本も大量にあったが、汚れが激しくて買う気になれない。
(日芸の学生が出版した小説集が20冊もあった。
 御可哀想そうに、山本ゼミ生。)
テレカや金券は7割で売るらしい。
つまり30度数残っていれば210円で売るらしい。

そこで今日、吃驚したのはフロッピーディスク。
殆どはソフトウエアだったんだけど、
なかにはどう見ても個人のものだと思うラベルがある。
1枚150円、いくらなんでも高すぎる。
手間暇考えると一々初期化してるとも考えがたい。
怖いから買わなかったけど、電車でのFD、
つくづく気をつけましょう。 

13日
当世水着論
もうそろそろシーズンオフなのかもしれないが、
デパートでは水着などが売られている。
僕は泳げないし、泳ぎたくもないクチなので、
別にそういうところには興味がないのだが、
通路を歩きがてら横目で見ると、
色とりどりな水着が特設コーナーに泳いでいる。

そこで吃驚するのは女性用の水着である。
男性用でも驚くのはあるが量的に比にならない。
僕のような旧式人間はプールといったら学校のプールで、
中学・高校は男女別だから、
女性の水着姿で記憶にあるのは小学校。
スクール水着の観念から見ると本当に驚く。
(別にスクール水着が基本だと思ってる訳ではない)

大抵は倫理道徳は死に絶えたと思うデザインで、
こんなもん本当に着ていく気かよ、と
もし周囲の人間がチョイスしたら止めに入りそうである。
マジメ男がそういうのを見ると、沸きあがる感情は…
「嫌悪感」「侮蔑感」「嘆世感」「自棄感」「劣等感」
とにかくロクな気にならない。
また、そのあまりにも高いお値段。
なんでこれだけの布キレにそんな値がつくのかね。
これは下着にも云えるが、さっぱりわからん。

こういうのを買う奴ってのはどんな奴?
そして、どんな面さげて買うのよ。
そうレジ打ちやってる家族に訊いたことがある。
これが面白いことに女性と名のつく生き物は
誰がどんな水着買ってもおかしくないとのこと。
美醜老若、体の大小関係なし。
ただ集団で買いに来た場合は(男性同伴も含む)
派手な水着が多くなりがちとのこと。見栄は怖いね。
表情は派手な水着ほど神妙な顔してるってサ。

しかし女性ってのは大変だよね。
美しくないのは罪って強迫観念があるから。
ま、その観念の分だけ男性よりは優位に立てるんだけど
美しくなければならないが故の出費、努力、その他、
僕には真似できません。 

14日
朕と汝ら村民との紐帯は…
なんだか偉そうなタイトルでスイマセン。
タネを明かせば昭和天皇の人間宣言のパクリなんすけど。
とにかく云いたいことを平易に書くと
「僕と村民さんの関係」という意味になるわけです。

僕と一般読者のみなさんのとを結ぶメディアは、
このHPを媒介に、掲示板とメールしかないわけです。
メールはみなさんあまり使わないのが一般的らしく、
極々たまにしか貰えないので、
掲示板がメインということになります。

昨日、新掲示板を開設しました。
旧掲示板は8月中は閲覧できますが、
その後は消去されます。
更新記録を見ると5月10日に建設されたようなので、
3ヶ月あまり使ったということになりますか。
1日平均3つくらいはカキコが入っているので、
もうずいぶんな量になります。
古いカキコは消されますので読めませんが、
思い出にはしっかり刻みつけられています。

ずっと仲良くしてくださる方々、
すっかり御無沙汰になってしまった方々、
意外なあの人、お馴染みのあの人、
とにかく僕の執筆の原動力、
新掲示板でもよろしくお願いしますね。 

15日
自分で自分の生還を祈る
明日から3日間、僕は長野へ行ってきます。
社会教育実習のラストを飾る青少年交流キャンプです。
市内の中高生が2泊3日で3000円という
市と青少年相談委員会の主催のキャンプです。

