趣味Web 小説 2003-12-17

2003週刊文春ミステリーベスト10

「このミス」の倍以上の回答者数を誇る、歴史あるランキングが本日発表されました。

国内編
  1. 「クライマーズ・ハイ」横山秀夫
  2. 「葉桜の季節に君を想うということ」歌野晶午
  3. 「グロテスク」桐野夏生
  4. 「重力ピエロ」伊坂幸太郎
  5. 「終戦のローレライ」福井晴敏
  6. 「第三の時効」横山秀夫
  7. 「翳りゆく夏」赤井三尋
  8. 「ZOO」乙一
  9. 「陰摩羅鬼の瑕」京極夏彦
  10. 「被告A」折原一
  11. 「陽気なギャングが地球を回す」伊坂幸太郎

例によって例のごとく、乱歩賞受賞作がランクイン。今年は2作同時受賞だったので、片方が落ちましたけれども、とにかく1作はランクイン。もうこれは絶対の傾向といってよいくらいです。「ZOO」もランクインしましたね。横山秀夫が強いのも予想通り。これは一体何なのかというと、要するに評論家的(あるいは作家的)ランキングよりも読者ランキングに近いということです。IN☆POCKET の読者ならピンとくる、アレです。

ありていにいってしまえば、ある程度、売れた本が上位にきやすいわけです。評論家・作家が褒める本と、読者が支持する本の微妙なねじれがそこにはあります。とはいうものの、順位が違うだけで、ほとんど「このミス」でもベスト20に入った作品ですよね。

海外編
  1. 「半身」サラ・ウォーターズ
  2. 「捕虜収容所の死」マイケル・ギルバート
  3. 「ボストン、沈黙の街」ウィリアム・ランディ
  4. 「魔女は夜ささやく」ロバート・R・マキャモン
  5. 「石の猿」ジェフリー・ディーバー
  6. 「鉤」ドナルド・E・ウェストレイク
  7. 「歌うダイアモンド」ヘレン・マクロイ
  8. 「闇に問いかける男」トマス・H・クック
  9. 「サイレント・ゲーム」リチャード・ノース・パタースン
  10. 「ヨットクラブ」デイヴィッド・ニーリイ
  11. 「夜より暗き闇」マイクル・コナリー

ううむ、これはひどい。いや、いい作品ばかりなのですが、全作品が「このミス」ベスト20位以内に顔を出しているんです。たぶん、海外編でいろいろ発掘したい方は、IN☆POCKET の11月号をチェックするべきではないかと。読者、作家、評論家それぞれのベストテンが発表されていて、しかも各々個性的な結果になっていますから。

文春ランキングのベスト4までは「このミス」でもほぼ同順位なので、世評の高いことでは折り紙つきということになります。未読の方はこの機会にどうぞ。1位と2位は私も読みました。正直、お勧めです。なるほど、この結果も納得できるなあ、という感じ。

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