趣味Web 小説 2004-09-02

「とりあえず、読んでみる」という姿勢

1.
こんな本は絶対に読まない!
  • 「ヤクザに学ぶ交渉術」
  • 「銀座ママが教える…」

僕はこういう本が売れていて、ヤクザの真似をしてまで交渉を成功させたい人がたくさんいる、という現実に、反吐が出そうになるのです。

そんな恥ずかしいことに魂売るなよ、とか思ってしまう。

あと、そんなに偉いのか銀座ママって…

職業は医師ですと明かしている人が、そうやってあからさまな職業差別を書いていると、いつか刺されるんじゃないですかね。ところで、新米医師よりは銀座ママの方がステータスが高いと思います、私は。

あと、「ヤクザなんかに学ぶことは何もない」とか思っていたり、ましてやそれを公言しちゃうような人は、なんだか危なっかしいような気がします。私は自分の医者には謙虚であってほしいと願う。なんでも素直に受け入れてしまうようでは困るけれど、「とりあえず、読んでみる」という姿勢を持てない頑なさも不幸の源。ご立派な信念ですね、なんて書くと嫌味が過ぎるかもしれないけれど。

2.追記(2004年9月2日夜半)

刺されるというのは、文字通りの意味ではありません。だから、他人に迷惑をかけて口に糊している集団に対して、どうしてネット上でまで「一身の安全」を考えて、媚を売らなくてはならないのでしょうか?といわれても困ります。そんな主張はしていませんから。ちなみに危なっかしいも同様。身の危険ではなく、つまらないところで評判を落とす、という意味で使っているのです。

銀座ママが偉くないならじっぽさんだって偉くない。偉くなければ人に教えられないならば、じっぽさんのエッセイは何なんでしょうか。「教える」と「伝える」は重複部分の多い概念です。私が批判したのは、偉い人だけから学ぶという考え方です。ヤクザは偉くなくても、その交渉術には学ぶべき点があるかもしれない。銀座ママのお話だって同じことです。ヤクザからも何かを学ぼうとする人に対し反吐が出るとまでいう狭量に、私は傲慢を感じました。

職業に貴賤はないというのはお題目で、実際には親を泣かせるような職業はたくさんあります。逆に周囲を喜ばせるような職業もある。医者は基本的に社会的地位の高い職業とされています。そうした人が他人を見下すようなことをいうと、ふつうよりもたくさん怒る人が出てきます。怒る人が正しいかどうかは別として、不用意に人を怒らせるのはどうかと思います。

これは余談ですが、じっぽさんがどう考えるかは別として、日本では一般に暴力団組員を無職とは呼称しません。また抗争など組の活動で民間人に被害が出たとき、組長が使用者責任を問われた裁判があります。私の知るケースでは和解による事実上の賠償金支払いとなりました。そもそも暴力団は非合法組織ですから、本来なら原告敗訴です。ヤクザも職業だという考え方が、裁判に影響したのです。末端の構成員は貧乏なので、使用者責任を問えなければ賠償金は取れないのが現実です。

3.追記(2004年9月3日)

以下、順不同でいくつか。

4.関連文書
  1. 「とりあえず、読んでみる」という姿勢(2004-09-02)
  2. 雑感いくつか(2004-09-03)
  3. 余談と補足とあと何か(2004-09-07)

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