ところがこれがタダのキャンプではないのです。
なんでも聞く所によると指導員の方々は
全員ヤンキーあがりのソッチ系で、
僕とは違う世界を「生き延びて」きたとのこと。
一応「現在は」堅気ではあるらしいのですが、
どんな人たちでしょうか?
何気に全員、僕と同い年らしいんですが。
勝手知ったる職員の方々はこっちの質問に
「いい勉強をしてきて下さい」
「社会教育の真骨頂ですよ」
「人間観が変わりますよ」とのたまうばかり。

指導員がそんな感じなら、青少年の方も似た様なもので、
ガングロ金髪当たり前、当然戦力にはなりません。
キャンプというのにいきなり厚底で来たり、
中学生というのに指導員誘惑して夜陰に消えたり、
(これは実話。そんな話を受ける指導員も指導員だ!)
その御乱行はONH(*)の比ではないとのこと。
「非行少年矯正キャンプ」という訳ではないのですが、
それに似た感じの旅路になりそうです。

僕は市役所生涯学習課付実習生として
メディキット片手に駆け回ることになりそうですが、
くれぐれも問題は起こしてほしくないものです。
今日購入した「救急救命マニュアル」みたいな本には
「セックスの最中に起きる事故」を規定しています。
男は心臓、女は脳みそ。
頼むからぶっ壊さないでくれよ。

(不在中のFWは助役が執筆します。お楽しみに!)

*ONH=オールナイトハイク
 筆者は実習で6時間中学1年の女子と20キロを歩き、
 延々馬鹿にされてきた。
 最後は青春ドラマよろしく尊敬を勝ち取ったけど、
 あんまいい記憶ではありません。 

16日
助役の個人的ブックマーク紹介、第一弾!
どうせなら凄い旅行をしたい
 お盆休みはそろそろ終り、夏休みも残りわずかという方も多いことでしょう。夏休みといえば旅行! あなたは海派ですか? それとも山派ですか?
 私が行くなら、山がいいです。立秋以降、関東は涼しい日が続いていますが、それでも暑い暑い暑い! この上さらに暑くてしかも熱い砂浜に繰り出すなど、私には信じられません。暑さには強い体ですが、好んで暑いところへ行く太陽フリークではないのです。(というよりまともに泳げないとか、日焼けに滅法弱いとかいう方が深刻な要因かも……)

 さて、一昨日は終戦記念日でした。戦争特番などをぼんやりと見ながら、いろいろ考えさせられた方も多いことと思います。
 当村でも特別企画として、ここで一人の戦争体験者の証言を引用させていただきましょう。まだ若い方です。その方は、とある国を「旅行中」に、戦争に遭遇しました。
 『3日は過ぎたでしょうか。お金が完全に無くなりました。
 (中略)
 一人の壮年の男性がここにいたホームレスの方々に次々と声をかけていました。
「なぁ、簡単な仕事だ。それでいて給料が良い。やらないか?」
 しかし、次々と断られています。これはチャンスです。
「あのー、私を雇ってくれませんか?」
 壮年の男性はギョッと、私のほうを見ます。
「えーと、この仕事は外国人にはちょっと…」
「ぜひ、おねがいします!」
 (中略)
 こうして、私が連れて行かれた先ですが表の看板には「sjanbeal supply camp」と、書かれています。Campと、書いてある以上キャンプ場ですねぇ…。
 何にも考えることなく連れられるまま、中には行っていくとなぜか皆「迷彩服」を着て、小銃を抱えています。(中略)
「サバイバルゲームの人達専用のキャンプ場か…」』
 続きは宇治IN茶筒(管理人:宇治さま)の「旅行記第3章」でお楽しみください。当村一押しのサイトです。当村の推薦リンクにしばらく残しますので、ぜひ一度はご覧になられることをお勧め致します。
 皆様もこの夏、旅行中の戦争体験にお気をつけください。 

