『カトゆー家断絶』が更新され、昨日の祭りのようなアクセス数増加が沈静化した。過去ログとはいえ、一日で1000アクセスを超えるなんて、弱小個人サイトにとっては大事件なのである。
しかし、今日の夕方にアクセス数を確認してみると、なんと1時間で1000アクセスを超えていた。約3秒に1アクセスのペースである。サーバへの攻撃か?と思ったほどだ。
リンク元は、動画情報をあつかったアダルト情報サイトだった。リンクしてあるのは、昨日と同じ、9月28日の日記。
で、結局そのアダルト情報サイトの正体は明かされないのだけれども、じつはテキストサイトに平気でリンクするアダルト情報サイトといえばひとつしかない。アダルト情報サイトとして最も有名なサイトのひとつである動画ファイルナビゲーター内の1コンテンツ、見つけてきたNEWSがそれだ。あ、NEWSのログページに直リンしたのだけれども、それでも18禁かもしれないので要注意、といっておく。
このエッセイの趣旨は、ReadMeで10位以内に入る超人気サイトであるところのカトゆー家断絶からのアクセスに驚いていたら、アダルトサイトからのアクセスはさらにその10倍だったのでおったまげた、というものだ。そして、以下のように結論付けている。
ある調査によると、海外でネット上を流れるデータの半分は、アダルト関連のものだと言う。もっともこれは、エロ画像やエロ動画のデータサイズが大きいことが理由だと思われる。しかしそれを差し引いて考えたとしても、アダルトサイトの利用者は多い。
今回、アダルトサイトの巨大な影響力を、身をもって感じた。この「憂鬱なプログラマによる~」も、アダルト情報サイトからリンクを張られたという十字架を背負って、これからも更新していきたい。
アダルトサイト利用者は、超人気ニュースサイト利用者の数よりもずっと多い。
そう、それはたしかにそうなのだけれども……。テキストサイトの頂点はほぼ日刊イトイ新聞で、1日50万PV。この数字は、日本トップクラスのアダルトサイトと比較して遜色ないのではないか。
ASCII刊「100万ヒットホームページを作った人々」に東京トップレスが1日200万ヒットという数字が出てくる。念のため。ヒットはPVとは異なる概念だ。画像を4枚貼ったHTML文書を読み込むと5ヒットになる。さらにJavaScriptやCSSを読み込み、CSSから画像をさらに3枚読み込むと、文書ひとつで10ヒットとなる。サーバにとってはPVよりもヒット数と転送量が重要だから、ベッコアメサーバから工藤さんに出た苦情はヒット数が基準となっている。1999年の東京トップレスは1日20万PV程度だったのではないか。WWW利用者人口が現在の4分の1以下だった頃の話だ。
もう1点、カトゆー家断絶は取り上げる情報量が異常に多いことでも知られる。閲覧者がそのすべてのリンクをたどるわけではない。ネタ次第では、カトゆーからのリンクをきっかけとして、閲覧者数が1万を超える。PVはもちろんそれ以上の数字を叩き出す。1時間に1000PVを超えるという経験は、瞬間風速(半日)ながら私も経験した。しかしそのリンク元はテキストサイトだった。単純に、動画ファイルナビゲーターがカトゆーの10倍の閲覧者数を誇るとは言い切れない。(でもたぶん、本当に10倍いるような気がするけれども)
先の話題に関連して。以下、インターネット白書2003より数字を引く。
まず、WWWで映像コンテンツを利用する者の割合は51%に過ぎない。ブロードバンド利用者に限定しても61%に過ぎないことには注意すべきだ。では、どのような映像が多く視聴されているのだろうか。
最も人気を集めているのはミュージシャンのプロモーションビデオのクリップで、映像視聴者の48.7%が視聴している。次は映画・テレビの広告(ダイジェストや予告編か?)で40.1%、3位がニュース・天気予報の28.9%、4位が映画・ドラマ・お笑い番組(ネット放送?)の21.3%、そしてようやく5位にアダルト18.5%とくるから、つまりネット人口全体の1割弱しかアダルト映像を視聴していない。さらに下位には生活情報、オンラインラジオ、定点ライブカメラ、スポーツ中継などが続く。
たしかに、頂点を比較すればテキストサイトよりもアダルト情報サイトの方が高い。だが、全国紙のニュースサイトなどと比較すれば、結局それも比較にならない程度でしかない。具体的に数字を挙げれば、夕刊フジのWebサイトZAKZAKは1日1000万PVを優に超えている。サンケイスポーツのWebサイトsanspo.comでも1日900万PVだ。
新聞社は例外だというなら、例えばSONYのWebサイトは1日100万PVで、グループサイト(通販の SONY STYLE とか)を除いた SONY Japan のみでも月間1000万PVだし、井上雄彦の公式サイトは週に100万PVだったりする。読売巨人のサイトは1日30万PVで、倒産したハウステンボスのサイトだって1日5万PV弱、私が聞いたこともなかった日本旅行のサイトが1日19万PV、紀伊国屋書店は月間3000万PV……。(ASCII刊 WebDesign2003、WebDesign2002)
で、極めつけはやっぱりYahooで、これは2002年3月の数字だけれども、月間51億3861万PVだった。重複を省いた利用者数は1585万人。ちなみに当時の2chは2億2444万PVで、利用者は257万人。2ch.netは利用者数ランキングで37番目のドメインとなっている。(インターネット白書2002)
それで何がいいたいのかというと、アダルトがWWWの需要を引っ張っているというのは伝説に過ぎないということだ。ビデオデッキの需要の中核をなしたのは、決してアダルトコンテンツではなかった。ほんの一時期、躍進の原動力となった時期があったのかもしれないが、それだけでは結局、マイナーな裏文化で終わってしまう。WWWの利用拡大を真に牽引しているのは、やはり表文化の力なのだ。
もちろん、海外で
という留保がついているのに日本国内のデータを示しても説得力に乏しいかもしれない。しかし、国内でこれほどシェアが小さい(動画の総量と比較すると1割に満たない)ことを考えると、海外で一気にトラフィックの半分も占めるものだろうか、という疑問がわく、と指摘しておきたい。
全体と比較すれば小さな勢力も、全体があまりに巨大であるためにそれ単独で見れば十分に大きな勢力だ、という話。しかしYahooは凄いなあ。2001年と比較して、WWW利用者人口はほぼ倍増しているので、今頃は……。
何はともあれ、憂鬱なプログラマによるオブジェクト指向日記はこの備忘録よりは平均的に面白いように思った。転載してよいということなので、気が向いたら転載しようかと思う。
じつは私は、未整理の状態ながら転載OKのサイトをけっこうサーバにおいている。無節操にファイルをあげていったので、とうとう300MBの容量を食いつぶしてしまった。これにはいささか参った。やむなく、最近になっていくつか消した。最近、このサイトからリンクした転載記事に妖精現実があるけれども、私にとって重要な記事はほんの一部に過ぎないので、これはいつか整理しなくてはなるまいなあ、と思っている。けれどもこの3連休に何もしなかったから、この先もやっぱり何もしないままなのかもしれない。しかしサーバの容量がなあ……。