17日
助役の個人的ブックマーク紹介、第二弾!
期間限定
 いつか消えゆくといえば遠い未来のようですが、個人サイトの寿命はテレビ番組のように短く、なかなか1年と続きません。続けることに強いこだわりを持って運営している、このにゃごろう村でさえも、いつか……消えてゆくのです。
 最低1年は続けたい、私はそう願ってサイト運営に携わっています。しかし逆に、1年間限定でサイトを運営される方も数多くおられます。
 そんなサイトのひとつがサヨナラガール、高3の方が卒業までの期間限定で運営されています。田舎のごくふつうの日常生活を、淡々と綴っているテキストサイトです。[diary]と[text]が中心です。とくに[text]をお奨めします。……このサイトに出会い、一つ二つの執筆予定を白紙にしました。読んで満足し、自分の意見を書く気が失せました。まあ、ご覧ください。
     * * *
 期間限定で楽しむもの……現代は音楽も映像も、自由に記録して好きなときに楽しめるようになりましたが、「空間」「場」だけはまだ、現場で感じることしかできません。
 例えば演劇は、今も期間限定・空間限定の芸術として、大きな存在です。というわけで劇団茶船塾長のサイト茶船文庫をご紹介します。公演情報、過去の上演作品集、戯曲集、なぜかいずれも劇団公式サイトより文庫の方が充実しています。なお、塾長の部屋という一項があり、テキストサイトとして楽しめます。エッセイ集「徒然に思うこと」がとくにお奨めです。
     * * *
 家にネットをつなぐ前から、長らく楽しませていただいてきたニュース系サイトムーノーローカルが8月19日、いよいよグランドフィナーレを迎えます。99年1月より3年弱、900万ヒットを超えた人気サイトですが、やはり終りは訪れるものです。
 けれども、例えば犬を飼うことのように、どこかで全てが終りを迎え、儚い記憶の中に歩み去るものに、私はこだわっていきたい。それは決して、虚しいばかりではないはずです。

 思えば人生もまた、期間限定なのでした。 

18日
助役の個人的ブックマーク紹介、第三弾!
かわいいデザイン
 ReadMe! 登録サイトを中心にサイト巡りをしていた私にとって、GaiaXという企業がつくり上げたコミュニティーシステムとの出会いは衝撃的でした。
 なぜ、この内容で……と驚くほどのサイトでも一日100ヒットを達成しうるのです。しかも、圧倒的に小中高校生の女の子の利用者が多いのも、高校生以上・男性の管理人がひしめく ReadMe! に慣れた私には奇妙な感じがしました。
 以来2ヶ月あまり、ふとした気まぐれでGaiaXのシステムについて探索してきました。しかしこれがなかなか奥深く、成果を発表することは当分できそうにありません。
     * * *
 GaiaX系のサイトを巡れば、必然的に女子中高生のサイトを巡ることになります。
 もとより承知していたこととはいえ、こうして巡り歩いてみますと、生きている世界のあまりの違いに呆然とする他ありませんでした。昔は私にも彼女らの感覚が理解できたのでしょうか。
     * * *
 若さにあてられつつも私がGaiaX巡りを止めなかったのは、やっぱり面白かったからです。
 例えば、リンクページのサイト紹介文。「すんごくラブリー!」「キュートなサイトです」「とっても可愛いよ」などなど、見た目のことばかりというサイトが少なくありません。これは微笑ましい光景ですが、彼女らが何を大切にして生きているか、垣間見えるような気がします。
 そしてGaiaXが巨大化した大きな理由として、そうした思いを吸い上げる仕組みがあることに気付かされたとき、GaiaX社員の知恵に感動したものです。
 そんなの何が面白いのか、という方、どうもすみません。
     * * *
 さて、今日の本題です。
 私は女子中高生のサイトに頻繁に登場する「かわいい」という感覚に、かすかに違和感を感じます。やっぱり歳の差なんでしょうね。世代と年齢、両方の意味で。
 そんな私にとって、文句なくかわいいと思えるサイトをひとつ紹介させていただきます。イラストどころか明るい色さえ使っていないサイトです。管理人は、このたび公務員試験に見事に合格された、大学既卒の方です。
 channel*924325
 ぜひ、ご覧になってください。日記やテキストが好きで、ずいぶん前から読ませていただいているサイトです。 

19日
夏の特別企画! 本日も助役が更新。
YD技研別館建設公告
 村長によるWEBサイト建設・運営エッセイ「YD技研」は幸い、好評を受けて目下完結まで残すところ5話となりました。これに対応して、助役も「YD技研別館」を建設することにしました。
 村長と私は、サイトの建設・運営について議論を重ねてきました。ついに意見が一致しなかったことも多々あります。村長が意見をまとめたこの機会に、村長とともに「にゃごろう村」を運営してきた助役が、今の考えを書き残すことも意義があるかと思います。
 FTPのパスワードまで共有する形の共同運営は、個人サイトでは珍しいようです。さらにお互いがサイトのデザインやテキストを勝手に更新しあっているという例は寡聞にして知りません。そうした意味で、YD技研別館は各項目に本館の対応部分へのリンクを添え、読み比べて楽しめるよう配慮しています。

YD技研別館:目次(finished all!)
1. 建設公告 11. 来訪者数
2. 製作環境 12. 目標数値
3. 原点 13. キリ番
4. 共同運営 14. 掲示板
5. HN 15. 書き込み
6. 個人情報 16. チャット
7. デザイン 17. メール
8. 扉ページ 18. リンク
9. 作者紹介 19. 信頼関係
10. 随筆施設 20. 感謝

20日
一夏の、あまりにも素晴らしい思い出
大業を成し遂げたあとは実際何をする気もなくなる。
僕にとって今がその時だ。
社会教育実習は先日のキャンプを持って終了です。
あとは市役所にレポートを持って行き、
検印を貰うという残務整理はあるけど、
実習自体はもう終わりです。

14日間、本当に楽しかった。
勿論、仕事がすべて楽しいなんていうのは嘘で、
実習生という身分からやさしい仕事や楽しい仕事を
回してくれたのだろうけれども、
それでも非常に充実した学習期間だった。
小学生対象の子供科学講座から、
老人対象の生涯大学校まで、ほぼ全年齢の行事を見た。
担当教授の持論ではないが、
人と人とのつながりも実感として感じた。
街の名士、青少年相談員、婦人会、社会人大学の受講生、
生涯大学の受講生や講師、ONHの参加生徒や引率教師
IT講習の教官、ボランティアと参加者、
公民館のパートさん、キャンプの指導員と生徒たち。
そして、一人の大人として接してくれた市役所の方たち

様々な人々とであって、色々な勉強をしました。
言葉に出来ない感動、忘れられない思い出、
本当に感謝しています。
(未来永劫のこる市役所の公文書には
 しっかり僕の名前もエントリーされています
 いつか将来金持ちになった暁には
 1000万円くらい寄付したいですね、
 勿論、社会教育事業に) 

21日
痛いのは嫌い
今日は保健所まで行って採血してきた。
どこかが悪いわけでも悪い予兆があるわけでもない。
10月に行われる介護体験の実習先からの要請なのだ。
必要なのはB型肝炎と細菌検査の陰性証明書。
経費が保健所利用で1400円というのはありがたいが
手間暇や苦痛を考えると嫌なもんだ。

僕は元来、血や肉やそれに関する出来事が嫌で、
見聞きすることも嫌なら、体験は尚御免蒙りたいクチだ。
なんせ子供の頃は肉類が全くダメだったくらいである。
それが自分の体に針を刺して血を引き抜くなど…
想像するだに気持ち悪い、注射など未だに嫌いである。
高校時代のガールフレンドは何故か献血マニアで、
僕は彼女が献血車に消えてる間、外でいつも待った。
男には出来ることと出来ないことがある。

さて、しかし逃げられないのが今日の注射。
僕は子供の時からそうするように、
腕を出すと顔を注射針の方からそむけました。
これって、普通やりません?
腕は消毒され、針が刺されて、血が抜かれる。
この間、何秒でもないけど完全に意識してるよね。
50cc抜かれたあと、看護婦さんは吃驚してたっけ。
「大丈夫ですか? 気分が悪い?」って、
僕をなんと勘違いしたか「大人だから泣かないわよね」
ときた時は腹が立ったけどね。

でも僕はすっかり気持ち悪くなっちゃって、
自転車を押して帰り、帰宅後は7時間も眠った。
たった50ccでこの体たらく。
献血なんかしたらどうなっちゃうんでしょう。
あの血量の10倍だぜ! 

22日
台風がやってきた
今日は台風11号がやってきて、去った。
我が家は終日雨戸を締切り、篭城態勢に入った。
殊僕に限り、今日は完全に引篭もっていた。
バチバチ響く雨音を聞きながら本を読むのも乙なもの。
クラシックを聞きながら今日は5冊も本を読んだ。
疲れたらうたた寝、空腹を感じたら食事。
そういう生活もたまには悪くない。

嵐のような雨音も15時ごろには低くなり、
日が暮れる頃には雨風ともにやんでいた。
台風の後の海は、それはそれは綺麗らしいけど
台風の後の埃のない空も、とても綺麗に感じられた。
夕焼けで橙色に染まった空、
わずかばかりに浮かぶ久方ぶりのブルー。
嵐の後の静けさよ。

目が疲れたので夜は布団で一眠り、
雨音も、雨戸を叩く風の悲鳴も聞こえない。
結局何もしなかった一日だけど、
それはそれで悪くはない。 

23日
掃除と発掘
今日は終日、僕の部屋にあったPCを居間に運ぶ作業、
および運んだ居間の模様替えに一日を費やしてしまった。
家族の総力戦だけあって、無事成功。
現在、いつもの極めて汚い僕の部屋ではなしに
どことなくプロの事務所を思わせる洗練された居間で
この文章を打っている。

さて、掃除をすると思わぬものが出てくるのは世の常で、
今日も例にあたわず意外なものが出てきた。
「小学校の卒業文集」である。
卒業アルバムに封入されている文集ではない。
丸々一冊、6年1組発行の寄書文集百余ページである。
この発見に僕はたちまち掃除をサボタージュし、
部屋に篭って読みふけった。

懐かしいねえ(だから掃除がはかどらんのだ)

結論からいうと、
十二歳の僕は二十歳の僕の職業は当てている。
但しこんなに酷い大学生活を送っていることまでは
当然予期していないけど。
(早稲田に入る気だったらしいよ、やれやれ)
将来の夢は教師らしいし、笑ってしまうのはその動機。
「世界最後の日を遅らせたい」だと
わっはっは、このとき怯えてたね、1999。

この話は面白いので明日のFWも続きを打ちます。
僕はねえ〜実は美男子だったんだよ。
という訳で以下次回、乞うご期待。 

24日
十二歳の僕、二十歳の僕
今日は予告どおり昨日の続きを書く。
(昨日のFWを読んでいない人は過去ログをどうぞ)
小学校卒業文集を部屋の掃除のドサクサに見つけたが
やはりこれは面白い。
昨日は「早稲田に入る」などという
偉そう且つ身の程知らずの暴言を暴露したが、
そんな類の夢想はこの文集にごろごろしている。

先の早稲田云々は「百年計画」(要は予想自分史)
というコーナーに鎮座しているのだが、
これがなかなか興味深い。
十二歳の僕が予想する二十歳の自分は。

「楽しい大学生活を送り」←毎日つまらん
「バイトで金をため」←バイト面接受かったことなし
「海外旅行に行く」←面倒くさい、国内にも出ない

ちなみに次の行には讀賣新聞入社とか書いてある。
知らぬこととは恐ろしい。

さて、色々コーナーがあってとてもここでは語れない。
よって「みんなチャンピオン」というコーナーから
僕が小学時、どういう風にクラスから見られていたか
ここに書き記したい。責任は負わないけど。
・美しい顔
・動くスピーカー
・博学
第3位
第3位
第1位
以上 

25日
相対的優等生のニ類型
昨日と一昨日のFWは、大掃除で発掘した
小学校卒業文集について話をした。今日は最終回である。
卒業文集を見て思うのは哀しいことだが
「俺って頭よかったんだなあ」ということである。
クラスメイトの作文や先生の評価文にも、
しばしばそういう言及はみられる。
僕のいた小学校は本当に田舎で、
進学塾はおろか塾に通っている人もまばらな
のんびりとした学校(但し非行は多い)だったので
相対的に僕は天才児の部類に入ってしまったのだ。

(勿論現実にはそんなこともなく、
 今では僕より高い大学にいるのも数名いる)

誰もが羨む地位、それは当然相対性評価の故に
進学した私立中学で無残に打ち砕かれる。
中学では落ちこぼれはしなかったが、中堅レベル。
高校は内部選抜クラスには入れたが全くの劣等性。
それでも中高は実に楽しかった。

ここで大学、へっぽこ大学の一応優等生(?)。
とはいっても大学での優等生の基準は不明だし、
ただ出席していれば大抵の科目は「優」を貰えるのだ。
殆どの学生は成績などどうでもよく、
ここでも相対的に僕は優等生の座をせしめる。
ただし今回の相対優等生は小学の時よりたちが悪い。
一流大学ならいざしらず三流では成績など無意味。
(おそらく、まったく無意味)
むしろ遊んでいる方が就職には有利だから笑える。

まったく悩みなき小学生時代よ。
それはそれで忘れてしまった苦労もあるのだろうが
文集を見る限り、小学生時代の僕は幸せそうだ。 

26日
住民たちの神なき夏祭
今日は陽の出ているうちはずっと地元の住民主宰の祭、
「***コミュニティー祭」に行って来た。
住民団体の祭である故に神のない物足りない祭だが、
それを上回る住民の熱気があった。
祭は市内にもう一つ、市の誇る大寺院の夏祭りがあるが、
これとはまったく正反対の作り方である。
寺院の祭儀が古来から続く大商店等が中心なのに対し、
この祭は70年代以後のニュータウン地区住民が中心で
出店も「**地区*丁目自治会」というのが中心だ。

僕にとってはこの「出店」というのがメインなのである。
自治会主宰という利益を求めない公益集団だけあって、
飲食物の安さがとても半端じゃないのだ。
以下に記すのは本日僕の消費金額一覧である。

* やきとり    10本   500円
* フランクフルト  2本   200円
* カキ氷      2杯   200円
* やきそば     1皿   200円
* 缶ジュース    2缶   200円
* 何故かゲーセン  2回   200円

最後の一つが気になるが、とにかく1500円である。
随分食べたが、これは1日中廻ったゆえである。
(それにしても食べすぎ?)
自治会の人たちはこれが夏祭りのハイライトとばかりに
とても一生懸命に頑張っていた。

僕はこの自治会たちに何のゆかりもないけれど、
彼ら彼女らはとてもとても幸せそうで、羨ましく見えた。
よく時代小説を見ると殿様がお忍びで村祭りに参加し、
「民百姓の幸せそうな顔、しかと拝したぞよ」
と羨ましそうに独白したりするが、僕もそんな気分だ。
僕は殿様ではないが、身分違いで参加できない、
そういう事象は一緒である。
(身分と云ったって住むところが違うってだけだよ) 

27日
だから僕はつらい
Hなパソコンゲームを見つけた。
「ヤバい」…それが僕の第一印象だった。
時は本日正午過ぎ、所は最も自宅に近い古本屋。
鉄製本棚の前で、僕はエロゲー片手に立ち尽くした。

いや、別にエロゲー程度には驚かない。
高校時代は文芸部にて厳しく弾圧したものだが、
今となっては部名が落ちようと関係なし。
(文芸部=オタク部のイメージを変えるために
 当時は躍起になっていたのだ。)
たかだかエロゲーを目にしようとも何にも思わない。

ただ、場所が問題である。
古本屋でエロスペースが増えるということは
とりもなおさずその古本屋の経営悪化を意味する。
その自宅に最も近い古本屋は久しぶりに行ったのだが、
エロスペースが数ヶ月前の4倍ほどに増えている。
以前はそういうコーナーがあったかな?
と思われるほどの小スペースで、
それも初めは写真集だけだったのだが、
今やエロ本エロビデオエロDVDエロゲーム。

これは困る。

そういう店があること自体は構わないが、
古本屋がこれに手をつけるとヤバイ。
一時的に売上ははね上がるが、
これは麻薬みたいなもんでもう元には戻らない。
段々一般の客はいずらくなり、結局砂漠は広がり続け
最後はエロ専門店になり、エロ専門店に殺される。

困ったことにここの経営状況は結構知れている。
最近、この店の至近距離に競合店が出来た。
それに呼応してか自棄なのか文庫本を投売り始めた。
これはヤバイ。

僕はこの古本屋に好意を抱いている。
今は古本屋が市内に溢れているが、大型では第一号だ。
中学高校と金のない僕を救ってくれたのはここだった。
休みのたびに通い、漫画を立ち読みし、文庫本を買った。
200冊以上の文庫本を買い、500冊は漫画を読んだ。
だからこの事態はかなりつらい。 

28日
真面目な人間の真面目な戦争
私は真面目な人間だ。
別名、遊べない人間とも融通の利かない人間とも云う。
が、まあそれはよい。
ところで問題なのは私が更に以下の特性があることだ。
曰く「頭が悪い」「自己主張が強い」「プライドが高い」
これが真面目因子と結びつくとえらいことになる。
バカに正義感や主義に凝り固まった
屈折した小人物が出来上がるのである。

まあ、私のことはどうでもいい。
私は予定調和主義者ではないので、先をお読み願う。

先日、某掲示板で荒らしと判断しうる現場を見た。
いや、それはただの荒らしより始末の悪いものだった。
荒らしの定義が犯人主観説か結果客観説か知らないが、
その対象嬢(だと思う)は、
少なくとも自分が荒らしだとは思ってないと思う。
事態は以下の通りだ。判例紹介風に書く。

あるサイトの、トップページエッセイに管理人Yは
「(自然災害で)休みが取れて嬉しい」旨記した。
これに対し突然ビジターXは掲示板にて、Yを糾弾した。
これに対し、Yは謝罪し、該当箇所を抹消した。
その上でYは以後、批判はメールにて送る旨、Xに要求。
これに対してXはその姿勢を糾弾。
一般のビジターはY擁護の姿勢で論陣を張り、
かくて泥沼的抗争が始まった、と。こういう事例です。
(尤も現在はXは「Yにはいうことない」と直接攻撃を
 やめ、周辺のビジターと「Yの掲示板上」で喧嘩して
 いる模様です)

さて、このありふれた事件が当村と以下にクロスするか
当然、助役がY擁護の論陣を張っているからで、
これは妥当にして当然のことなんだよな。
論争の端緒となった事件は既に解決してるんです。
管理者がログから消し、謝罪しているから。
別段Xのことを書いたわけでなし、
これで決着はついています。
ところが掲示板に書くのは遠慮蒙るといったことに
Xは怒っちゃったんですね。

大方Xは真面目な人なんだろうなと思う。
荒らしにしては稚拙なりに真面目に反論している。
ただ問題はXの主観から外れて、
その行為が既に荒らしと同一の効力を発していること。
管理人の意思に反した論争を掲示板で行うことは
これは重大なマナー違反です。
論争するくせにメアドを公開しないあたり
ネチケットに相当無知なきらいがありますが、
おそらく現実社会でも論争好きな人なんでしょう。
それ以上の推測は控えます。

さて、当村村民会館では村民さんと管理者、
または村民さん同士の闊達な交流を望んでいます。
その中に当村文中に対する抗議があっても受けます。
ただそれが複雑な問題になった場合は
メールでの問題提起を要請します。
何故か? 先の論争で管理人Yは
「批判されたのを知られるのが嫌だから」
とのべています。
当村がそういう話を嫌がる理由は単純です。
「場の雰囲気が悪くなるから」
村民会館は歓談の場です。
そこに怒鳴りあってる人がいたらどうでしょう。

さて、かつてない長FWでしたが、
この論争、当村に波及する恐れ(可能性)があります。
前にも助役との論争で頭にきた人が
当村掲示板を襲撃したことがありました。
前述の論争が、論争から喧嘩に発展し、
収束の構えが見られないことから、
リンクをたどって当村に破壊が起こる場合があります。

当村の取る立場は一貫しています。
正当にして論理的に欠陥のない(或いは比較的少ない)
助役の意思を全面的に支持します。
その上で対外の喧嘩には中立します。
もし、掲示板に攻撃がなされた場合は、
事件全容を公告致しますので、
その折はどうか御理解願います。 

29日
山田君
あんまりに暇なので(←レポート性鬱病)
YAHOOに自分の本名を入れて検索するという
不毛極まる遊びをしてみた。

私は極めて平凡な名なのだが、
YAHOOでは300ページほどヒットした。全員別人。
ちなみに助役の本名だと1、それも本人だ。
それでページを見てみると
世間には色々な同名さんが活躍していることに
否応なく気がつかされる。
アイデンティティーの揺らぎというか、妙な気分だ。

ちょと名士録風に挙げると
・大阪大学の院生(しかも英文ページ)
・車椅子テニスの選手
・某大学の演劇キャスト(準主役)
・競馬の騎手
・某電話会社の課長代理
・武蔵野美術大学の学生
・二酸化炭素削減に取り組む学者
・製材所の社長
・歯医者
・台湾を研究している学生

まあテンデバラバラ、色々な人生ですね。
でも彼らはみんな同じ名前で認知されていて、
おそらく同じ名前で呼ばれて、愛されて、嫌われて
人生を生きてきた。
同じ記憶と連帯を持つものたち。
お互い誰も知らないけど、そういうのっていいと思う。

彼ら全員が一堂に会して酒を飲んだら、
それはそれで楽しいかもね。 

30日
同窓会のファッション
さあて、今日は同窓会だ。
ははははははは、いやあ楽しみにしてたんだ。
高校を出てから2年半(僕が現役で大学3年だからね)
もう今回で6回を数えるが、皆勤である。
元々学校を休むような方ではなかったが、
しかしてこのスコアには自分で呆れていたりもする。

今でこそ凋落・零落して、底辺に籍を置き、
日々死人のような生活を託っている身ではあるが、
当時は大した威勢と矜持を持っていた身であるから、
当然同窓会も気合が入ることではある。
私は別段ホモセクシャルの気があるわけでもないが、
男に会うために緊張するというのも変な話だ。
旧友と会うのは成人式以来だ。
大学生の忙しさはこういう時でないと会えない点にある。
今では私だってそうそう会えない時間を過ごしている。

今日の装いは…
帽子は例の紺の無銘ソフト帽。
$1.25ブランドのクリムゾン・シャツに
エルミンストリートジャケット、
あとはなんだ、AIR WALKの綿パン。
我ながら気取りすぎのような気もするが、
大学では大抵こんな感じなのでいいだろう。

いってきます! 

31日
徹夜明けの早朝の憂鬱

(今日のFWは2001年8月31日午前5時
 近所の公園のベンチで書いたメモの写しである
 眠気とアルコール性吐気に悩みながら書いた文である
 誤字は余りに多いので全訂正した)

8/31;FRONT WORD

私の大学時代にとって楽しみなイベントは
地元大寺院と新興住宅地での祭礼、
母校の文化祭と高校野球、そして同窓会だ。
他にはなんにも楽しみはない。
思うに高校から大学の差はただの進学にとどまらず、
我が人生上、顕著なる転落であることを告白する。
小学校を首席で卒業し、中高は成績こそ底辺にせよ、
エリート校の最難関クラスに籍を置いた誇り。
まずこれを失った。
大学では何の面白みもない。
何の、ゼロだ。
一日19時間、一週6日間の拘束。
それで何がある? 何もない。将来さえも約束されない。
ろくでもない生活、金も暇も出来ない。

くだらない生活だ。
僕を誘う同窓会の快楽とはなんだ?
同窓生の出世した姿を見て、喜びを共有すること?
なんという倒錯ぶり、然り! それは既に真実である。

大学で僕が得たものとはなんだ?
僕が彼らと比べて胸をはれる事物が存在するか?
彼らにとっては一イベント、私にとってはそれが全て。
それが全て? それがすべて。
大学には何もない。呆れるほど何も。
頭の悪い連中ども、知るも知らぬも変わらぬ講義。
出席を問うが為のみのテスト、何の保証もない卒業証書。
行くのは何故か? これ以上落ちぬためゆえである。

かつての友人の成功を喜ぶ僕は何か?
何の視点で物をいっている?
嫉妬すら感じぬこの感情はどこからくる? その名は?

アルコールでしびれた脳、
幸せだったかつての思い出、昨日の記憶。
今、ここで死んでも、僕は不平を云うまい。

(素面な今の付記;
 宴の後のアル中×寝不足状態らしく酷く感傷的だ。
 大学は酷いところだが、抑圧が解けてるとはいえ、
 ここまで悲観的な自分に全く驚かされる。
 最後にはタナトス願望まで発露しているが
 これはまったくアテにはならない
 早朝の公園に程なく徹夜明けの暴走族がやってきて
 僕は頭痛を抑えつつさっさと逃げ出したからだ) 
8月のFW 
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